ゲーム「メタルギア」シリーズにクリプトの親和性を感じた
メタルギアというゲームシリーズの設定や物語にハマっています.その紹介をば.
※サムネ画像はコナミの公式サイトより引用しています.
メタルギアって何
メタルギアシリーズは核兵器を軸にして国家間,組織の衝突に巻き込まれる,あるいは自ら参加し,そして最後には世界を救う伝説の傭兵を主人公にしたゲームです.
主人公はたった一人で敵地に潜入し,卓越した能力でミッションをこなし,最終的には核を搭載した兵器「メタルギア」を破壊し,核の発射を防ぎ世界を救います.そのため主人公はゲームの世界で伝説の傭兵,英雄として語り継がれており,共に敵対する組織から命を狙われる立場にもなっています.
アメリカやソ連,CIAといった実在していた国家や組織を登場させるとともに,現実には無いであろうクローン技術やウイルス兵器といった軍事技術が実現している世界を舞台にしておりリアリティとファンタジーの面白さが見事に融合されています.
※エアプの紹介です.どこか間違っていたらごめんなさい.
このゲームで私が惹かれるところは米ソの対立である冷戦,核兵器による世界破滅の危機という強烈な史実をもとに作られていることです.核兵器をはじめとした軍事力や政治力を駆使した組織の争い,世界のパワーバランスを揺さぶる冷や汗ものの展開が過去に現実の世界でも繰り広げられていたと思うと,史実としての冷戦に大変興味が湧きます.
また,政治の交渉カードとしての核兵器にも興味が湧きます.このゲームでは核兵器は凶悪な攻撃手段ではなく「政治のジョーカーカード」としての意味合いがとても強く描かれています.これは核兵器の破壊力に起因するものですが,あまりにもそれが強烈で諸刃の刃でもあるので簡単に核兵器を打つことができません.これは現実の冷戦でも実際そうでした.
しかし,それを逆手に取ることもあります.例えばソ連の人間がわざとソ連の土地に核兵器を打ち込み,それを合衆国側の仕業と仕立てることで世界の均衡に揺さぶりをかけたり,敵地に核兵器を打ち込むんだけど,あくまで「テロリストの犯行だ」ということにして自分たちは汚名を背負わずに目的を達するという駆け引きが至るところで見られます.
メタルギアをプレイしたことがない人も以下の動画を見てみるとよいかなと思います.少し長いですが一つの映画として楽しめます.
ゲームのシナリオが非常によく作られており,ゲーム性を抜きにしても冷戦や核兵器を題材にした映画,小説的な面白さが本作品の魅力だと思います.ゲームは時系列がごちゃごちゃとしておりまた主人公である「スネーク」という名を持つ男も諸般の理由で複数名存在するため理解するのが大変難しいのですが,そこに引き込まれる面白さがあります.
クリプトとの共通項:何を信じるか
主人公はもともとソ連サイドの組織に対抗するアメリカ合衆国側の人間としてミッションを受けるところから物語が始まるのですが,様々な経験を通し,国家への忠を失います.(これはソ連側につくことでも,無政府主義者になることでもありません.ただ,信じるべき軸を失っている,私はそう思いました.)
その結果,真の平和を実現する手段としてアメリカ合衆国にもソ連にも,その他どの国家にも属さない傭兵国家を作り上げたりするんですが,これは「何を信じるのか」という点においてクリプトと近いものを感じます.
クリプト,とくにビットコインの意義を理解すると,それまで無条件に信じていたものが信仰対象の一つに過ぎないものであると気づきます.クリプトにおいては「価値ってなんだろうか」という問いを人類に与えてくれているものだと思っています.
物心ついた時から国家が発行する通貨に慣れ親しみ,どんな商取引をする時にも通貨を絶対軸に置いていた人々にとってこの価値観の転換は難しいと思います.一方で一度転換してしまったらもとには戻れず,一方で新しい軸となる場所も見失っているという状況.これは国家vs国家という与えられた対立軸そのものに疑問を抱いてしまったメタルギアの主人公スネークと同じなではないかなと勝手に考えてしまいました.