"材料"

同時に、中の人としては「価格形成のモデルがよくわからんので、価格の上下に一喜一憂する意味がわからない」

「欲しいと思う人が多い
→買われる
→売りたい人が減る
→高くても買いたい
→価格が上がる」

くらいまでの事が分からないほどでは、ないのですが。受給曲線って、確か学校で習いますし。

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モナコイン取引勢のなかに、妥当な価格の基準を "材料" で説明しようと試みている一派を見かけます。

もちろん「買いたい」と思わせる何かがなければ、買われないの分かります。金融商品の取引勢は、政府の公式統計や企業のプレスリリースや、その他様々な情報を基に、誰よりも先に "材料" となるものを得ようとしている。これも分かります。

当業者BOTの中の人は完全に乗り遅れましたが、DeFi 、特に流動性供給のような新しいテクノロジーが、ソフトウェア・ファーストである暗号資産界隈では "材料" になるのも、分かります。

仮想通貨投資界(?)のカリスマ(?)であるヨーロピアン氏による note には、そうですよねぇ、という感想を抱きます。

前述した通り、イールドファーミングは一定の技術的参入障壁によって高い利回りを維持してきました。しかしOKexの顧客が取引所を通じてこれらにアクセス可能になれば、その優位性は失われます。需給が変化することにより、利回りは常識的な範囲にまで低下するのではないでしょうか。

投資業界でよく話に出てくる "靴磨きの少年" の逸話にもある通り、後から参入しても平凡なリターン(もしくは損)しか得られないのは、それはそうだろうなぁ、と。これに類する警句は、技術にも明るい(っていうか専門は技術のほう)、ビットコイン・エバンジェリストであるアントノプロス氏も述べています。

誰かがそのテクノロジーに投資するのを見てる時、彼らの周りの誰もがそれを頭がおかしいと考えるからこそ、彼らはその投資から100倍ものリターンを得る事ができるのです。

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話が暗号通貨界全体まで大きくなりすぎたので、モナコインの価格に話を戻します。

チャートにアーティスティックな書き込みをするのが得意な方々に言わせると、モナコインの価格は、"材料" なるものの影響で変動するそうです。

その "材料" って何でしょうか。

「半年 ROM ってろ」の掟に従い学んでみたところ、"上場" と "半減期" なのだそうです。

…ここで分からなくなってしまいました。

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一般論として、仮想通貨交換所への上場が、価格を押し上げる要因に成り得る、ということは、分かります。買える場所がなければ、買えない。特に新規参入者がいきなりビットコイン建てで買うのは非現実的すぎて、まずは法定通貨から入っていく。

買う手段を持っている人数が多ければ一人あたりの平均取得可能枚数が減る可能性はあり、需要への期待は高まります。本稿の最初に出たやつですね。

しかし、日本にある仮想通貨交換所のうち、交換所の中の人たちがガチなクリプトオタクでもある所には既にモナコインは上場済みです。そして、複数の交換所に口座開設している利用者が少なからず居るような気もします。踏み込んで調べてはいませんが。結果、今後の国内上場があったとしても、効果は限定的でしょう。DMM が取り扱いを始めても、価格については、無風だったようですし。

…海外…ですか?

推しコインを悪く言う気は無いですが、日本国内でどれだけサービスが盛り上がっていようとも、海外から見たら、これといった特色もない Litecoin クローンで、過去に盗難騒ぎに遭ったコインですよ? 魅力的に映りますかね? 日本での出来高が凄い? しかし既に上場済みの Bittrex の出来高、どんな塩梅でしょうかね。

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一般論として、半減期が価格を押し上げる要因に成り得るというのは、上場よりも理解しづらいですが、解釈を付けることは可能でしょう。マイナー報酬が半減する→マイナーが半減期に向け高い値段で市場に出し始める→それでも欲しい→価格が上がる。

採算が取れなくなったマイナーが撤退するというパターンも考えられるのですが、ここでは、価格が上がる一つの要因たり得るとしましょう。

しかし、ことモナコインに関しては、"材料" と認める材料がよくわかりません。

現時点で発行済みのモナコインのうち半数を大幅に超える枚数が、JVCEA 加盟の交換所のウォレットに入っていることが明らかになっています。つまり、市場参加者は程度の差こそされある程度のモナコインは保有していることになります。その環境下で、さらに増やしたいという合理的なインセンティブとして、半減期が本当に有効なのだろうか、と。

有効ではないと断言するつもりではなく、純粋に、よくわからない。

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人は経済合理では動かず、雰囲気に流されるものだ、というのは 2017 年バブルの教訓ではあります。

上場や半減期 (あと、ハードフォーク芸やら有名人を呼んだイベント芸やら) が "材料" としてワークした時期は確かにあったかもしれません。あまり良く覚えていませんが。

ただ、あれから 3 年以上ほど経って、界隈の金融リテラシが上がったり、退場したりした今。まだこれらの "材料" が有効に作用するのかどうか。

わからないのですよ。

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念のため当たり前のことを付け加えますが、「わからない」の表明は完全否定を意味しません。

板取引は、"勝った人が正しい" ゼロサムゲームです。誰の意見にせよ鵜呑みにするのは自殺行為でしょう。半減期や上場を "材料" として心待ちにし続けるのも、一つの戦術かもしれません。

テクニカルは経済学的には意味がないが、皆がそれに沿うから綺麗にワークする、っていう現実もあるようですし。ワークしているのを無闇に否定しても、却ってカモネギではあります。

「わからないものには手を出さない」と、バフェットさんは言ったそうですが、同じ文脈で、当業者BOTの中の人は、モナコインの価格について「わからない」と言い、今の仮想通貨板取引の世界からは一定の距離を置くようにしています。

マネーゲーム自身は嫌いではないですけれどもね。et-wings のユーザIDは200番台でしたし。下手ですが。

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「なんかよくわからないけど新サービスを連発している草チェーンが、極東にある」って思われるような話題を作るほうが、向いていますし。なにもわからないながらも、追加の目新しい "材料" なく、持続的な価格が形成されるはずがないのでは、など直感していたりしますし。

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