マニアックなワイン「ヴァンダル」

マニアックなワイン「ヴァンダル」

みなさんこんにちは。今回は、ちょっとマニアックなワインについてご紹介したいと思います。それは以前、名古屋での試飲会の時に初めて出会った・・・

こちらのワインです!ニュージーランドのワイン銘醸地であるマールボロで造られたワインなのですが、何がマニアックなのかってまずは造り手さんが・・・

みんな仮面を被ってる!?実は彼らは、マールボロ地方を拠点とする3人のワインメーカーがタッグを組んで2016年にスタートした「ヴァンダル」と言うワイナリー(プロジェクト)なのですが、彼らの詳細は全てシークレット!そのため、ワインメーカーの名前はもちろん・・・

写真も仮面を被っている姿しか公開されていないのです!3人ともニュージーランドでは著名なワインメーカーだそうで、一体どのワイナリーの誰なのか気になるところです(どなたかご存じの方は私にこっそり教えて下さい(笑))。

それはさておき、マニアックなのは造り手だけではありません。彼らの造るワインそのものもとてもマニアックなのです。そもそも、彼ら「ヴァンダル」のプロジェクトの目的は「マールボロの伝統的なワインスタイルを破壊して新たな可能性を拓く」と言うもの。そのため、ワインも通常の造り方とはひと味違った手法が取られています。まずは、こちらのスパークリングワイン・・・

「ヴァンダル ゴンゾ― ペットバット 2021 ¥4,070(税込)」は、同じ地域で育ったミュスカとシャルドネを50%ずつ使って造られているのですが、同じタイミングで収穫して同じタンクで一緒に醸造する「フィールドブレンド」と言う手法が取られています。これは、昔の庶民的なワインの造り方で、畑に育ったブドウを品種に関係なく一緒に収穫して一緒に醸造する「自家用ワイン」的な手法でした(そもそも、昔は今のように品種ごとに区分けされていない混植が普通だった)。

さらに、このワインは「ペットナット」と呼ばれる自然派の製法で造られた微発泡ワイン「ペティアン・ナチュール」でもあります。こんなスタイルのワイン、マールボロではこれまで見た事がありません(マールボロじゃなくてもマニアックです(笑))。そして、ワイン名は彼らのシンボルでもある「バットマン」にちなんで「ペットバット」と名付けるなど、遊び心も満載のワインとなっております。

続いてご紹介するのは、白ワインの・・・

「ヴァンダル ゴンゾ― レジスタンス 2021 ¥4,070(税込)」。このワインは、ソーヴィニョン・ブランと言うマールボロを代表するブドウ品種を使用していますが、白ワインでは珍しい「マセラシオン・カルボニック」と言う手法が取られています(ボージョレ・ヌーボーに使われる手法で、通常の赤ワインでもあまり使わないテクニックです)。

さらには、「100%のマロラクティック発酵」が行われています。この「マロラクティック発酵」とは、シャープな酸味のリンゴ酸を、まろやかな酸味の乳酸へと変える発酵で、白ワインでもよく使われる手法なのですが、マールボロを代表するソーヴィニョン・ブランのスタイルは、爽やかな酸味が特徴なので、基本的にはこの手法を使う事はほとんどありませんし、あったとしても100%行う事はまずありません。まさに、「マールボロの伝統的なワインスタイルを破壊」しています(笑)。

また、このヴィンテージではありませんが、2020年のレジスタンスではなんとニュージーランド産のフレッシュなブラフオイスター(牡蠣)と共にブドウを発酵させると言う奇抜な手法を行っておりました。おそらく、こんな造り方をしているのは世界中探しても彼らぐらいじゃないでしょうか(笑)?

続いてご紹介するのは、こちらの・・・

「ヴァンダル ゴンゾ― ミリーシャ 2021 ¥4,070(税込)」。このワインは、白ブドウのピノ・グリ、ヴィオニエ、リースリング、シャルドネに、なんと黒ブドウのピノ・ノワール、シラー、テンプラニーリョを加えた7品種で造るワインで、先ほどもご紹介した「フィールドブレンド」を採用。出来上がったワインは、白ワインと言うよりもオレンジワイン!白ブドウと黒ブドウ両方を使うのもマニアックだし、7品種も使う事自体がそもそもマニアック(笑)。

最後にご紹介するのは、赤ワインの・・・

「ヴァンダル ゴンゾ― コンバットルージュ 2021 ¥4,070(税込)」。このワインは、黒ブドウのピノ・ノワールとカベルネ・フランに、白ブドウのヴィオニエを使用し、「フィールドブレンド」ではありませんが同じタンクで一緒に発酵をさせる「混醸」と言う手法を使用。さらに、「マセラシオン・カルボニック」も使用しているのですが、そもそも、黒ブドウに白ブドウを混ぜると言う珍しさだけではなく、普通は単一で仕込むピノ・ノワール種に他のブドウを惜しげもなくブレンドすると言う大胆な発想(笑)。ピノ・ノワールの本場、フランスのブルゴーニュでは絶対にありえない所業です(ガメイ種をブレンドする事はありますが(笑))。

いかがでしたか?ご紹介したように、彼らが造るワインはどれも超が付くほどのマニアックなワインなのです(笑)。ちなみに、「ヴァンダル(VANDAL)」は「破壊者」を、「ゴンゾ―(GONZO)」は「風変り・型破り」を意味するので、まさにその名前に相応しいワインだと言えますね(笑)。

このワイン、毎年数量限定ですぐに完売してしまうレアな商品でもあります(レジスタンスは発注前に完売、ペットバットも現在はメーカーさんで完売状態)。今回、当店でも数量限定で入荷出来たので、もしご興味がある方はぜひブログ内のリンクからチェックしてみて下さいね。・・・来年こそは、レジスタンスの争奪戦に勝って4種類コンプリートするぞー(笑)!

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記事を書いた人

ワイン、日本酒、音楽、サッカー、アウトドア好きです。お酒にまつわる面白い話を書いています。また、ネットでワインショップ「LIFE WITH SAKE & WINE」をオープンしました。10%オフクーポン「open2021」(お1人様1回有効期限無し)ご用意したのでぜひご覧下さい!

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