暗号通貨で投票管理システムを実装する方法
ブロックチェーンは、改ざん耐性や透明性から、主に通貨・資産などの価値記録としての用途があるが、スマートコントラクトを装備する暗号通貨においては、トークンを発行することでこれら以外の用途も見出すことができる。
例えば、「投票券」である。
投票は、通貨の保有量と同様に、誰にどれだけの投票があったかを誰にも改ざんさせず、投票結果を特定の利害関係者以外の者であっても検証できることが重要である。
改ざん耐性がなければ、いくら自由に投票を実施したとしても、自分の投票結果が改ざんされれば、自分の投票は反映されないし、透明性がなければ、自分の投票結果が反映されたのか、結果が正しいのかが担保されず、その投票結果への信頼が揺らぐこととなる。つまり、どちらが欠けても致命的なのだ。
したがって、投票というシステムをブロックチェーンで実装することは意義のあることだと思う。
本記事では、2019年に開催した「第四回モナコインポスターラリー」のために募集したキャッチコピーとモナコインポスターイラストに関し、入賞作品をスポンサーによる「投票」により決定したが、どのように運用したかを紹介していきたい。
上記にあたり、「第四回モナコインポスターラリー」のための資金をクラウドファンディングで調達しており、「第四回モナコインポスターラリー」の概要や優秀作品ポスターなどを紹介しているので、まずこちら「暗号通貨でクラウドファンディング(資金調達)する方法」を読むと、下記に続く内容が分かりやすいと思う。
投票管理システムについて
投票管理システムを構築するの当たり、基礎的なシステムとして、「Monaparty」を利用した。(Counterpartyを開発した「開発チーム」、モナコインへ対応させた、「今は亡き無色業者BOT」氏、ブロックチェーン維持しているマイナーへ感謝を述べる。ありがとうございます。)
「Monaparty」では、投票券たるトークンを作成することができる。なお、トークンというのは、暗号通貨でいうところのモナやETH、XEMに対して、利用者が自由に作れる独自通貨、電子券のようなものである。「Monaparty」では、その独自通貨はモナコインのブロックチェーン上で記録されている、ということである。
上記のクラウドファンディングで31名より支援を受け、ポスターへの投票のために下記の内容で投票券を発行した。
名前: MONAPOSTER.4TH.VOTE
発行枚数:482枚(スポンサーランクにより投票券数が異なる)
スポンサーは投票の際に、「参加ポスター一覧およびスポンサー投票用モナコインアドレス」で示されたポスターごとに指定されたコインアドレスに投票券を送り、投票した。(「ほしいMONAリスト」を使いました。紹介してくれた「オダイロイド1号」ちゃん、開発者の「すなぎも」氏、ありがとうございます。)
投票数の集計は、それぞれのアドレスに記録されたMONAPOSTER.4TH.VOTEの数を「EXPLORER」で確認することで行った。(モナカード内のEXPLORERを使いました、また投票券をモナカード化して使いました。開発者の「なちゃっと」先生ありがとうございます。)
上記を見ると、
MAtFjYKuo7BrcakUSRPtov5ucjj9NeXFaP 68
M9dfw7tofxdo1JHDVV8W3qSNDA6SwMFZdY 44
MNRTLHFr7BrittVBdJsFEaDWoS3PRSbUD3 34
が上位3位になっていることがわかると思う。
このアドレスは、それぞれ、「参加ポスター一覧およびスポンサー投票用モナコインアドレス」にて、
MAtFjYKuo7BrcakUSRPtov5ucjj9NeXFaP 68
最優秀賞(by yagi723)
M9dfw7tofxdo1JHDVV8W3qSNDA6SwMFZdY 44
優秀賞 (by thinking_14)
MNRTLHFr7BrittVBdJsFEaDWoS3PRSbUD3 34
優秀賞 (by nezta)
が対応している。
これらの投票結果はブロックチェーンによって改ざんができず(または困難)、投票結果もウェブ上で公開されているため、誰もが検証可能となっている。
また、キャッチコピーとポスターの入賞報奨金についても、完全に暗号通貨で支払われている。
このように、「第四回モナコインポスターラリー」は、A4からA3サイズで印刷されたポスターを現地で見るというアナログなイベントでありながら、裏ではブロックチェーンをフル活用した。
他にも、トークンはクーポン券や家庭内通貨、肩たたき券としての使いみちがあると思うので、皆さんも色々使ってみてほしい。
関連リンク
おすすめリンク
「第五回モナコインポスターラリー/モナコインポスターラリー2020」について(続く)