ロックダウン中。
家から出ない日が続いている。紐を付けたカゴに3ユーロ入れて部屋の窓から下に降ろし、5分ほど待つとケバブバーガーがカゴに入れられる。ケバブ屋のトルコ茶の葉がなくなればうちの台所から供給される。外に出る手間は省けるしケバブ屋は金が儲かるという相互扶助システムが構築されているのだ。
約1か月前から学校、美術館、美容院、書店、パブ、風俗店などは全て閉店になり、ほとんどの仕事は在宅になったので街が非常に静かである。だいたい若者はバルコニーで日光浴をしながらポケモンGoに興じ、老人は外のベンチでクロスワードに興じ、クルド人はくそやかましい声で歌を歌い続けるか口喧嘩をするかである。わしは引きこもりニート経験者であるので部屋で静かに絵を描きアラビア語の勉強に励み、たまにAVを鑑賞する平和な生活である。そんななか先週日曜日はイースター休暇であり、またわしの誕生日でもあった。
誕生日の日の昼頃、窓から外を見るとアフロヘアでサングラスをかけた見るからに怪しい男が踊っており、よく見るとセフレであったので、
「お前なにしとんねん。クルクルパーか。」