Bitcoinは、みんなのためにあるものではない
私(@real_vijay)のこの意見は、少々物議を醸すかもしれません。過去にこの話を持ち出したことはなく初めてここで話すことになるので、スクープですよ。笑
今からする話は、後である意味、矛盾したことを話すことになるのですが
Bitcoinは、すべての人のためのものではありません。
どういうことかと言えば、すべての人が秘密鍵で管理する*UTXOを持つわけではないという意味です。
未使用トランザクションアウトプット(UTXO)とは一定額のビットコインの固まりです。 https://lostinbitcoin.jp/glossary/utxo/
実際、それは非常に稀なことになるでしょう。私が好きな例えは、金本位制が採用されていた19世紀までさかのぼるなら、UTXOを持つということは、金塊1個分の金を持っている人と同じようなもので、金塊数個分の金を持っている人は地球上にほんの一握りしかいないかもしれませんが、金貨を数枚持っていればかなり裕福だったのとちょうど同じような話です。
日常的な商取引では、銅貨や銀貨のような小さいものを使ったり、金の約束手形を使ったりしていました。大きな価値を持つ金貨自体を持ち歩くのは、とてもおおごとだったからです。
私は、Bitcoinコミュニティには平等主義的な傾向があると思います。私はマレー・ロスバードの見解「平等主義は自然に対する反乱である」にある意味、賛同しています。
Bitcoinがアフリカの誰もがピアツーピア決済ができるように、そして誰もがUTXOを持てるように作られたと考えるのはある意味、間違っています。もしそれがあなたのBitcoinに対する考えなら、Bitcoinはあなた向きではありません。BitcoinのDNAがそれを阻止するからです。
私にとってBitcoinの基本的なユースケースは、大規模な金融機関同士の決済を可能にする新しいマネタリーベースという点にあります。そしてそれにより、腐敗することもインフレになることもない、新たな金融・通貨基盤を世界にもたらすことができるのです。
これは、Bitcoinをコーヒー代に使いたいとか、ある種のリバタリアンが言うようなドラッグを買うのに使いたいとか、そうした些細なピアツーピアのやり取りよりもずっと重要なことなのです。
地域レベルでそうしたことに取り組んでいる人々を否定したいわけではありませんが、大局的に見れば、もし私たちが世界を腐敗のない新しい通貨基軸に乗せることができれば、世界の地政学は大きく変わり、私たちはより良い場所に立つことができます。
世界が貧困から脱却し、人類史上最大の富の創造が金本位制の下で起こった19世紀のような世界に、効果的に戻ることができるのです。それこそが、私たちが求めているものです。
Bitcoinを誰もがUTXOを持てるようにするには、Bitcoinの価値を失うような方法でBitcoinを変更する必要があります。その失われる価値とは、Bitcoinは誰にも変えることはできない、誰かが変えようにも変更は非常に難しいと言うその「不変性」です。
それは、私たちが「ブロックサイズ・ウォー」で学んだ教訓でもあります。Bitcoinコミュニティで、Bitcoinを変えようとするマイナーや大口保有者、取引所など、非常に強力な人たちで構成された策略をめぐらすグループができたとしても、Bitcoinを変えることはできません。それこそがBitcoinを特別なものにしているのです。改ざんを許さないのです。政府のコントロールを許さないのです。Bitcoinが信頼に足るものなのは、Bitcoinは基本的に10分ごとにブロックを生成し、検閲されることのない取引を可能にし、2100万以上のBitcoinが存在しない、信頼できるインフレスケジュールを人々に提供しているからです。
このような永続性のあるシステムはこれまでの人類には存在しかったものであり、とても貴重なものです。コーヒーでの決済を追い求めるあまり、失ってはならないものです。
Bitcoinはすべての人のためのものではないというのが私の主張ですが、一方でBitcoinはすべて人のためのものでもあります。新しいマネタリーベース、優れた通貨基盤は地球上のすべての人に利益をもたらすからです。
私たちは、取引がよりシームレスに行われ、通貨基盤が政治的でなく中立的な、新しいグローバル経済を手に入れることになります。それは、人類にとって大きなメリットです。
Bitcoinはすべての人のためにあるわけではありません。すべての人がUTXOを持つわけではないからです。でも、それで良いのです。
それでいて、Bitcoinはすべての人のためにあります。その恩恵により、私たち皆がより良い世界で暮らせるようになるのですから。
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