Bolt Observerで死活監視と流動性マネジメント

Bolt ObserverはLNノードをモニタリングするWebサービスです。ノードオペレーターはLNノードが正常に稼働し続けているか日々モニタリングする必要があります。ノードがダウンしている場合、相手方にチャネルを閉鎖されたり、ルーティング手数料を得るための機会損失になります。

Bolt Observerにアカウントを作ることで、次のようなノード監視ができるようになります。対象はノードかチャネルを選択します。監視する項目は、チャネル閉鎖やチャネル残高、チャネルの生死の設定ができます。そして設定した閾値を越えるとメールやSlackなどにその旨を通知させることができます。

Bolt Observerでは2種類のノード登録方法があります。

• API型：LNDやCLNなどの読み取り専用のアクセス権限付与ファイル（readonly.macaroon）をアップロードする。
• Agent型：自分でBolt ObserverがOSSで提供するソフトウェアをインストールする。Webサービスとの通信はAPIキーで行う。

API型では読み取り専用のアクセス権限付与ファイルを運営側へ渡しているので、運営側による資金の移動などはできません。アクセス権限をRevokeしたい場合は自ノードのreadonly.macaroonを削除すればよいです。

Agent型は自ノードにソフトウェアをインストールするので、運営側には設定ファイル等は渡しません。（Agentのインストール方法はこちらから）

また、Agent型のみに解放されている機能があります。それが、Auto Swapsと呼ばれる流動性マネジメントです。Auto Swapsでは、チャネルバランス（現状はインバウンドのみ）が閾値を越えると自動的にサブマリンスワップ（現状はスワップアウトのみ）をして流動性を調整させることができます。

WebサイトでAuto Swapsのワークフローを作成し、自ノードでAgentを起動させてみました。そして意図的にインバウンドを減少させてみると、以下のログのようにサブマリンスワップが実行されました。

I0601 03:03:34.239796 2642684 main.go:521] Waiting for events...
I0601 03:03:34.994551 2642684 connect.go:92] Successfully connected to the server
I0601 03:04:35.062783 2642684 swapdata.go:143] [Boltz] [24] Ratio for channel 817494592012091392 is 0.634663
I0601 03:04:35.065780 2642684 swapmachine.go:31] [Boltz] [24] Will do a reverse submarine swap with 796011 sats
I0601 03:04:35.389918 2642684 swapmachine.go:31] [Boltz] [24] Swap fee for 7GBlpI will be approximately 4.40 %
I0601 03:04:35.392774 2642684 swapmachine.go:222] [Boltz] [24] Transitioning to state ReverseSwapCreated
I0601 03:04:35.395209 2642684 swapmachine.go:222] [Boltz] [24] Transitioning to state SwapSuccess

ノードオペレーターや店舗決済で使われるノードを運用している方はAuto Swapsを使うことで自動的に流動性の調整ができるので良いかもしれません。サブマリンスワップでは、LNの送金経路の流量耐性が低かったりや手数料不足などの原因でスワップの失敗も頻出します。Bolt Observerも新興サービスでありまだ安定しているとはいえないので、Auto Swapsを試してみる際は慎重を期した方がいいかなと思いました。実際、Auto Swapsのテストをしている時にエラーが起きて開発者と連絡を取り合っていました。

Bolt Observerの良い所は手軽にノード監視ができて、Agent方式は運営側にアクセス権限を与えずにサービスを使えるので、ノンカストディアル的なアプローチ方法でいいなと思いました。