【NFT×VRで写真展をやってみる】はずだった

【NFT×VRで写真展をやってみる】はずだった

clusterという気軽にVR空間を作ることの出来るサービスがある。これを写真のNFTと組み合わせて個展を開いてみようという思い付きの自主制作企画。

「令和2年 微睡む風景、記憶、夢、現 v0.1」

会場URL:

https://cluster.mu/w/c8d58841-48ee-49e6-b878-bd40bb536e1d

ステートメント

混迷の令和2年の風景を写真に収めていた。

街の風景は変わった。人口密度が1km2あたり1万5,000人と言われる東京は通りを遠く見渡せるほどに疎であった。アルタ前には人よりも鳩の方が多かった。令和2年の記憶が覚束ない。

数々の思い出があったはずだ。しかし一番多く見たのはディスプレイと部屋の窓。

人との距離が遠くなった分、自然との距離を近く感じた。

地元の風景との対話が多くあった。沢山の裏道を通った。山と河、寺社がある豊かな土地に感謝しながらシャッターを切る。

突如襲ってきた危機に現実感が得られない。オールドレンズを通して滲んだ風景はその夢心地のようだ。

私は名もなきアマチュアの写真撮りであり、本個展はあくまで個人的な実験的開催である。昨今NFTアートの過熱を見る中で、日本では価格と資産への着目が散見される。

このアートは、ミディウムやコンテクストの側から議論が深まる余地がまだまだあると思っている。

トイレを用いてカンバスの枠組みに対する問いかけがあったように、ブラウン管テレビを用いて15分あれば誰もが有名になれる時代への問いかけがあったように。

限界費用が低い(gasは高いが)マーケットプレイスでは、無名の作家の民藝品が数多く並んでいる。

何か面白い文脈を包含したアートが生まれうる。

つまりは、気軽に作品をリリースできるのだけれども、デザインされていない雑多なマーケットの中でハイコンテクストな作品を如何に見つけ出せるか。既にフォロワーを持つ人がステージに立つまたはドリブンするのでなく、無名のアーティストが生まれるにはどうするか。生まれたアートを語る、キュレーターたる存在はいるか。そもそもコンテクストはあるか?

我々は令和2年を経て、デザインされた美術館の配置や照明、キャプションに込められた豊かな体験を痛感したはずだ。それはどう落とし込まれるか。値が付いたとか、資産性とか、そういった数字でない、ミディウムとしての可能性に興味がある。

そんな時代感の中で、ディスプレイに閉じたアートの鑑賞体験について考える。

アートを鑑賞する際、私は作品のテクスチャを眺める。油絵の凹凸感。マット紙のざらつき。照明を意識しながら、様々な角度から眺める。黒に拡散する光が心地よい。作品間のコンテクストを考える。

物質性を空間ごと味わう。瀬戸内の離島の風景に混ざる現代アート、小田原の海と菜の花や蜜柑畑と寺的空間の中での石との対話。どれもとても複雑味があって豊かな体験だ。

そして現代では個人がunityをインストールして幾らかアセットを購入し、clusterで舞台を作り、NFTのマーケットプレイスに作品を出品することが出来る。3Dの世界で大きな絵に対面したときに身体性を思い出す。豊かな体験を、新しい形で、民藝的な手の技で作ることが出来てしまう時代。

pumpとフォロワー数でサジェストされるものに対して、民藝品の見本市から無名のアーティストが光を浴びるための仕組みはどのようなものだろうか。

文脈と体験に溢れた豊かなNFTアートとはどのような姿をしているだろうか。

この面白い時代に、新しいアートの萌芽が見せるものに、拙い空間ではあるが、思いを馳せてみた。

杉本博司の自然の中にあるインスタレーションや、テクスチャ、素材と真っ向から向き合う作品が好きだ。そんな体験をディスプレイを相手にする手段は何か。デジタルツインか。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

さて、unityを触ったのは昨年も別の思い付き企画があったため、合計2-3週間ほど?簡素な空間でも多くのトラブルがあったけど、自主製作でサービス組み合わせれば色々作れることがわかったので、もっと筋のいい人が色々とやっているんだろう。
絵からリンクに飛べないとかUXダメすぎだろ…(実装できる能力が微塵もなかった)

まあなんとかアップロードするまでは作れたので、個人的には満足。

しかしここで、NFT化するだけの資産が現在手元にないことが判明した。(色々ドナドナしてまして…)
gasやべえ… 一つしかmintできねえ… 何がNFT個展だよ…(嘔吐)
https://app.rarible.com/sutadonman

みなさまは上手く打開してください。

大判で見る写真が好きだ。空は広い、雪は天高くから降り注ぐ。

アートと技術と体験の着地点を探していきたい。

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