DHメソッドのテスター
Diamond Handsのテスターとして今DHメソッドをひたすら試しています。今回は導入してから2ヶ月経ったのでこれまでの経過を簡単に紹介します。
私のチャネル構成です
DHメソッドとは
DHメソッドはチャネルのキャパシティの構成比率などに合わせてfee rateを自動で変化させることでルーティングの効率化を図るメソドロジーです。
charge-lndを利用していてアウトバウンドキャパシティが多い時はfee rateが小さくなり、逆にアウトバウンドキャパシティが少なく成るとfee rateが大きくなります。他にもギミックがあるのですがGUIガチ勢(コードやスクリプトが理解できない)の私には手に負えませんでした。
まず導入
DHメソッドの導入にはcharge-lndが必要です。charge-lndのインストールと実行までの作業はGUIバカの私にはハードルが高く、テスターのたがえるさんの助けでなんとかできました(実際はほとんど教えてもらいました)
今はテスターのhidekichiさんがcharge-lndの導入方法を分かりやすくまとめ直してくれています。githubのやつより100倍分かりやすく、2台目のUmbrelにはこの記事も参考にして独りでインストールすることが出来ました。日本語で説明するというのはそれの独特の雰囲気も読み取れるので本当にありがたいです
テスター
DHメソッドを試すついでで3人一組になってトライアングルリバランスや似たチャネル構成での比較検討も行ってきました。
自分以外のルーティング内容を深く聞けるのはかなり有意義です。同じような悩みだったり、既に解決していたり、同じことを考えていたり。
他にも普通ならルーティングは自分の両隣りまでですが、その隣りがテスターだと更にその次のノード情報を教えてもらうこともできます。自分のルーティングの続きを知るってけっこう感動しますよ。
百聞は一見にしかず
DHメソッドの内容を色々書くより、これまで内容を元に見た方が分かりやすいと思います。
この結果は一例ですので、完全に同じチャネル構成にしても同じようなルーティングが流れる訳ではありません。各ノードの手数料体系や接続チャネル構成が変わってくることなどがその理由です。とはいっても過去の結果からその傾向は掴めると思います
まずDHメソッドを導入した3月後半
ルーティング17件に手数料収入は81sats
3月は導入直後なのでチャネル数も投入したBTC量もまだ少ないです。別のテスターメンバーのリバランスも含まれますがルーティングは発生していました。
導入したらすごい勢いでルーティングが来ると期待していた素人です
4月
ルーティング369件に手数料収入は1,900sats。単純に1件当たりの手数料は安いです、安ければ収益性は低いんじゃないの?というのは確かにそうです。そうですが現状はそれよりDHメソッドの自動化の面白さの方が上です。
件数の多さに驚きました「俺いらねーじゃん」と
4月は3月よりチャネル数も利用しているBTC量も多くなっています。
IcomingとOutcomingの両方に載っているノードは「双方向」に流れるチャネルでリバランスなしでルーティングを達成するのに有利です。ここでいうとBoltzやInmarket.comあたりです。
これまでルーティングというと単方向のパターンしか見たことがなかったので、リバランス無しではルーティングを継続できないイメージがありました。リバランスをやらずしてルーティングが継続できていることはかなり感動ものです。3月まではLNDgアプリの自動リバランスのお世話になっていたのに4月は全く使用せず。
とはいってもルーティングに関与しないチャネルを見るとリバランスしたい衝動に駆られるんですけどね
5月
ルーティングは1,052件で手数料収入は5,747sats。4月に入ってどんどんルーティング件数が増えました。長く毎月0〜10件程度でやっていた人間がこんなに多いルーティングを見るとどハマりします、毎日ヒマがあればチェックし件数を増やすために勉強し出す生活になります。
14日のバーだけが大きくなっていますがこの日は500万satsのような送金が多く通りました。この日はなんかあったのかな?
5月に入り開いたチャネルがの構成がだいたい落ち着いてきました。1ヶ月間のRouting Peersをまとめて出していますがこれを上旬と下旬に分けると時期的な傾向が現れ出します。
上旬
下旬
上旬はMoon、fixedfloat、Inmarket.com、Boltzが双方向にルーティングしています。
CoinGateも良い具合にルーティングしていますが、下旬に入るとピタッとルーティングしなくなりました。色々原因を考えましたが確かな答えは出ず6月になった時点で一時的に閉めました。その後spotlightにCoinGateなどに関する雑感を投稿してくれた👨🏻🏫塾頭の記事を読んでさらに一考⚡️...閉めずに様子見でも良かったのかも
(一日のうちLNのルーティングのことを考えてる時間は本当に多くなりました。おかげで全然スプラ2をやってない)
下旬にPiLN-Chibaノードからチャネルを開いてもらえました。PiLN-Chibaノードは件数の多さとリバランスを通す「リバランス力」が高い上に、これまで見たことのないリバランスをしてきます。新手のスタンド使いみたいな感じで、またもや考え事が増えるんですよね。
特徴
LNの手数料はアウトバウンドチャネルの設定値に依存しますので、インバウンドチャネルは何でもいいです。ここで大事なのはアウトバウンドチャネルの方です
Moonを例に出します。全てのルーティングが約100,000satsですがFeeは全て違っています。これがDHメソッドです(詐欺師くさい言い回し)
簡単に話すと各日付ごとのMoonのfeeは
- 5/4は1ppm
- 5/10は2ppm
- 5/11は4ppm
各ルーティングした時のアウドバウンドキャパシティの割合は、
5/4 > 5/10 > 5/11
5/4の時はアウトバウンドがかなり多い時にルーティングしていて、5/11の時は割合アウトバウンドは減っていた時にルーティングをしています。もしMoonのアウトバウンドがもっと少ない時にルーティングするとppmは上がり、受け取れる手数料が増えます。
どういうことかというと、アウトバウンド多いチャネルはルーティング手数料を得たいので手数料を低めにしてIncoming側へのチャンスを上げます。そしてアウトバウンドが減りに減ってきたチャネルはルーティングに関与できなくなってくるので、アウトバウンドを戻すためにOutcoming側へなれるようfeeが上がり出します。その結果自分の別のチャネルのfeeは下がっているはずです、そっちが今度はIncoming側のチャンスが上がります。
↑
説明が下手ですみません。ただ凄い面白いんですよ
ルーティングチャンスを上げるために手数料が変わった結果がこれで、テキトーに手数料が決まる訳でないのです。
少し思うのはアウトバウンドとインバウンドのキャパシティの比率で変わってくるのなら、とてつもなく大きいキャパシティで開いたら「おいしい区間」が増えるのでは?。しかし、それに見合ったBTCを用意できなければ常にルーティング失敗になるだろうと思います。
DHメソッドのデメリットはあるのか
現状不満らしきものは感じていませんがデメリットを見つけるのもテスターの役目のはずです。まぁ見つけれてませんが
強いてあげるならばチャネル選びの難しさはありますがこれはどのノードにもいえることです。sink系と呼ばれるアウトバウンドを吸いまくって枯渇しやすいノードはこのDHメソッドには適していません。双方向なルーティングを期待できないからです。これはノードが悪い?
sink系に分類されるのはbfx、NiceHash、LNBIGたち、ACINQなど
かつて手動で管理していた頃はナイスハッシュのルーティングから手数料を得ていたので、LNDgの自動リバランスの設定は楽しかったなぁと懐古。そんなLNDgの自動リバランスと同時に「そのままのDHメソッド」を使うと、多くの場合リバランス代の方が高くなるので併用はしない方がいいです。止めはしませんが泣きを見ることになりますね。
そのままのDHメソッドというのはですね、既にテスターメンバーではDHメソッドを上手く改造している人もいて日に日に進歩しています。改造DHメソッドはLNDgと同居できてるようです、興味がありましたらテスターへ参加を!
公式DHメソッドも今後バージョンアップしてくると思いますので、使い勝手はもっと良くなるはずです。
さてLightning Networkは最初ノードを建てるまでは順調に進みますが、ルーティングをするとなるといきなり荒野に放たれるような状態です。私は7月に始めて何ヶ月もルーティングがほぼ0件の生活で、途中でやる気がどっかに行きつつありました。しかしいろんなキッカケで件数が出始め、今は楽しく毎日悩みながらルーティングを続けています。
ルーティングが起きなくてやる気が上がらない人はいると思いますが、そういう時はspotlightやDiamond HandsのテレグラムとLNをやっている人のTwitterにヒントがあると思います。私は他のノードにルーティングとはこうだ!と指導するほどの人間でもないのと、元々Lightning Networkはそういうものでもないので自分の雑感感想を述べる程度しかできません。
参考になれればもう少し自分のノード内容を公開していこうと思っています。
No Routing ⚡️ No Life💎🙌