カエルの危機意識連鎖の観察、田んぼより。
田んぼが田植え時期を迎え、あちこちの水田に水が張られます。水田は新緑の山々を青空や夕焼けとともに映し出すという一年でこの季節しか見られない美しい風景を見せてくれています。
田んぼに水を張られると同時に、カエルは恋の季節を迎えるようです。日没を迎えた田んぼからは、カエルが喉を鳴らす声がそこらじゅうで響き渡ります。
晴れの日は、夕食を終えたらウォーキングに行きます。道の横にある田んぼを通り過ぎるたびにあることに気がつきました。家から100メートル行ったところの三叉路の角にある田んぼに差し掛かりちょうど真ん中あたりまで来た頃、私たちの気配に気づいた(と思われる)道がわ付近のカエルが黙り始めると一番遠くのカエルまでが徐々に黙り始めます。しまいには約一反弱の田んぼの中の多分数百はいるであろうカエル全てが静かに息を潜めてしまった。それって、どこの田んぼもそうなんじゃあないの?と思われるかもしれませんが、わたしのウォーキングのコースは、今あたまに浮かぶだけでも、だいたい20以上の田んぼの横を通ることになります。が、この三叉路の田んぼだけが通るたびにピタッと鳴くのをやめます。数日の考察での結論は、わたしのウォーキングコースの中で唯一この田んぼだけが三叉路にあり道路に面している場所が多いという観点から、仲間同士の危機意識が高まったのではないかというとてもシンプルかつ納得な結論に至りました。(違うかもしれません。)
だからどうした(笑)。と言われてしまったらそれまでではありますが、みぢかな小さな生き物に目を向ければそれなりに楽しいものではあります。
数日その田んぼを通り過ぎるのを楽しみとしたわたしは、その田んぼの真ん中あたりに差し掛かるたびに、カエルのゲロゲロを黙らせようとわざと足を慣らして歩いたり、話し声を大きくしたりするようになりました。そのうち、あちらも何かを学んだらしく、通り過ぎても鳴き止まない一匹が出てきて、その一匹が止まないために一番遠くの方のカエル群はおかまいなしに鳴き止まず、しまいには、わたしという存在に慣れてしまったか鳴き止まなくなってしまった為、残念ながらあえなくこの実験は終わりとなりました。
でもそれは、別の考え方をすればわたしという存在を受け入れてくれたということかもしれません。そう思うと親近感が湧いてきてその田んぼを通るたびに、田んぼに向かって「今日もみんな元気に鳴いておりますね」と心の中で呼びかけてしまう自分がいます。
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モーションギャラリー https://motion-gallery.net/projects/shishi_jp
----- 開催期間 ----- 5/13(THU)〜7/8(THU)