WEB小説『暗鬱少女態』のレビュー(ほんのりモナコインが登場!)
モナコインが登場するWEB小説『暗鬱少女態』の紹介である。
世界最終戦争は終わり、日本は敗れた。
満洲はまだそこにあった。
夢は黒龍江の一滴となり少女態を産んだ。
滅びいく国、終わりいく世界、呪われた大地。
それぞれに生きる少女たちの物語。
公式Twitterアカウントのヘッダーより
日本は戦争に破れ、中国大陸は混乱の中にあった。
作品の世界観を楽しむタイプの私には、いろいろな背景設定を想像するのが楽しい。
満州を舞台とするこの世界では、「東亜細亜統一戦線・赤風」、「満洲共産主義者同盟」なる武装組織、「白蓮教」と呼ばれる宗教の信者たち、馬賊や組織や軍から離脱した者たちが各地で跋扈し、「五族協和連盟(協連)」と呼ばれる自治政府はかろうじて政府としての体裁を保っているという状況である。
さらには、ロシアの南下が危惧され、朝鮮半島は南と北で内戦が続くカオスのなかにある。
「鋼・娘娘・牡丹 奇妙なスープと令嬢の愛した骨の肉」では、主人公が英雄となり、アジアに平和をもたらすような話ではなく、全体的には、救いのない話である。 例えば、道中で会話した老婆が実はスリで、お金を盗まれたので取り返した上で撃ち殺したり、山賊となった「自由朝鮮軍」の脱走兵らを騙して妻子共々、奴隷商人へ売り払ってしまうのである。 傭兵たちが依頼をこなしたのちに、依頼者を脅そうと、交渉に行った結末などは、これが現実だとカオスでダークな世界観の余韻をたっぷりと読者に味あわせてくれる(ものの、悪くない)。
また、「花びら・越ヶ矢ウサギ 忘れえぬ小籠包の肉汁に思いを馳せて」では、(殺されたと考えられる)義理の息子の回収の依頼を受けているが、命懸けで向かった先では、さらに依頼を請け負うこととなり、いつ殺されてもおかしくない緊張感の中ストーリは進む。
タイトルにも書いたが、本作のおまけ的な特徴として、萌奈币(モナコイン)が現地の通貨として表現されていることである。
しかし、 モナコインを知らなければこの小説を読めないというものではなく、設定として登場するに過ぎない。
モナコインが裏で流通する通貨なのか、協連公式の通貨なのかは不明だが、相場としては以下の通りである。
- ラーメン工場への武力行使を含んだ「調査」の依頼:150モナ
- 奴隷商へ人間の売却:100モナ/人
- 厄介な組織との交渉を含む遺体の回収:300モナ(大金と驚く)
- 野盗が請求する貧困層への汽車の通行料:3モナ
- 情報屋件、危険な目的地までの運び屋(往復):10モナ
- 満協同の基地へ潜入して、国家転覆可能なウイルスの奪取:100モナ
「…(略)…でもやるしかないんだよ」
「なんで?」
「萌奈币(モナコイン)を稼ぐために決まってんだろ」
「お金のために死んじゃうなんてばかばかしいよ!」
「萌奈はただの金じゃねぇよ」
人の命が安い世界なので、上記の相場は高いのか、安いのか読者によって想像が広がる部分であろう。
もちろんモナーも登場するが、作中では名前不明ということで「三吉」と呼ばれている。
ぜひパンクな世界観と、読後の不思議な余韻(でも、そんなに悪くない)に包まれてほしい。
鋼・娘娘・牡丹 奇妙なスープと令嬢の愛した骨の肉
花びら・越ヶ矢ウサギ 忘れえぬ小籠包の肉汁に思いを馳せて
モナカードも配布されており、ぜひmpurseをブラウザに入れてこちらを開いてほしい。バニラテキスト的なやつが充実していて、 小説と合わせて読みたい。
Mpurseとは
Monacoin、Monapartyトークンに対応しつつ、DAppsへのアクセスが容易となったウォレットである。
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