夢のマイホームとは~その5・・・長寿社会のリアル
こんちは、和尚です。10月5日㈪の日経朝刊それも1面に「住宅ローン完済年齢上昇」という記事が載ってまして、あ、これは一回書かねばならぬな・・・と思いまして、急遽筆をとった次第です(こういう言い回しも死語になりつつありますな、筆なんてない以前に、これ筆記具で書いているわけではない・・・)。
新聞記事切り抜いたんですが、
詳しくはwebで!
(リンク先見てね)QRコードが載っててまして。みなさんぜひ読んでみたください。
いろいろ示唆に富んでます。
確かに日本はここ20年くらいで平均寿命も延びていますけど、それ以上に住宅ローンに係る借入残高と完済年齢が上昇している、という記事です。
一つ注意ですが、これはあくまで「住宅金融支援機構のデータ」であって、民間金融機関でのローンは含まれてないような気がします。となると合わせ貸しとかを含めると借入残高はもっと高いのではないか?という懸念はあります。
当然、いつぞやお話した通り、住宅需要は景気への刺激の度合いが大きいことから、政府も住宅メーカーもマンションのデベロッパーもこぞってイケイケになりますし、それを貸す金融機関もじゃんじゃん貸しちゃう、という側面もあります。
そういう風潮に乗せられたのかどうかはわかりませんが、悲しいのが、文中に出てくる神奈川県相模原市に住む岡田望さん(仮名、68)ですわ。1993年に41歳で家を3000万円のローンを組んで買ったのに、年金では生活費と返済を賄えず、アルバイトをやっても生活困難なので・・・という話で。
うーん、私自身は働き続けて死にたいと思っているので、また老後(という観念は自分にはないけれど)はゆっくりしたいとかも思ってなく、ありがたいことに死ぬまで続けられるようなフリーター業もやっておりますので、その辺の心配もあまり考えなくていいのかな・・・とは思っておるのですが。
そもそも、タイトルにあるとおり
「夢のマイホーム」とはなにか?
から日本国民全体が考える必要があるのではないでしょうか?
前述の岡田さん(68歳)は、「高齢で持ち家がないのは不安との思い」があって、持ち家を買ったとありますが、逆に持ち家があることで不安になっておられ、かつ高齢で持ち家を手放す算段をしておられます・・・。おおいなる矛盾・・・。
いや、持ち家って何さ?とか思っちゃうんですよね・・・。
下のグラフを見てください。
出典:空き家数及び空き家率の推移(総務省:平成30年住宅・土地統計調査)
・・・持ち家が欲しいとおっしゃって、無理してローンを組み、老後が不安になる(なってる)人がいる一方、持ち家でありながら、こうして空き家として放置される物件が全国で846万戸もある・・・。まあ過疎地の物件も多いのでしょうが、いまやコロナ禍でテレワークも可能となった時代なので、ここは考える必要もありますよね。
論点はずれますが、前述の岡田さん、日本全国でこんだけ空き家があるご事情はご存知でしょうかね・・・。このデータみたら、家なんて中古では売れへんのっちゃう?と思ってしまうのは私だけでしょうか?
さて、この需要と供給のアンバランシング、穢れとかの国民性にも拠るものではないかとも思ってしまいます。すなわち人が使ったものって・・・の意識も作用しているのかなあとか。
ちなみに、わたくし今間借り中の某事務所でこれ書いておりますが、築50年くらい経過しているビルの1階をリフォームしたところで書いてます。また別の事務所も長らく空き家のところをリフォームして事務所として使ってます。
ちなみに、私の自宅も中古マンションですが、そのおかげで初期投下は少なく、68歳で完済予定で、現在の残高は、50歳平均の借入残高の1/3以下ですね、おかげさまで楽です。ま、これは商売柄絶対にローン残高は多いと嫌だ、というのがあったのですが・・・。
結局新築でも古くはなるんだし、メンテナンスは必要だし、果たして新しいまま買う必要があるのか?とか思っちゃうんですよね。
ただ、一つ飛び道具があります。
ちゅうやつです。死んだら借金は原則なくなる、という保険でして、民間ローンは必ず加入させられます。団信(上記の略ね)に加入できない人(健康的に・・・の人)は、民間ローンは組めません。
ま、これに入っておれば、死んだら遺族のもんになるとは思われるので、多く借りた方が得なんだけど、はて?夢のマイホームが本当の意味で自分のものになるのは死んだあと?ってどうなのよ?
さらに、これ、健康状態が悪い人は、住宅支援機構の借入に・・・ということになるんだけど、当然未加入のまま住宅金融公庫(古い名前で言いました)で借りてるんだよね、となれば死んだら・・・当然借金は残ります、その時に家を売って・・・と言っても売れない可能性も残る・・・
なんだか書いてて、もうホンマにくらーい気持ちになってきました。
夢のマイホーム、本当に「夢」なのか、今一度考える必要は間違いなくあると思います。それも国家レベルで・・・。
合掌。