ニュージーランドワインの試飲会を開いてみた
みなさんこんにちは。この前、東京でのワインの試飲会の様子を書かせて頂きましたが、最近ではコロナが多少落ち着いた事もあり、そのような小売業者向けの試飲会が徐々に開催されるようになってきました。とは言え、数はまだまだ少なく、また開催地が東京や大阪と言った都市になるので、私のような地方の人間には毎回試飲会に参加するのが難しい面もあります(笑)。
そこで少し前に、取引先のインポータ―さんが持っているニュージーランドワインの中から、私が気になった商品をいくつか発注し、自宅で試飲をしようと考えました。そして、納品されたワインを並べて、ふと「せっかくなら、ワイン仲間も誘って試飲会をしよう」と思い付きました。
いつもワインを試飲する時には、味わいと価格が見合っているかなどを評価するのですが、客観的に見ようとしてもどうしても自分の好みの味わいに高評価を付けがちになってしまい、扱うワインの傾向が偏る事があります。そこで、いろんな人の感想も参考にしながら試飲をする事で、より客観的な評価が出来ると考えたのです。
そして先日、ワイン仲間を集めてニュージーランドワインの試飲会を開きました。今回用意したワインは・・・
全部で7本!ワインの詳細を説明しながら、順番にテイスティンググラスを使って試飲をしてもらいました。まずは、
マーティンボロ―・ヴィンヤード 「テ・テラ ソーヴィニヨン・ブラン 2018」¥2,200(税込)
ニュージーランドを代表する白ブドウ品種で、パッションフルーツなどのトロピカルなアロマが感じられ、フルーティーな味わいとキリっとした酸味のバランスが良く、個人的には好きな味わいでした。みんなの評価も良くて、何より価格も良心的なところがポイントでした。続いては・・・
ピラミッド・ヴァレー・ヴィンヤーズ 「ノース・カンタベリー ソーヴィニヨン・プラス 2020」¥2,860(税込)
先ほどと同じ品種かと思いきや、よく見ると「~プラス」となっています。実はこれ、ソーヴィニヨン・ブランにピノ・グリやリースリングなどを少量ブレンドした珍しいタイプの白ワイン。しかも、醸造方法も通常のステンレスタンク以外に、オークの古樽とアンフォラと呼ばれる壺も使っています。
そのため、味わいもかなり独特で、フレッシュな酸味の印象がある一方で、少し酸化したようなニュアンスなども感じられる、とても面白いワインでした。個人的にはアリなワインでしたが、みんなの評価は分かれる結果となりました。続いては・・・
マーティンボロー・ヴィンヤード 「マヌ リースリング 2017」¥3,300(税込)
こちらは、リースリングを使ったワインで、リースリングらしいハチミツやレモンなどの柑橘系のニュアンスがあり、かなりしっかりとした酸味を若干残糖分のある甘味がバランスを取るオフドライスタイルでした。これも私的にはアリな味わいで、みんなの評価も良好でした。続いては・・・
オスラ―・ヴィンヤーズ 「ノース・オタゴ レイク・サイド・ピノ・グリ 2018」¥3,300(税込)
フランスのアルザスなどで有名な品種ですが、実はニュージーランドでも数多く栽培されていて、個人的にも大好きな品種なので選んでみました。香りには洋梨や桃などの果実が感じられ、味わいには残糖分から来る甘味としっかりとした酸味によるまろやかでクリーミーなテクスチャーが感じられました。
個人的には好きな味わいでしたが、アルコール度数14.5%と高めな上に、やや甘みが強めに感じられるので飲み疲れしそうと言う意見もあり、好みが分かれる結果となりました。続いては・・・
オスラ―・ヴィンヤーズ 「ノース・オタゴ ワイタキ・ヴァレー・ゲヴュルツトラミネール 2020」¥3,520(税込)
先ほどと同じ蔵元が造る、同じくアルザスなどで有名なアロマティックな品種のワインで、これも個人的に大好きなので選んでみました。この品種の典型的な香りであるライチに少し清涼感のあるニュアンスが感じられ、果実味豊かな味わいで余韻には少しジンジャーのようなスパイスのニュアンスも感じられました。
ゲヴュルツトラミネールらしい味わいで、とても良く出来ていました。みんなの評価も良好でしたが、この品種は個性が強いのでなかなか普段の食事とのペアリングが難しい一面もあります。普段の食事と一緒に楽しみたいと言う人にとっては、やや手を出しづらい結果となりました。続いては・・・
マーティンボロー・ヴィンヤード 「テ・テラ ピノ・ノワール 2019」¥3,300(税込)
ニュージーランドを代表する品種でもあるピノ・ノワールを使ったワインで、赤い果実の香りに樽の風味や少し腐葉土っぽいニュアンスも。味わいはフルーティで渋みと酸味のバランスも良く、私的には大好きな味わいでした。
しかし、ピノ・ノワールに関しては特にみんなの意見が分かれました。みんなの好みが、フランスのブルゴーニュの華やかで軽やかなスタイルなのに対して、私の好みはどちらかと言うと、もう少し重心が低く、しっかりとした果実味やボディがあるスタイル。自分好みのピノを選びがちなので、今回の試飲会の中では一番参考になりました。・・・それにしても、ピノ選びってやはり難しい(笑)。最後は・・・
ブラック・エステート 「ホーム・カベルネ・フラン 2017」¥4,950
ニュージーランドでは比較的珍しいカベルネ・フランを使ったワインで、フラン好きのお客様用に選んでみました。香りには赤や黒の果実や少し清涼感のあるニュアンス、それに腐葉土っぽさや甘苦系のスパイスの風味も感じられました。味わいは、こなれたタンニンにややしっかり目の酸味がチャーミングな印象を与えるミディアムボディで、バランスも良くていいワインでした。みんなの意見も良好でしたが、そもそもカベルネ・フラン単一のワインを普段あまり飲まないので、飲み慣れていないと言う意見もありました。
こんな感じで、7種類を1時間ぐらいかけて真面目に試飲して頂いたあとは、お待ちかねのただのワイン会(と言うか飲み会)に突入(笑)。
地元の精肉店さんの生ハムや・・・
ミートローフに・・・
砂肝のアヒージョや・・・
焼き牡蠣、そして・・・
トリュフ風味のチップスとミックスナッツまで!きっとみんなは、試飲会の後に繰り広げられるであろうこの飲み会の方が楽しみだったのだと改めて実感(笑)。
とは言え、みんなの忖度の無い貴重な意見を聞く事が出来たので、とてもいい試飲会となりました。また、「これほど沢山のニュージーランドワインを同時に試飲出来る機会はこれまでなかったから、とても勉強になったよ」と感謝の言葉も頂きました。
まだまだ試してみたいワインは沢山あるので、また次回の試飲会も企画してみようかなと思いました。ちなみに、この会を成功させる重要なポイントは、みんなが酔っぱらう前にちゃんと意見を聞くと言う事です(笑)。酔ってくると、最後の方は何を飲んでも美味しいと感じるようになるので要注意です(笑)。