思い出のバー#2

思い出のバー#2

みなさんこんにちは。今回は、私の中で印象に残っているバーでの思い出を語るシリーズの第二弾です(最近シリーズ化するものが多くなってる気がしますが(笑))。今回は、「思い出の味」に焦点を絞って書いてみたいと思います。

1軒目は、東京にあるお店です。私は名古屋の大学を卒業してから、東京で一時期働いていた事がありました。その頃の私は、社会人一年目で右も左もよく分からず、仕事の事で毎日のように先輩から叱られていました(笑)。さらに、知り合いもいない東京での暮らしにストレスも感じていて、かなり落ち込んでいたのだと思います。

そんな姿を見兼ねたのか、ある日の仕事終わりにその先輩から飲みに誘われました。私は(また仕事の事で何か叱られるのかなあ?)と少し身構えましたが(笑)、せっかくのお誘いなので一緒に飲みに行く事にしました。

そのお店は古民家を改装したおしゃれな雰囲気のバーで、田舎者の私には東京ってやっぱりすごいなあと改めて思わせる造りでした。そして、メニューを見るとそこにはベルギービールの文字がありました。

当時、ベルギービールは名古屋でも手に入りましたがまだ珍しい存在だったと思います。そんなベルギービールの中でも私が大好きだったのが「ヒューガルデン・ホワイト」と言うホワイトビールでした。とてもクリーミーな口当たりで、すっきりとした爽やかな味わい、そして余韻には柑橘系のフレーバーを感じる、日本のビールとはまた違った美味しさでした(オレンジピールやコリアンダーなどのスパイスを使っているようです)。

そんなヒューガルデン・ホワイトですが、名古屋では瓶のものしか飲んだ事がありませんでした。ところが、このお店のメニューにはなんとドラフト(樽生)のヒューガルデン・ホワイトがありました。ヒューガルデンのドラフトが存在する事も知らなかった私は、迷わず注文しました(笑)。

ドラフトのヒューガルデンは、泡のクリーミーさが段違いでとても美味しく、その時の衝撃は今でも強烈に覚えています。そして、ビール一杯が1,000円ぐらいすると言う事にも当時は同じぐらい驚きました(笑)。

さてこのお店なのですが、かれこれ20年近く前の事で、しかも東京の地理にも詳しくなかったのでどこだったのか思い出せなかったのですが、確か恵比寿・広尾・白金近辺だったような記憶とお店の特長を頼りに調べてみると、「きえん」というバーだった事がわかりました。今でも営業されているようなので、やはり素敵なバーだったんだと思います(現在はコロナなどの影響で臨時休業されているみたいです)。

続いてのお店は、東京から再び名古屋に戻って働いていた頃に見つけたバーです。そのお店は、当時自分が住んでいた家のすぐ近くにあったのですが、住宅街の一角でひっそりと営業している隠れ家的バーだったので、それまでその存在を一切知りませんでした。

ある時、普段の帰り道に飽きた私は、いつもは曲がらない角を曲がって家まで帰る事にしました(当時は自転車で職場に通っていたので、帰りにはよくそう言った冒険をしていました(笑))。すると、住宅街の一角にぼんやりと漏れる明かりを見つけました。

最初は家のリビングの明かりが外まで漏れてるのかなとも思いましたが、気になったので近くまで行く事にしました。すると、それっぽい看板などは一切出ていないのですが、バーのような内装の建物を発見したのです。

最初は、確実にバー(お店)と言う確証がなかったので入るのを少し迷いました(これで普通の家だったらただの不法侵入です(笑))。しかし、この頃にはバー経験値も多少積んで、一人でもバーに入れるようになっていたので、意を決して扉を開けてみる事にしました(笑)。

店内は、バーカウンターのみのこじんまりとした造りで、やや落とし気味の照明が大人の落ち着いた雰囲気を醸し出していました。家の近くにこんな素敵なバーがある事を知って当時の私は大喜びしました。

さて、メニューを見てみると、ウイスキーの銘柄がいくつも載っていたので、このバーのメインはウイスキーだとわかりました。普段はあまりウイスキーを飲まない私ですが、ここはこのお店の売りであるウイスキーを頼もうかと思っていると、メニューの片隅にグラスワインの文字を見つけました。

迷った私は、結局グラスワインの赤を頼む事にしました。大抵こういう場合は、ワインの中でもオーソドックスなカベルネ・ソーヴィニョンとかピノ・ノワールあたりが出されるものと思っていました。しかし、一口飲んでみると・・・これまで飲んだ事の無い味わいの赤ワインでした!

私はマスターにどこのなんて言う品種のワインかを尋ねました。すると、

「イタリアのラグレインと言う品種のワインです」

と言う答えが返ってきました。ラグレイン、初めて聞く品種でした(笑)。まさか、ウイスキーを売りにしているバーで、こんなにマニアックな品種のワインに出会えるとは思ってもみませんでした(しかも、これが私好みの味わいで美味しい)。

それからは、ラグレインについて調べるようになり、イタリアンレストランに行った時には必ず「ラグレインはありますか?」と聞くようになりました(笑)。確か一度だけイタリアンレストランでラグレインに出会えた事があり、ソムリエさんに「マニアックなワインをご存じですね」と言われました(笑)。

しかし、その後は一度もラグレインに出会う事はなく、今でもレストランなどでワインリストを見かけると無意識にラグレインを探している自分がいます(笑)。そんな思い出の味を提供してくれた素敵なバーですが、調べてみるともう閉店してしまったようです(残念)。改めて、ラグレインとの出会いをありがとうございました!

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