FTXのUSDレンディング利率を追う(2021年Q1)

FTXのUSDレンディング利率を追う(2021年Q1)

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以前、下記のようなことをツイートしました。

FTXという暗号通貨の取引所では、ざっくり言うとユーザー間でお金を貸し借りする機能があります(ざっくり過ぎて語弊があるかも)。

出金機能を使って明示的に借りる場合もありますが、WalletのUSD残高がマイナスになってしまった場合に(自Wallet内のBTC等を担保として)自動的に他の人からUSDを借りていることになる…という事が多いので「お金を借りている」と意識していない方もいるかもしれませんね(Spot Margin機能のON/OFFでも挙動が変わりますが説明は割愛)。

まぁ、仔細は公式のヘルプを読み込んでいただくのがベストなので、未読の方は目を通しておいてください。
英語が苦手な方もDeepL翻訳などを使って是非。触るなら必読です。

今回この記事では「クリプトの現物などを担保に取引していてUSD残高が一時的にマイナスなっちゃった人に1時間区切りで、かつ暴利でUSDを貸し付けることができるよ!」という部分だけ把握いただけれは大丈夫です(もちろん、USD以外も貸借可能ですがこれも割愛)。

で、「その暴利は2021年Q1(1月~3月)どのくらいだったのよ?」というのがこの記事の趣旨です。

早速どのくらい暴利か見てみよう!

今までは自分で実際に貸し出して記録を取るしかなかったのですが、つい最近になって公式でこれを確認する機能Global Lending Historyが実装されました。
実際に見てみましょう(WalletのページからMargin Lendingを選択すると見に行けます)。

以下の画像が、FTXのGlobal Lending Historyで対象通貨をUSD、期間を2021年1月1日~3月31日に絞って表示させたデータです。

上段に表示されているのは左から、日時・通貨・総借入額・利率(年利換算)です。
下段の水色がその期間のグラフです。

…1月にイレギュラーな数値があるので見づらいですね。
CSVでダウンロードできる機能があるので、取り込んで見やすくします。月ごとにまとめました。

昨年の12月から始まった機能なので今後の見込みは分かりませんが、2021年Q1の実績は平均して23.44%/yearの利率です。

これがどのくらい高い金利かというと、2021年現在の日本では出資法の上限金利が20%であり、これを超える金利は刑事罰の対象となります。つまり、

日本で同じくらいの金利で貸金業者がカネを貸したら出資法違反でお縄になるくらい高い利率

というわけです。

最近のクリプトの値上がり率やFunding Rateとかを見ていると麻痺しますが、十分に異常な数値です。
ちなみにbot等で毎回貸出金額を設定する必要がありますが、1時間おきに複利で回せます(手動で実際にやるなら月に1度くらいが現実的なラインだと思います)。

もっと詳細に見よう!

では細かく見ていきましょう。今度は日別にしたものをグラフにしました。

青(折れ線・右軸)1日の平均利率(%/year)の推移、グレー(縦棒・左軸)総借入額(米ドル)の推移です。

まずは平均利率の推移を見てみましょう。
波がありますが、薄い青色のトレンドラインを見ると約25%でだいたい水平です。
実際は瞬間的に100%になったり10%になったりしていますが、トータルで見れば安定しているようです。
まぁまだ始まって4か月ちょいなので、この金利がいつまで続くかは不明ですが。

次に灰色の総借入額です。
暗号資産市場の時価総額の伸びを反映しているのか、FTXの利用者が増えているのか、或いはその両方のおかげか、薄い灰色のトレンドラインを見ると順調な右肩上がりなのが分かります。

先ほどの月別をもう一度振り返ってみましょう。

総借入額(Borrowed Size)の平均は、2021年1月が6261万ドルで3月には3億7674万ドルでした。なんと約6倍です。しゅごい。
ちなみにこの記事を書いている2021年4月18日現在の1日平均は8億1602万ドルです。倍以上になってるじゃねーか!

見る数字を間違えているんじゃないかと不安になってきました。

今のクリプト市場はバブルの真っただ中で、多くの人が「あれは暴落のシグナルでは?」「いや、これが暴落の前兆かも」と戦々恐々としながらも踊っていると思いますが、それが続く限りはこの総借入額も右肩上がりなのではないかと予想しています(ぶっちゃけ大体ビットコインの価格にリンクすると個人的に思っています。)

そして、それが続く限りはこの暴利のUSDレンディング利率も維持され…いや、なんかこの金利を取りに行く何かしら仕組みが生まれたら分からないか。

とまあ、今の時期しかとれない果実かもしれないので眠らせている円があればドル円相場とご相談しながら運用してみるのも一考の価値はあるかなと。

では、お約束の手数料5%割引のリファラルを下に貼って、本記事は以上となります。有料の部分は本音を書いておきました。読んでほしくないので。

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