7年越しのちょびっと乾杯

7年越しのちょびっと乾杯

みなさんこんにちは。先日、冷蔵庫の整理をしていると、奥からこんなものが出てきました。

「ぷちしゅわ日本酒 ちょびっと乾杯」!静岡の花の舞酒造さんが手掛ける・・・

「ちょっと贅沢、自分にご褒美」と言ったコンセプトの商品で、その名前からも想像出来るように・・・

シュワシュワとする微炭酸の日本酒なのです!しかも・・・

7年連続モンドセレクションの金賞を受賞している素晴らしい商品でもあります・・・が、みなさんはある事にお気付きになりましたか?・・・この帯には「2016年」の文字が。そうです、実はこれ・・・

今から7年前の「2016年11月17日」に製造されたもの。奇しくもこの年のボージョレ・ヌーヴォーの解禁日でしたが(笑)、そんな昔の日本酒がなぜ冷蔵庫にあったのか?それにはちょっとした理由がありました。

ちょうど2017年、ソムリエ協会が新しく日本酒の資格試験「酒ディプロマ」を実施する事が決まり、私もその試験を受ける事に。そして、当然試験では試飲の問題も出題されるので、その試験対策用にと当時購入したのですが・・・、よくよく考えてみると、これまでソムリエ試験の試飲問題でもスパークリングワインが出題された事がなかったので、きっと日本酒の試験でも発泡性の日本酒が出題される事はないんじゃないかと考察(笑)。そして、泡以外の日本酒の試飲に集中しているうちに・・・その存在を忘れて今日に至ったのです(笑)。

さて、せっかくなので今日はこのぷちしゅわで一杯やろうと決めましたが、発泡性の日本酒はこの注意書きのように、勢いよく吹き出す事があります。果たして7年の歳月でこの泡はどうなっているのか?・・・そもそも、この日本酒は熟成させるタイプではないので、果たして中身は健全な状態なのか(笑)?・・・恐る恐る開栓してみると・・・

・・・発泡の気配がまったくない(笑)。まあ、スパークリングワインでも長期熟成したものは発泡性が弱くなるのですが、このスクリューキャップタイプでも泡が抜けたのかな。続いてグラスに注いでみると・・・

やはりグラスの底から泡が立ち上る気配はありません(笑)。そして、若干色が黄色くなっている印象が(元々の色をはっきりと覚えてはいませんが(笑))。これは「メイラード反応」と言って、日本酒では時間の経過と共に起きる現象なので、7年と言う歳月を考えれば妥当な変化のように思えます。

さらによく見てみると、清澄度がやや低い(若干の濁り)印象ですが、これは瓶内で発泡性を生み出すために残された酵母などのにごり成分の影響なので、これも問題はないように思われます。そして・・・

グラスの底には、若干泡のようなものが付着しているようにも見えます。

続いては香りをチェック。すると、先ほどのメイラード反応由来のカラメル系の甘香ばしいような香りに、蒸米やグレープフルーツのような香りがあり、健全な印象が。そこで、意を決して味見をしてみると・・・うん、美味しい!口に入れると、ほんのりチリチリとした泡の刺激がまだあり、すぐにふくよかなお米由来の甘みや旨み、そしてそれらのバランスを取る柑橘系のようなしっかり目の酸味が心地よく、ちゃんと熟成したぷちしゅわになっていました(笑)。

そうとわかれば、すぐにこれに合わせるアテを決めなければいけません(笑)。そして、私がチョイスしたのは・・・

レタスときゅうり(笑)!・・・だけじゃなくて(笑)・・・

豚肉の冷しゃぶ!これに、先ほどのレタスときゅうりを包んで、ポン酢やゴマダレを添えれば・・・

ぷちしゅわ晩酌セットの完成!甘みと酸味がはっきりとした味わいの日本酒なので、ポン酢の酸味やゴマダレのコクのある甘みとは相性が抜群!さらに、豚肉の旨みをお米由来の旨みがちゃんと受け止めてくれました!

さて、これだけでも十分に美味しいのですが、途中からは味変として・・・

食べるラー油をチョイス!最近激ハマりしているのですが(笑)、これを少し加えると・・・

ほんのりスパイシーなポン酢や、担々風のゴマダレに早変わり!甘みがある日本酒なので、スパイシーな味付けにも難なく順応してくれました!そして・・・

最後の方になると、濁りや色味が最初よりも濃くなってきましたが、実はこれにも理由が。

注意書きには、開栓前に瓶を2~3回ゆっくり逆さにしてにごり成分を混ぜてから飲んで下さいと書いてありますが、今回はあえて静置したまま開栓をしました。なぜなら、そうする事で瓶の底に近づくほどに色味や濁りが濃くなり、味わいもより濃厚な印象を楽しめるからです。先ほど味変して濃い味わいになった冷しゃぶにも負けませんよ(多少にごり成分由来の渋みや苦みのようなニュアンスも感じられますが、この濃厚かつ複雑な感じが好きなんです(笑))。

いかがでしたか?7年越しとなるぷちしゅわでしたが、冷蔵庫での保管の甲斐もあって、ちゃんと生きた状態で楽しむ事が出来ました!まあ、おそらくこの日本酒を長期熟成させて飲む人はまず居ないと思いますが(笑)。もしかしたら、他にも冷蔵庫の奥の方に隠れた名酒が眠っているかもしれません(笑)。また見つかったら、ちゃんと味見をしてからみなさんにご報告したいと思いますので、お楽しみに(笑)。

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