Re: 上場以外にどんな普及戦略があるの
モナコインの海外への売り込み方は、自動車や白物家電を参考にするよりも、コンテンツの売り込みを参考にしたほうが良いと思うのですよね…。
「ソフトウェアに国境はない」という建前を叫んでも「日本のコインだよね」という色がつくのはある程度仕方がないので、いったん飲み込むとして。
昨今の "クールジャパン" が冷笑含みの扱いにされている通り、日本のコンテンツって、頑張って売ろうとすると上手く行かないのではという気がするわけです。
この点、最近の、いわゆる K-Pop は、とても上手くやっているようで、敬意を持って分析せにゃいかんよねとか思ったりもするのですが。でもまあ学び取るには時間がかかるでしょう。
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日本のコンテンツの歴史を遡ると。
19世紀後半の「北斎漫画」がパリを中心に起こったジャポニスムの契機となったのは広く知られているでしょう。
もう少し雑学に興味があれば、器の緩衝材として雑に持ち込まれた、みたいな話も聞いたことがあるかもしれません。
https://www.gov-online.go.jp/eng/publicity/book/hlj/html/201807/201807_03_jp.html
緩衝材として使うくらいですから、その程度の価値という認識でしょう。それがヨーロッパの画家たちを魅了し、その絵画を世界が認め、日本で凱旋してくるに至ったわけです。どう転ぶかなんてのは、分からんものですね。
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日本の代表的なコンテンツであるアニメは、最初から高い評価を得たわけでもなく。たしかに国外に売り込みに行ったり、海外からの買付けがあったりした結果として浸透していった経緯があります。
しかし、日本のアニメに対する評価の転換点となった「AKIRA」は、当初、ハリウッドからは見向きもされなかったという逸話が残っています。
そこを逆手に取り、小さな配給会社が、全米に散らばっている芸術系専門映画館を巡回し、センスの高い評論家や観客層からの支持を得ることに成功したとされています。
この「AKIRA」の成功があって、同様にサイバー感の強い「攻殻機動隊」の米国大ヒットに繋がっていくわけですが、その辺りは省略。
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あと、惜しくも航空事故で亡くなった坂本九氏が歌う「上を向いて歩こう」。これも米国での英語カバー曲がそこそこ流行ったあたりで、DJ が偶然入手した日本語版をラジオで流したところ、日本語版が爆発的ヒット。
同じ音楽ネタで、初音ミクも、最初から世界戦略をガチでやろうとしていた感じでも無さそうなのですよね…。知っている人は知っていたけれども、 Chrome の CM で一気に知名度が上がった、みたいな。
(いやあ何度見てもエモさmaxの名作だわ、このCM)
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もう少し例は出せそうですが、長くなっても読みづらいので、まとめると。
日本発コンテンツの成功例は、物量で圧すタイプではない傾向があります。あらゆる面で資源の限られた国ですから。たとえば「Netflix に勝てんの? 束になってもいいよ」みたいな話です。
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翻って、モナコイン。
もちろん上場連発で広めるという手もあるでしょう。全く否定しません。
しかし、現在でも幾つかの海外取引所に上場していますが、流動性が事実上ないところが殆どです。それどころか国内取引所でも Bitbank の一人勝ちで、他の交換所は閑散としているのが実際のところでしょう。
上場を否定はしないのですが、スジが良くないのではないかなとは思います。
そもそも現状需要がないわけで。77% のモナコインが Bitbank のコールドウォレットに眠っているという話もあります。
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仮想通貨で上場以外にどんな普及戦略があるのか。という問いの答えは。
「モナカードの世界観を拡張して伝搬していく」
です。
だって、物量が無いのですから。
遠巻きにでも、面白いと思ってくれる(くれそうな)ユーザ層の厚みが唯一の救い。そこに向き合わずに何処を向くのかという。
「運営のあるコイン」を愚直に真似をしても勝ち目はないでしょう。カミカゼは吹かないことは、75年くらい前に思い知った国でもあります、日本という国は。
繰り返しますが「そうは思わない。上場こそ大いなる可能性」というのであれば、それはそれで正しいのでしょう。正解が複数あるのは別に悪いことではありません、というか、複数の正解の存在が、モナコインというチェーンにとってのリスクヘッジかもしれません。
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もなこいんちゃん、かわいい!