クリプト・ママ Hester Peirce が語る SEC の暗号資産規制に対する対応
こんにちは!先週のAsia Blockchain Summit 2020、お疲れ様でした!この時期ならではのバーチャル・カンファレンス。工夫が凝らされてましたね。いくつか私が気になっていた人のセッションレポートをこちらにまとめておきます。
まずは、このお方。クリプト・ママこと Hester Peirceさん。彼女は、米国大統領が任命する SEC(米国証券取引委員会)のコミッショナーの1人です。暗号資産の規制強化へと進む SEC において、暗号資産擁護派として知られています。1度目の任期満了後も引き続き大統領により任命され、現在承認を待つ状態です。
遠隔出演のインタビュー形式となったセッションでは、発言は個人の見解としつつも、SEC で検討されている課題の一端を解説しました。
冒頭では、Peirce氏は2期目の決意について聞かれ、引き続きイノベーションに前向きに取り組んでいく考えであることを強調しました。暗号資産関係者にとって、この強力な代弁者の存在は心強く、歓迎されています。
この数年間、暗号資産を取り巻く環境は激変しました。さらに、新型コロナウイルス感染症による社会環境の変化も加わり、金融市場もそれを監督する SEC も、かつて無いほどの重要な局面に立っています。
特に、コロナ禍における社会のデジタル化は加速しており、人類は今、新世代型のデジタル化社会を迎えつつあります。Peirce氏によれば、それは暗号資産にとっては良い側面もあると指摘しています。急速にテクノロジーが普及する時というのは、大きな力によって半ば強制的に人類が前進させられる時です。まさに今は、そんな時代の節目と言える状況です。と述べました。
Peirce はまた、Safe Harbor Proposal についても語りました。これは金融規制において、一定の条件を満たせば規制の対象から除外し、処罰を猶予するというものです。暗号資産分野においては、市場の健全な成長と技術革新を両立させるために、Peirce氏が提唱しています。
提案に対しては良い反応も悪い反応もあったものの、総じてポジティブな方向に向かっているとコメントしました。Peirce氏 は慎重に言葉を選びながらも、立ち上げたいプロジェクトがあり、人々をトークンの購入によって巻き込んでいく、というダイナミックな資金調達の可能性を好意的に受け止めており、それを早期に実現させるために尽力するとの決意を示しています。現状は法律上の不確かなことが多すぎるため、きちんとバランスの取れた規制を実現させることが重要であり、自身の取り組む課題だと明言しました。
そのほか、Bitcoin ETF についても、現在の SEC の状況を伝えました。長期的には楽観視しているが、とにかく暗号資産分野の ETF となると、従来型の上場取引型金融商品と多くの点で異なり、適切な規制が難しい側面があるとのことです。業界の中心的なプレイヤーと密に連携し情報を共有することで、より深い理解を得て、適切な規制を進めたいとのことです。
業界全体の健全な発展のため、早期の ETF 実現のため、さらには ICO/STO の適切な規制の策定のため、業界のプレイヤーと規制当局との連携は、これまで以上に必要になっていく中、ただただ締め付けの強い規制を強いるスタイルではなく、Peirce氏であれば、バランスの良いルールを作ってくれそうな予感がしていて、業界のプレイヤーの強い味方になってくださる事を期待しています。
個人的にクリプト・ママとは1度会ってみたい方です。だって、ミス・ビットコインとクリプト・ママってなんか仲良くなれそうじゃないですか?
という事で、レポートはここまで!
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