昆布出汁でパスタを茹でたらペペロンチーノがうまみMaxだった
コロナで在宅授業・勤務の方も多い今日このごろ、みなさま、お家でのお食事はどうされていますか?
僕の今日のお昼ごはんはペペロンチーノでした。
「パスタを茹でるときに昆布出汁を使うとうまくなる」と聞いてやってみたところ、今までで一番美味しいアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノが完成したので、この記事では、「ペペロンチーノが最高」という話と「昆布出汁で茹でる うまみMax! ペペロンチーノの作り方」を紹介します。
ペペロンチーノは最高
今から狂ったようにペペロンチーノをたたえていきます。
もうペペロンチーノの素晴らしさについて理解している人はスルーして作り方まで飛ばしてください。
見出しだけ読むというのも手だと思います。
ペペロンチーノは簡単
ペペロンチーノは簡単に作れます。日本で言うところの素うどん。あるいは具無しラーメンに卵をのせました、みたいな。
したがって本場イタリアのレストランのメニューにペペロンチーノは載っていない(観光客向けに用意しているところもあるようだが)。ペペロンチーノはわざわざレストランで出すものではない程度に素朴な料理である。
なにせペペロンチーノを作るには、オリーブオイルでニンニクと唐辛子を炒めて、茹で汁と、茹でたパスタを放り込むだけだ。ニンニクは刻んだものが瓶詰めで売っているし、唐辛子はカットされてチャックシールに入って売っている。これらを使うのが最低のスタートラインだ。包丁は要らない。
「ニンニクと唐辛子を大さじ一杯のオリーブオイルに放り込んで火をつけてこんがりしてきたらパスタの茹で汁をお玉に一杯流し込む、茹で上がったパスタを放り込んで完成。」...これがアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノの作り方だ。
ペペロンチーノは奥が深い
しかしペペロンチーノは奥が深い。
こだわり始めると、自分でニンニクもドライ唐辛子も切るのはもちろん、「オリーブオイルとは何なのか」、「オリーブオイルでなければいけないのか?」という深い問いに向き合い始めることだってできる。
- オリーブオイルはエクストラバージンオイルなのかピュアなのか、あるいはそれらをブレンドするのか、他の油(ひまわり油など)も使うのか
- にんにくや唐辛子の品種、カットの仕方、投入タイミング、火の通し具合
- パスタの茹で具合
- オイルでにんにくと唐辛子を炒めたところにパスタの茹で汁を投下してうまく「乳化」させる...
- ...
ペペロンチーノはちゃんと料理した気持ちになれる。
というわけで、ペペロンチーノはとっても簡単で作りやすい上に、奥が深いゆえ、毎回、今まで作ったことのない新しいペペロンチーノを作ることができる。日々昨日より美味しいペペロンチーノを追求していくことができる。
火加減を調整したり、材料を放り込むタイミングを見計らったり、混ぜたり。インスタント麺にはない「料理している感」を感じることができ、その成果を味わい、噛みしめることができる。
ペペロンチーノは「料理のコア」が詰まった最小構成の料理なのだ。
ペペロンチーノは太らない
そんな、簡単で敷居が低くて、奥が深いので料理した気持ちになれるアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノだが、「料理すべき理由」の極めつけがこれだ。
成人男性がコンビニで腹を満たそうとしたら、パン2つ以上は必要だろう。だがそうすると500kcalを簡単に超える。コンビニのパンは意外と高カロリーなのだ。
しかし、オリーブオイルは小さじ1杯100kcal程度。パスタ1人前(100g)は130kcal程度。なんと、ペペロンチーノは1人前食べてもパン1個分程度、下手したらそれよりも低カロリーである。
毎日ペペロンチーノを食べない理由がない。
「昆布出汁で茹でる うまみMax! ペペロンチーノ」の作り方
さぁ、ペペロンチーノの素晴らしさをご理解いただけたと思う。
というわけで今日作った美味しいペペロンチーノ、「昆布出汁で茹でたパスタのペペロンチーノ」を紹介したい。
だいたいこんな感じだ
- 低温で昆布出汁を抽出する
- 昆布出汁でパスタを茹でる
- 唐辛子とニンニクを炒めたところに昆布出汁の茹で汁を投下する
- 美味しくいただく
低温・軟水で昆布出汁を抽出する
昆布を用意: 真昆布
昆布は真昆布を用意した。昆布には大きく4種類ある。
- 真昆布: 上品で甘みがあり、清澄な出汁
- 利尻昆布: 上品で香りが高い。塩気が強いがやや甘みもある
- 羅臼昆布: 濃厚で香り高く、ややスパイシー
- 日高昆布: 甘くしっかりした味のだし
「料理屋では「真昆布」「利尻昆布」の利用が多い」、そして真昆布は「4種の中でいちばん上品なだし」と聞いて、真昆布にした。
水を用意: 軟水
昆布は水の硬度と相性がある。硬度とは、水のカルシウムやマグネシウムの含有量である。
軟水のほうが昆布から出汁が出やすいそうだ。しかし、私が住んでいる関東の水道水は硬水寄りである。
そこで、近所のスーパーでサントリー南アルプスの天然水を買ってきた。
サントリー南アルプスの天然水の硬度は約30mg/Lである。なお、もし手に入るなら、サントリー奥大山の天然水がおすすめである。こいつはもっと硬度が低くて、約20mg/Lだ。
時間に余裕があればAmazonでサントリー奥大山の天然水を買うことができる。
60度で1時間、出汁を抽出する
昆布の出汁のとり方にはいろいろな方法があるが、2003年の研究(鎌倉女子大学機関リポジトリ 京料理における一番だしのグルタミン酸含有量と香気成分について)によると、60度という低温で1時間かけて出汁を取るのが、最も出汁のグルタミン酸含有量を高くする。
そこで、低温調理器 Anovaを動員し、60度1時間で出汁を抽出することにした。
Anovaは、桶の水を設定した温度に保ちながら撹拌することで、桶の中に入った容器中の温度も設定温度に保つ仕組みだ。
例えば、ジップロックに塊の肉を閉じ込めて沈めれば、ローストビーフを家庭でも手軽に作ることができる(豚ヒレ肉が美味かったな)。今回は、この装置で昆布の出汁を取る。
(いまはAmazonにないようだ。ただし、Anovaでなくても類似の低温調理器は沢山売っている。もちろん鍋で水を温めて、1時間60度に維持しても良い。)
説明に200ccに6gと書いてある。容器が100均で売っていた2Lのお茶ボトルなので、2000ccということで素直に60g(結構沢山)の昆布を投入した。
パスタを茹でる
出汁が取れたら、出汁を使ってパスタを茹でる。
このあとで説明するソースを作る過程で茹で汁を使うので、パスタを茹でるのとソースを炒めるのは並行作業で、タイミングを合わせる必要がある。
アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノの作り方はこの動画が参考になる。
めちゃくちゃ詳しく理由も含めて解説してくれているので、守破離しやすい。
パスタを茹でる水には、先程とった昆布出汁を使う。(私は薄めずに使うつもりだったが、今回は、塩を入れすぎたので、結局水で薄めてしまった。。)
パスタを茹でる水の塩味がソースの塩味になる。味噌汁ほどの塩辛さを目指して出汁に塩を入れる。水500mlごとに塩小さじ1杯ぐらいが目安。
昆布にも塩があるから、パスタを茹でる水に昆布出汁を使うときは少し少なめでも良いのかもしれない。味をみながら塩を加える。
出汁の塩味の調整ができたら火にかけて温めておく。このあとのオイルでニンニクと唐辛子を炒める進捗を見ながら、いいタイミングでパスタの小麦粉が溶けた茹で汁が用意できているようにパスタを投入する。
しかし、難しければ、パスタを投入せずにただ出汁を沸騰させておいて、まだパスタを茹でてない沸騰した出汁をソースに投入するだけでも良い。
ソース: アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ(ニンニク、油、唐辛子)
エクストラバージンオリーブオイル、ひまわり油
今回はエクストラヴァージンオリーブオイルとひまわり油を大さじ1杯ずつ使ってパスタ2人前のソースにする。
ひまわり油を使うのは上記動画でひまわり油を使っていたからだ。
なお、上記動画ではエクストラヴァージンオリーブオイルは苦味が強いと言われているが、うちにはエクストラヴァージンオリーブオイルが余っているので今はこれを使っている。次はピュアオイルを買いたい。
コンロ汚くてごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
ニンニク
薄くカットしたニンニクを放り込んで火にかけてシュワシュワ泡を出させる。ほかに、細かく刻んだニンニクも用意してある。
(このあと、ソースに茹で汁を投下できるように、シュワシュワし始めたころにパスタを茹で始める)
唐辛子
シュワシュワしだしたら、弱火で、唐辛子と残りの細かく刻んだニンニクを投入してちょっと焦げ目がつく頃まで炒める。
焦げやすいのでフライパンを持ち上げて火から遠ざけたりするとよい。
茹で汁をソースに投入
ちょっと焦げ目がついたころに茹で汁を投入。100ml入れた。
熱いフライパンに茹で汁を入れると細かく泡立つ。そこでフライパンを大きく回してオイルと茹で汁が混ざり合うようにする。なかなか難しいがイメージとしては乳化を目指す。
混ざったら、火はとろ火にして、蒸発しないようにしつつ、出来上がったパスタを迎えるためにアツアツに保っておく。
茹で上がったパスタをソースへ投入、水を飛ばすように炒める
パスタのパッケージに書かれた茹でる時間よりも1分短いぐらいのタイミングで、パスタを茹で汁から引き上げ、ソースのフライパンに投入する。
少し水っぽいソースの中でパスタが本来の茹でる時間の間に吸うはずだった残りの水を吸うのと、あとは蒸発していくのとで、水気は減っていく。
ソースに水っぽさが残るとあまりパスタにソースが絡んでいる感じにならないので、フライパンを傾けたときに水気がたまらなくなるぐらいまで水を飛ばす。
出来上がり
ハイッ
昆布出汁によって、いつもよりまろやかで豊かな味のペペロンチーノになりました。