Bitcoin 2023でのロバート・ケネディJrのスピーチが日本の陰謀論界隈でバズってる件

Bitcoin 2023でのロバート・ケネディJrのスピーチが日本の陰謀論界隈でバズってる件

Happy Bitcoin Pizza Day!🍕

ビットコイン関連のトピックとしては非常に珍しく日本でバズってるツイートを見かけました。これはBitcoin 2023カンファレンスで政治家のロバート・ケネディJrが行ったスピーチに、投稿主が字幕をつけたもののようです。

政府が「お金」に対して大きな権力を持ちすぎていること、ビットコインの検閲耐性が自由のために重要なことを説明する、とても良いスピーチだと思います。

ところが字幕に何箇所か重大な誤訳があってちょっと残念なので、もっと正確な日本語訳をここに記そうと思います。上の投稿で誤訳だった箇所はカッコ内に原文の英語を入れておきます。いい訳だなと思った部分はそのまま転載しています。

ロバート・ケネディJrはコロナ以前から反ワクチンな人なのも相まって、割と陰謀論界隈が好きな政治家だからバズったんじゃないかなと想像しています。

本文

この会場にいない人たち(people who are not in this room)の大勢はビットコインが大統領選挙にとってあまりにも些細な議題(issue)だと思っているでしょう。

昨夜のパーティーでデイビッド・ベイリー氏がなぜ私がビットコインを信じるようになった(how I was sold on Bitcoin)のか聞いてきました。

私はカナダのオタワでトラックの運転手たちがストライキを起こしたときにビットコインの重要性がピンときた([I was sold on it] in an instant)と返答しました。

その数ヶ月前にイタリアで大観衆を前にデジタル通貨の危険性について公開演説をしたことがありました。

特にプログラマブルな通貨は政府が監視システムや顔認証システムと組み合わせて懲罰的に利用することができるため危険だと主張していました。

中国で現在起こっているように、政府が「間違った行動」を起こしている国民のクレジットカードに制限をかけて、食品を購入できる場所を自宅から徒歩5分以内の店に制限するなどです。

スピーチは仮定的なものでしたが、わずか6週間後にオタワのトラック運転手たちに同じようなことが起こるのを目の当たりにしたのです。

聴衆の皆さんの多くが知るように、例のストライキはほとんどが平和的なデモでした。彼らが求めていた権利はアメリカ人であれば神聖不可侵で当たり前のものです。

政府に不当に自由を縛られない権利、集会の自由、言論の自由、請願権、すべてアメリカでは当たり前に存在するものです。

平和的なデモであったにも関わらず、カナダ政府はそれを激しく弾圧しました。カナダ政府は緊急事態を宣言し、言論統制を行いました。

最も驚かされたのは数百人の抗議者およびその支持者の銀行口座を凍結したことです。彼らの特定にはデータ監視技術を用いました。

このデモ参加者たちはいかなる法律にも違反していませんでした。彼らは起訴されておらず、有罪判決も下されていませんでした。にも関わらず、突然彼らは銀行口座から住宅ローンや生活費を支払うことができなくなりました。

政府による弾圧による大惨事を目の当たりにした私は初めてお金の自由が表現の自由と同じくらい自由にとって重要なことだと理解しました。

もし政府が不服従な国民に対して食品の購入を制限できるような権力を持ってしまえば、国民全員はもはや奴隷です。

国民の生活のあらゆる面を完全に支配することは全ての全体主義政権の野望です。

私達は今、テクノロジーによって政府や企業が私達の生活をコントロールする能力を危険なまでに拡大した時代に生きています。

かつて私的、あるいはコミュニティ単位で管理されていたような人間の活動は今や私達から遠く離れた多国籍企業や権威主義的なテクノロジーに支配されています。

彼らは私達のあらゆる行動、コミュニケーション、そして取引を監視し、その監視に使用されるテクノロジーは私達の行動を弾圧するのにも使われうるのです。

米国を中心とする世界中の自由民主主義国家はパンデミックの最中に突然方向転換しその危機を口実に憲法上の権利や自由を踏みにじるようになりました。

政府は集会の自由、礼拝の自由、財産権、陪審員裁判の権利を停止し、誤報や偽情報に対抗するためという口実で言論の自由を抑圧しました。

私達は旅行の自由を失い、ワクチン接種の義務化によって自身の体の主権さえ失いました。

「それらの権利の停止は一時的なものであった」という人もいるかもしれません。本来はアメリカの憲法にパンデミックによる例外なんてものはありません。

残念ながらコロナ中に、十分な口実があれば政府は国民の自由を全て取り上げることができるという、アメリカ国民にとって非常に危険な前例(precedent)が出来上がってしまいました。

ですが、「十分な口実」はいつでも存在するものです。

次のパンデミック、偽情報、国内由来のテロリズム、ヘイトスピーチ、外敵、気候変動、これらから国民を守るという口実はすべて十分なものとなり得るでしょう。

たとえ初めは本当に国民を守る手段として利用されたとしても、いずれ必ず国民を支配することが目的となってしまいます。

それは完璧な支配によってユートピアを実現するという全体主義の魅惑的なイデオロギーの裏面にある、隠された一部なのです。

(ここでツイート内動画のスピーチ打ち切り)

所感

たぶん訳した人がビットコインについて何も知らないせいで、ビットコインが政府側なのか反政府側なのか理解していないのではないか?というような字幕でした。

特にスピーチ後にコメンテーター(?)がカナダ首相を皮肉っている部分も、皮肉であることがはっきりしない字幕でいまいちわかりにくいなと感じました。

ツイート内動画が打ち切られた後もスピーチは10分以上続き、その中でもっとビットコインについての話が多いのですが、この切り方ではすでにある程度の知識がないとビットコインとの関係がよくわかりませんよね。(実際、「ビットコインはカナダ政府が勧めている、監視&コントロールされるデジタル通貨」みたいな勘違いが散見されます)

陰謀論界隈は必ずしも一般的にイメージの良い人達ではありませんが、そのため逆にビットコイナー適性がありそうなので、日本ではそういった人たちから理解する人が出始めるのかもしれません。

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記事を書いた人

ビットコインが好きです。ビットコイン研究所に寄稿したり、トラストレスサービス株式会社という会社で実験的なサービス開発をしています。

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