メッシの年収とFCバルセロナとサイゼリア
サッカー界の言わずと知れた天才、リオネル・メッシ。
17歳でトップデビュー以来、メッシのサッカーキャリアはFCバルセロナとともに歩んできました。
そんなメッシの年収が先日リークされ、まさかの176億円だと判明しました。
サラリーマンと同様に年間休日数が120日で、1日辺りの労働時間が7時間だとすると時給約1,000万円。
2020年に発表された日本人の平均年収が436万円(国税庁)。
一時間働けば、日本人サラリーマン2人分の年収を稼ぎ出します。
これぞスーパースター。
逆に考えるとメッシ一人の年収で約4,000人のサラリーマンを雇用することができます。
そもそもこんなに人件費を払ってるFCバルセロナって経営状況大丈夫なの?ってことで、FCバルセロナの財務諸表を調べて見ました。
FCバルセロナの財務諸表
財務諸表はホームページにしっかり開示されていました。しかも世界4大監査法人の一つ、EYにばっちし監査されてました。
こう見るとFCバルセロナもいち企業ですね。
それでは早速財務諸表を見てみましょう。*為替レートは120円/ユーロで換算。
売上高は約1,000億円。
売上規模が近い日本の企業だとサイゼリアでしたので、サイゼリアの財務数値を参考に乗せています。途端にFCバルセロナが親しみやすくなりますね。
ちなみに売上高のうち、
スタジアム収入:約20%、テレビ放映権:約30%、ライセンス・商品売上:35%、移籍金収益:15%。
ちなみにFCバルセロナは楽天とスポンサー契約を結んでおります。具体的な契約金額は明かされていませんが、契約を結んだ後の年からライセンス・商品売上が年間60億円増加しているため、おそらく60億円程だと推察されます。
人件費は約800億円。
このうちメッシの年収は176億円なので、全体の人件費の約20%がメッシの給料となります。ただ全体のバランスで見るとFCバルセロナの人件費はそこまで違和感を感じません。というのもFCバルセロナはサッカークラブであり、人材こそが会社の収益を稼ぐ柱だからです。
サイゼイリアと比較してみましょう。
サイゼリアは外食産業であるであるため、食材と人件費が主な収益を稼ぐ柱です。上記サイゼリアのその他費用には食材費用が473億円含まれています。そのため、食材費用473億円と人件費418億円を合計するとサイゼリアの収益源となる費用は891億円であり、売上高の70%を占めます。
一方、FCバルセロナの収益源である人件費は764億円であり、売上高の74%となります。そのため、一見するとメッシの年収がべらぼうに高いことから、経営状況が危なく感じますが、収益の源泉からコスト構造を考えると意外にもサイゼイリアと大して変わらないのです。
メッシの年収は妥当なのか
もしメッシがいることによって、以下のいずれかの効果があれば年収と同じ売上が稼げます。
・スタジアム売上:来客数一試合辺り3万人以上増加(ホームスタジアムの収容人数は10万人)
・放映権売上:8万人以上がDAZNなどの有料動画サイトに登録
・商品売上:200万人がメッシのユニフォームを購入
いずれも十分達成可能な水準です。
そのため、メッシに176億円の年収を払うことが意外と理にかなっているのではないでしょうか。
以上、メッシの年収とFCバルセロナとサイゼリアでした。