古めのパソコンにUmbrel 0.5をインストールする方法[資材用意編]

古めのパソコンにUmbrel 0.5をインストールする方法[資材用意編]

※注意:2024/04/29にUmbrel 1.1がリリースされ、本手順ではインストールが出来なくなりました。「以前はこんな感じだったんだね」とご参考程度にご覧いただければと思います。

いやはや、みなさまこんにちは!
カブトコインと申します。

仮想通貨の市況が冴えない中、いかがお過ごしでしょうか。

盛り上がるネタに欠ける昨今なので、暇な時期には新しい物事に挑戦するのが得策ですよね。

今回、表題の「古めのパソコンにUmbrelをインストールしてみた」といったネタで数本のブログを書こうと思っております。

「私もライトニングネットワークのノードを立ててみたい!」といった方のお役に立てれば幸いです。
(今回は[資材用意編]でございます)

■古めのパソコンの再利用

なにゆえライトニングネットワーク用の機材に「古めのノートパソコン」を使うのか。
それには3つの理由がございました。

・RASBERRY PIが品薄で入手困難。
(2022年当時)
・Umbrelのインストール先に、故障しやすいSDカードを用いるのが心配だった。
(できるだけトラブルは避けたいところ)
・古いパソコンがウチに余ってた。
(基本ケチなので使えるものは再利用したいw)

一般的に、ライトニングネットワークのノードを建てるためにUmbrelを用いる際には、RASBERRY PI(以下、ラズパイ)を用いるのが定番です。

たいていのインストール手順は、ラズパイを使って説明されています。

ですので、品薄のラズパイが手に入らないことには手詰まりとなる訳です。
(公式サイトでも「INSTALL ON A RASBERRY PI 4もしくは5」と銘柄指定されています)

では、他にUmbrelを使うための手段はないの?と思ったあなた。
あるんですねぇ、別の手段が。

Linux OSのUbuntuDebianをパソコンにインストールすることが出来れば、下に書かれているコマンドを実行するだけ、Umbrelがインストールが出来て、ライトニングネットワークを始められる訳です。
(Umbrelのインストール工程だけに関しては、非常にシンプルです)

では、UbuntuだかDebianなるものをすぐパソコンにインストールすれば良いじゃない?と思うところですが、ラズパイにUmbrelをインストールするのとは訳が違う、長い道のりが存在するのです。

今回は以下の構成で解説していきます。

また、これから紹介する工程はパソコン初心者の方には若干ハードルが高い部分もありますので、以下のような想定読者像を書いてみました。

■想定読者像

  • パソコンにメモリHDDSSDを増設したことがある。
  • BIOSもしくはUEFIの操作をしたことがある。
  • パソコンなどでコマンド操作を行ったことがある。
  • 上記は無くとも、ライトニングネットワークへの興味と関心がある。
    (これ大事w)

上記の読者像について「何のこっちゃ分からない」という方でも進められるように、極力写真や画像を用いており、画面通りに順を追えばUmbrelをインストールできるようには書いております。

ですが世の中にはいろんなパソコンが存在しまして、Umbrelのインストールに不向きな機種も存在します。

あと、パソコンを分解する作業に不慣れな場合、内部のケーブルを切断してしまったり、怪我をする恐れもありますので、十分にお気をつけください。
(以降の記事を読んで「自分もイケる!」と思われた方のみ、お試しください)

■用意する資材

  • Umbrelインストール先パソコン
    (メモリやSSDを増設できる機種を推奨)
  • 増設用メモリ
    (必要な場合)
  • 1TB(1テラバイト)以上のSSD
  • 空のUSBメモリ
  • 管理用のパソコン
    (Linux OSインストールメディア作成、Umbrelの管理用)

※この一覧を見て「なるほどね、準備物はわかった!」と理解できた方は、「パソコン環境・インストールメディア準備編」へお進みください。
(ここから先は自作PC経験者の方ですとご存知な内容が多く含まれます)

■Umbrelインストール先パソコン

意外ではありますが、ビットコインが広まり始めたのは2009年ですので、古いパソコンでもライトニングネットワークのノードは問題なく動作します。

Umbrelのインストール先として推奨されているラズパイのRASBERRY PI 4 model B(2019年製)の性能は、2006年製のCore 2 Duo E6700搭載パソコンとあまり性能が変わらないというベンチマーク結果があるようです。
(ラズパイは省電力だから、CPUのパワーがあまり無いのかもですね)

なので、2009年製以降のパソコンであれば、CPU性能面では問題なく使用できると思います。

また、デスクトップ型とノート型のどちらが適しているかについては、ノート型をお勧めします。

  • デスクトップ型と比べて比較的電力消費が少ない
    (電気代は大切!)
  • モニターとキーボードが付属しているため、直接操作が可能
    (障害発生時の操作ができる!)
  • 内蔵バッテリーが、多少の停電対策になる
    (不意の停電は故障の元)

ちなみにウチでUmbrelを動かしているノートパソコンは、2008年製です。
(意外と軽快に動作しています)

しかし「パソコンの筐体自体が古くても問題はない」のですが、メモリやディスクなどのシステム要件は満たしている必要があります。

Umbrelのシステム要件を満たしていないと、ビットコインの初期データの同期にとてつもなく長い時間が掛かる場合があります。
(最悪は、いつまで待っても同期が終わらないことあります)

  • メモリ:4GB以上
  • ストレージ:1TB SSD以上

古いパソコンの中にはメモリが4GB未満しか搭載できない機種もありますので、そのような機種は避けてください。

また、古いパソコンを利用する場合には「1TB以上のSSDを標準搭載している機種」はまず存在しないので、たいていの場合はSSDへ交換が必要です。

交換の際には、以下のようにノートパソコンの底面をドライバーで開けて、メモリやHDDが簡単に交換できる機種が望ましいです。

機種によっては、薄型のノートパソコンですと「増設用の空きスロットがそもそも無い」、「一度筐体を分解してしまったら、二度と元に戻せない」といった初心者殺しな機種も存在します。

分解し始めてから後悔しないように、メーカーの公式サイトでメモリやHDDの交換手順が公開されている機種であるかを事前にご確認ください。
(公式サイトでパソコンの型番を調べると、交換手順が公開されています)

■増設用メモリ

もし自分のパソコンが現時点でメモリが1GB、2GBしか搭載されていないとしたら、増設が必要となります。

増設用のメモリ情報は、以下のサイトなどで規格や最大搭載容量などを確認できます。

ですが、古い機種の場合はメモリ自体が販売中止になっているなど、入手困難だったりします。
そのため、初めから4GB以上を搭載している機種を中古で買い直す方がお手軽かもしれません。
(最近は4GBを搭載している機種でも、メルカリで5千円〜1万円で購入できます)

■1TB以上のSSD

ビットコインのデータをすべて同期すると、2023年10月10日時点では587GBになります。
※2024年4月18日時点では642GBでした。

ビットコインのデータに加え、OSであるUbuntu ServerやアプリケーションのUmbrel、Bitcoin Node、Lightning Node等をインストールします。

そのため、ディスクの容量は将来のデータ増加も加味して、1TB以上が推奨されています。

よくある疑問として「安く済ますために1TBのHDDを使いたい」というのがあるのですが、あまりお勧めはしません。

ビットコインの初期データ同期が、SSDだと長くても3日〜1週間で終わるところ、HDDだと読み書きの速度が遅すぎて一ヶ月以上掛かる例もザラにあります。

初期データの同期が完了するまではライトニングネットワークの設定も出来ず、ひたすら待つだけになるため、HDDではなくSSDを使った方が幸せになれます。
(自分は2022年に1TB SSDを6,000円台で購入しました)

■空のUSBメモリ

今回、Linux OSである「Ubuntu Server」をインストールする際に、空のUSBメモリを使います。

2GB以上あれば容量は十分足りますので、最近販売されているUSBメモリや自宅で余っているメモリを流用すると良いと思います。

■管理用のパソコン

Umbrelをインストールするパソコンとは別に「Ubuntu Server」をインストールするためのUSBメモリ作成や、Umbrelを管理していくためのパソコンが必要です。

なので「家にパソコンが1台しかない」ということであれば、そのパソコンを管理用のパソコンとし、Umbrelインストール用に1台、ヤフオクなどで購入することをお勧めします。

■まとめ

  • Umbrelインストール先パソコン
    →ノートパソコンで元々4GB以上搭載されている機種がオススメ
    (8GB搭載モデルだとよりベター)
  • 増設用メモリ
    →取り付けるのが面倒なので、使わないに越したことはない
  • 1TB(1テラバイト)以上のSSD
    →ケチってHDDを使うと思わぬ苦労をする羽目になります。
  • 空のUSBメモリ
    →家の余り物か、1,000円未満で買える製品で充分です。
  • 管理用のパソコン
    →Linux OSインストールメディア作成やUmbrelの管理はWin・Macでも可
    (以降、本ブログではWindows 10を使って説明します)

〜最後に〜

ここまで長らく書いてきましたが、今回は「資材用意編」なので具体的なインストール等の操作はこの記事には掲載しておりません。

今回の記事を踏まえた上で、「Umbrelインストール先パソコン」のメモリを4GB以上、SSDを1TB以上が搭載された状態で次の「インストールメディア・パソコン環境準備編」にお進みください。

ここから先は自作PCやLinuxを経験されていない方だと「初心者殺し」なポイントが続々出てきますので、極力事故を起こさないよう写真付きで説明してまいります。

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