肥料(鶏糞を中心に)
自分の畑で使ってる肥料を一度整理しようと思ったら整理するほどありませんでした。
今回は独り言のように自分の使ってる肥料について紹介します。園芸だけに時間をとれない人にとっての基本スタンスは手間をかけず、凡庸性に優れた、効率が良いことが重要だと思っています(そんな都合の良い話なんてあるのか?)
まず最近の肥料を使用頻度を順に並べると
1. 鶏糞
2.
3.
4. 化成肥料
x. たまに苦土石灰
結論、鶏糞ばかり使ってます。苦土石灰は20kg1袋を2年に1回買う程度です。
化成肥料は持ってますが5年くらい前に買って相当残ってます。初期は牛糞やバーク堆肥や腐葉土に生石灰など買っていましたが、試しては棄ててを繰り返した結果消えました。
そんなわけで1年で園芸に使ってるのは鶏糞とウッドチップの2つで、あとは苗や種に農薬ぐらいです。農薬は使い方がケチなのでけっこう減りが遅いです。農薬はデリケートな話なので簡単には紹介できませんが😓
ちなみに除草剤は一切使いません
目安
植物の三大栄養素はNKPとその順に窒素、カリウム、リンです。これを土中に入れる目的で鶏糞や化成肥料や油かすが使われます。
牛糞
牛糞はその肥料成分がほぼないです。牛は草を食べて生きていますから、その牛の糞は元々肥料成分が少なくて植物由来のう◯こみたいなものです。幾許かの窒素Nが混じっていそうですが、牛糞として販売する段階では匂いがほぼ無くなっているのを考えるとやはり肥料成分はほぼゼロだと思います。でもこの特徴が土壌改良材として機能してるんです
鶏糞に比べてサラサラしていて、臭いもかなり少ないです。大量に使えるのなら試してみたい肥料で、収穫が良くなる期待はあります。ただ安く手に入らないので試せない。。
牛糞というとバラの栽培では活躍してますね。
化成肥料
14-14-14で欲張った割に出番が少ない
化成肥料は文字通り化学合成肥料で窒素化合物にカリウム塩にリン酸塩を加工して顆粒状にして販売してるものです。
袋によく9−9−9とか12−12−12とかって書いてあるあれは各成分の配合比率と濃度(%)を示しています。値が大きいほど濃い肥料になるので節約するなら大きい値のを買えば良さそうですが、それが仇になることもあります。9−9−9くらいのが無難かなと思います。
畑に撒いて水をかけるとその場から土中に溶けていくので速攻型になります。扱いに気をつければ悪くはないんですけど、メインで使わない理由は作用が速過ぎて今の自分の栽培スタイルに合っていないからです。
そして化成肥料には肥料焼けの可能性がついて回ります。この肥料焼け(灼けではありませんので)になりやすいのが成分比の高い数値の商品なので気をつけましょう。
肥料焼けとは植物の根の周辺に大量の電解質が存在することで根が水を吸収できなくなり、重度になると根から水が土中に吐き出されます。すると植物は枯れて黄色くなってしまいます、これが焼けたように見えるので肥料焼けです。
植物は「ヤバい!」ってなると黄色くなりやすいです。
化成肥料の良い点は水に溶かして使うこともできることで、ちょっとだけ肥料成分を足したい時に水溶液にして畑に撒けます。これも肥料焼けを起こさないためにも低濃度の溶液にしましょう。多くても肥効は頭打ちになるはず
昔、大麦の栽培で越冬させた時に化成肥料を使ったことがあります。秋に土中に化成肥料を仕込み、春に耕したらそのままの粒感が残っている化成肥料が出てきました。
そのままの状態で大麦に利用されていないと思いました。分解される要素は何なのかはっきりしませんが水がないと分解が始まらないのでは?と考えています。冬期は畑はかなり乾いていたからかなと。
油かす
冬場の緩効型肥料としての用途が多い油かすは畑にも使います。オクラやナスのような長期で収穫する野菜の元肥(もとごえ)として利用されてます。肥効は化成肥料より弱いけど分解が遅いので長く効かせれます。
ちなみに春に油かすを土に混ぜずに表面に置いておくとナメクジが来ます。
そんな油かすですが椿が原料の油かすだけは別物で、畑に撒いてもナメクジ被害に遭わずナメクジが忌避、もしくは死にます。サポニンが入っているので粘膜系生物には攻撃的です。使用用途は肥料ではなくて悪者退治
これは椿が原料ではないです。サポニンなので水をかけると少し泡立ちます
鶏糞
鶏糞を選ぶ一番の理由は他にちょうど良いものがなくて安かったからです。つまり消去法で選んでます。
鶏糞は鶏(市販の99%はたぶん鶏)の糞を好気発酵させた肥料で、各社いろいろ考えて製造しているのでメーカーによって製品の雰囲気がけっこう違います。でも収穫物の結果までは変わりないですね。
1袋15kgが100円前後と割と安く、養鶏業が盛んな茨城や愛知辺りは他より安いんじゃないでしょうか。それと鶏糞堆肥の販売価はあの分厚い袋が90%を占めてる気がします。かなり頑丈な袋で梱包材が安く作れたら鶏糞は値下がりするかも?
使用について
鶏糞はやや速攻型なので土中に混ぜて黒ビニールでマルチングをすると緩効型のように振る舞い、畝の肩に置いておけば分解が速まり速攻型のような使い方もできます。使い方の注意点はマルチングの内側の土の上に置くだけだと全く分解されず、肥料として仕事をしません。畝の肩や畝間のような空気や水が当たるところへ仕込みましょう。
私は化成肥料等をほぼ入れないので畑の肥料成分はこの鶏糞だけになっています。その状況での施肥量は2m×2mにつき15kgの鶏糞1袋が目安にしています。とうもろこしやスイカではこれより少し多めにし、窒素をあまり必要としないトマトでは逆に少なめにしています。
(すごい量の鶏糞を投入して黒ビニールでマルチングをすると1日で超巨大なう◯このケーキが出来上がります。しかも温かい。あれをやらかして以来適正量を施すようになりました)
鶏糞の安い製品は嵩高い製品でしかも1袋が重いです。これで肥料焼けを起こすなら相当量が必要となり、やるとしたらおそらく「これは入れすぎじゃないの?」と思うはずです。化成肥料は少量でもけっこうな量の電解質を投入できるので過剰量だと気づきにくいんですね。
肥料成分は化成肥料に比べて相当に薄く、NKPでいうと約平均して2−2−2ほど
比率はメーカーによって変わります。
C/N比というのが見えますが、これはこの肥料で窒素成分1に対して炭素成分が7.6で、この値が低いほど窒素量が多いとなります。低いと分解が早めで、投入する肥料の割合を考える指標になります。逆に高いと分解が遅くなる傾向です。
鶏糞しか入れない私にはあまり用がない
施肥量を抑えることが出来ないかと色々試していますが、自分のやり方では抑えれてるのか全く分からないのが現状。(抑えられたかどうかの評価が難しいので)
欠点
鶏糞の欠点は臭いことです。あのツンとした変な臭いは何ともいえません。市街地や市民農園で大量に使うと近所からいろいろ言われる可能性が高いので、使う時には事前に鶏糞使うので少し臭うかもと言うことになるJapan
ちょっとした対策は畑で鶏糞を混ぜた後に水をジャージャーかけて黒ビニールでマルチングをします。けっこう鶏糞て空気中を舞ってるので水をかけると少しは大人しくなりますよ。
使用上の注意
マスクをした方がいいです。けっこう粉状で舞い上がるのでわざわざ鶏のう◯こを吸う必要はありません、というか吸いたくない。
袋を開けたら出来るだけ全部使い切るのが良いです。全部使い切らずにしておいた場合、雨水入るとハンパない臭気を出したり、猫がやってきて穴を開けられて臭気を出したり、その臭いに釣られてハエがやってきて以下省略
水や虫が絶対入らないくらいキツく封をすれば残すこともできますが、1袋当たり安い商品なので使い切るのがベスト。
ちなみにペレット状の製品を買ったことがありません。高くて買えない。。
カルシウムたち
酸性に傾いた土壌を中和するために石灰を混ぜましょう。よく言われてますが、石灰系の資材はたまにしか使いません。使う目的もたいして無くてたまにカルシウムでも補給するかな程度の気持ちでやってます。
石灰資材で土壌のpHはどれくらい補正されているんでしょうか。1袋20kg程度の石灰を10m×10mに撒いたとしても、連続で雨が降ったらたぶんほとんど流れていっちゃうはずです。期待するほど石灰でpHが上昇してるとは思えないんですよね、まぁこの辺ははっきりしませんが。
この一覧で重要なのは生石灰で、この商品をホームセンターで販売するのは止めるべきだと思ってます。
生石灰
生石灰は化学式ではCaOで、ここに水が反応するとCa(OH)2となり消石灰と呼ばれます。いかにも危ない化学式ですね
塩基性(アルカリ性)がかなり高く、目に入ったまま作業を続けた人が失明する事故は過去に何件もあります。転んで頭から生石灰を丸かぶりしたまま作業を続けて次の日に失明した、というような事故があるのになぜ販売を続けるのか意味不明。
生石灰は買うことを全く勧めませんがもし使う時は必ず防備としてマスクと手袋をし、できるならゴーグルです。目をこすったり、誤飲しないようにしてください。使用後は水で手洗いです。
そして開けたら使い切ってしまうことです。残しておくとそれが石灰だと知らないかもしれない他の人が触った時に頭から浴びる可能性が残るので開けたら全部使う、です。
もしも目に入った時はすぐ大量の水で目を5分くらいは色んな角度で洗い続け(水流は弱くてOK)、気になるなら病院へ。目に入ると痛みがすぐ出るので入ったかどうかは分かります。予定の石灰を全部撒いてから洗うという考えは厳禁で、全ての作業を止めてでも目を洗いましょう。あんな激安の製品に大事な目をやられるのはダメです。
多くは目の被害ですが鼻や口など粘膜への被害もあり得えます。とにかく私はこの製品が嫌いです
恐怖を煽りますがそれくらい気をつける製品です。ただもしも目に入ってもきちんと水で洗い流し、適切な対応をとれば失明被害はなんとかなるはずです。ここまで書くとやっぱりこの製品は売るもんじゃないなと思います
苦土石灰
苦土石灰は酸化マグネシウムMgOと炭酸カルシウムCaCO3の混ざり物で、これは生石灰に比べて割と安全です。葉緑素の原料としてMgいるかもしんないなー程度の気持ち程度で、これは気分でたまに撒いています。
もう1つの有機石灰は買ったことがないのでよく知りません。なんだか価格が高い気がして買えない。。
総じて石灰は現状ほぼ必要としていません。園芸程度の規模や栽培方法ではたいして重要ではないのかな、と思っています。でも石灰でより良くなることが分かれば追って紹介したいと思います。
そういえば1つ苦土石灰で役に立つ使い方があります。畑の周りに苦土石灰を撒いておくと猫が来ません。猫も石灰は好きじゃないようです。
肥料は収穫につながるイメージが強いので費用をかけたくなりますが、あまりお金をかけずに収穫できることが継続して園芸を楽しめると思います。出費のかさむ園芸はなんだか違う気がするので。