なぜ転売がいけないのか?を考える
まとめ
転売は今日の売買の穴を補う行為であり合法であるが、同時に周りへの迷惑を試みない不道徳な行為に発展してしまった。もしもこの状況が改善されなければ(民間レベルで解決できないなら)法律により規制が行われ、不自由な日常へと近づくだろう。
※何か間違っていましたらコメントで教えてください。特に法律面は弱いので補足してもらえると助かります。感じたことをつらつら書いているのでよろしくお願いします。
前置き
Switchの在庫問い合わせが増えてきたので現状をお伝えします。ぶっちゃけ在庫はあります。でも店頭に並べることができません。転売ヤーが店に押しかけて買い占めるからです。店としてもそうされないように工夫してきましたが万策尽きました。
— やまだえれき (@yamada_electric) July 27, 2020
今日、Twitterの店員のつぶやきが発端で転売が話題になった。転売OK派と転売NG派がリプ・引用リプで言い争う事態となりボーとみていた。自分はゲームをやる事は滅多に無いので利害関係がなく、積極的に輪に加わる事は無かった。これは中立的な立場で考えるいい機会なのではないか?
道徳的な問題?
転売は副業として一般的であり、自分の知識からみれば違法性はない。なので道徳的な分野に入り「他人に迷惑をかけるな」という事になってしまう。まず初めに、この道徳的な問題について、皆が何を話し合っているのかをまとめてみた。
双方の言い分(おおまかに)
- 転売は、販売者と購入者の間に分け入り、人工的に品薄状態を作り出して購入者の手元に商品が行き届かない状態にし、上乗せした価格で売ることで、無用な費用の負担を強いる。
- 転売は、人気が高かったり流通量が少ないせいで、購入者が長時間の列に並んだりイベント会場にいなければ入手ができない商品を、他人がその行為を肩代わりする代わりに上乗せ価格で売る事で、売買の間の穴を埋める商売である。
転売トラブルはコロナ以前からあり、限定品のような需要がひっ迫しそう(買値が上がりそう)なものは買い占められた。しかし、たとえそのような行為がなくともプレミアム価格となる事が多かった。しかし、コロナによってマスクや消毒液など必需品にまで対象が広がり、日常生活に影響が出るレベルまで悪化した。
チケット不正転売禁止法
実際に転売から始まり法律による規制にまで進んだ例が令和元年6月施行のチケット不正転売禁止法である。要約すると、興行主の許可が無ければ、チケット購入者は転売をしてはいけないし、同時に購入もしてはいけない。この法律の目的は、国民の文化的な生活を守るために、不適切な流通を取り締まる事。
それほど複雑な法律でもないし長い文章を読まされるわけでもないので、リンク先の法律の概要だけでも読んでみるといいかもしれない。何か間違いがあればコメントにて補足・修正をお願いします。
このままではどうなるか
今は民間レベルで言い争いをしている段階だが、これが日常生活にまで影響を及ぼすと判断されるまでになると、人々の手を離れて法律が顔をのぞかせる。これの何が問題なのか?
例として、令和二年五月に改正された資金決済法を覚えているだろうか?これにより、暗号資産(仮想通貨)のやり取りの仲介は交換業の届け出が必要になった。この届出が受け入れられるまでには数億円かかるようで、個人レベルの草の根活動の多くが息を引き取った。
私は某tipbotを運営していたものの施行を契機に活動を止めた。億円どころか元からリスクが大きくペイできる代物でなかったからだ。ここで法律にNOを突き付けられて活動を続ける人は多くない。特に一発殴られたことがあるのでたとえ少額であって見逃されるとしても「違法..かも」で十分気が変わる。
話を戻すと、法律は融通が利かないのでどのような副作用があるかわからない。例えばだが、不用品を売るのによくメルカリを利用するが免許制になり役所へ出向く必要が出てくるかもしれない。または、個人間の売買(CtoC)が禁止され中古ショップとの売買(BtoC)に限定されるかもしれない。まだこの段階に入っていないので具体的な話は出てこない。
なにがマズイのか
まず、国のやる事は小回りが利かない。融通の利かなさは日常生活を送っていると直面する困りごとだろう。上記の2つの例では、ICOにはまっちゃうタイプの消費者を守るために包括的に交換業を取り締まる、また、高額転売を取り締まるために個人のSellerもまとめて規制する。これは法律の穴を極力ふさごうとする事により起こると考えている。
こういう小回りの利かなさは国もよくわかっているので、グレーゾーンを設けることで曖昧にし現場の判断に任せる、という手法で回避する。最近の例としてはマリオカートが有名かもしれない(いい機会だと思うが。この記事のように問題が解決できないと規制が顔を出してくる。
次に、法律を作る層と規制される層が異なる。お上が良かれと思って閉めた障子が茶引き坊主の進路を妨害するようなもの(?。チケット転売に関しては、興行主の団体が懇意の政治家に働きかけたのだろうから意図通りかもしれない。では今回の転売はどうなるだろうか?
Switchに限らず一般的な商品を対象にするとしたら誰が主体となって法律制定に働きかけるのか?転売屋の主な販路はメルカリやヤフオクなどの仲介業者らしいので、これらの業界団体なのではないかと考えている。そうなると2つの層は一致せず、さらに規制される層は社会的には弱い方なので割を食うと思われる。副作用としてなにが強いられるかわからない。迷惑をかけず自由な売買で上手くやっている人は割を食うだろう。
なぜ悪化したのか
昔からトラブルはあるものの、競争の激化が原因なのは間違いない。転売が副業の手段として一般化した事により、より多くの転売屋が出現したことで、パイの奪い合いが起き、より手広くやる必要が出てきた。もとからパイは少ないので、中にはグループを組んで人工的に転売対象とする必要が出てきた。このレベルから摩擦が表面化したと考えられる。
では、どうやって止めるのか?というのは別の話になる。恐らく止められないので糖尿病の透析のように悪化を遅らせるという考えになると思う。
ここで尾張
※有料記事にてなぜSwitchは値上げしないのか?されないのか?を法的な面で推測しています。300Pは3円相当であり新規登録すると1000Pがもらえますので実質タダで購入できます(3円とはいえLN上のBTCなので用意するのが大変ですが。