RGB-Channel in Lightning

ライトニングネットワークはビットコインをオフチェーン上で送金する仕組みである。そのネットワークを構成するペイメントチャネルは2者間のビットコイン残高の状態を管理している。このチャネルの状態にビットコイン残高以外の特性を持たせようとする取り組みがいくつかある。

今回はRGBチャネルに焦点を当ててその実用性を考察してみる。

RGBチャネルのプロコン

RGBチャネルの場合、チャネル開設者がアセットを持ってさえいればよい。これはRGBチャネルのメリットである。なぜなら、RGBのオンチェーン送金では受け取り側もUTXOを事前に用意する必要があるから。RGBチャネルを開設さえすれば、受け取り側はLN上で0承認かつ低手数料で何度も送受信が可能で、アセットをオンチェーンへ引き出す際はチャネルを閉じるだけでよい。

現状のRGBチャネルは1チャネル1アセットなので、複数アセットを扱う場合、それぞれのチャネルを開設する必要がある。そのため、受け取りたいアセットのチャネルがない場合は受け取ることができない。RGBチャネルが普及する場合、特定のアセット、例えばUSDTなどのチャネルに限定的になる可能性が高い。

チャネル間を通してアセットを送金する方法は、分散ネットワーク型、ハブ&スポーク型、ゲートウェイ型の3通りある。RGBチャネルが普及する場合、特定のアセットに限定的になる可能性が高いので、その場合は分散ネットワーク型になる可能性もあるが、取引所やLSPなどがゲートウェイとしてRGBチャネルを運用する未来像の方がイメージしやすい。

ライトニングネットワークでビットコインを送金する場合でも送金手数料(ルーティング手数料)がかかり、それはBTC建てである。HTLCがオンチェーンで解決される場合も考慮すると、そのためのBTCの最小送金金額(詳細はこちらの記事を参照)も必要になってくる。RGBチャネルでアセットを送金する場合も基本的にはBTC建てで送金手数料がかかり、アセットをオンチェーンで決済できるようにするためのHTLCも必要になる。ユーザーはアセットとBTCの2種類を保有する必要があるので、使い勝手が良くない。このユーザー体験を改善する方法の1つにゲートウェイに送金手数料およびHTLCをアセット建てで支払う方法がある。

まとめ

RGBチャネルを使うことで受信者はUTXOを事前に用意する必要がなくなるメリットがある一方、複数アセットを管理する場合、複数のRGBチャネルを持つ必要がある。そのため、受信者が持っていないアセットを受け取る場合、新規にチャネルを開設する必要がでてくる。RGBチャネルでアセットを送金する場合、それに係る送金手数料やHTLCのためにBTCが必要になる。そこでゲートウェイがアセットとBTCの交換サービスを提供することでユーザー体験を向上できると期待されている。

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