2022年のライトニング大胆予想

2022年のライトニング大胆予想

一応まだぎり年始ということで、今年2022年のライトニングに関する予想や個人的に注目しているポイントについてまとめておきます。

タイトルにある通り、普通にありそうなことを予想してもあまり面白くないので、ちょっと大胆に、可能性は高くはないかもしれないけど案外ありえるのでは?という少し攻め気味の予想で行きます。

なお、一応この予想の前提になっている去年のライトニング関連のトレンドや重要ポイントをまとめた内容のニュースレターはDiamond Handsのスポンサー向けのニュースレターで配信しています。今年もDiamond Handsの企業スポンサーは引き続き募集中ですので、興味のある企業は是非こちらのサイトからご連絡ください。

世界のトップ10現物取引所の過半数が、年末までにライトニング入出金に対応する

まずは1つ目。今年は取引所でライトニングの採用が進む年になるでしょう、という予想は簡単ですし、間違いではないでしょうが、もう少し踏み込んでみます。現物の取引高世界トップ10の取引所の過半数が今年はライトニングに対応すると予想します。

トップ10のうち半分以上、というと何となくインパクトが大きいですが、実際すでにOKEXとBitfinexはライトニングに対応済みです。また今年こそKrakenがライトニングに対応する可能性は高いので、最低でも上位のうち3社が対応するのは堅いです。そしてその他の取引所が少しづつ対応していくことで、スピードの早い中国系のKucoin、Huobiあたりが対応してくれば案外すんなり行くと思います。

トップ10の内半分が対応してくれば、その他の中小の取引所も流動性共有を含めライトニングに対応する理由が大きくなり、自然と対応取引所はさらに増えていくと思います。一方、Binance、Coinbase、FTXなどのいわゆる最大手はおそらく今年対応はまだしないでしょう。

アメリカのスターバックスでライトニング決済が始まる

アメリカのスタバは実はBakktを通してすでにビットコイン決済には対応しているのですが(どれくらい使われているのかは不明)、今年は何かしらの形でライトニングの決済にも対応すると予想します。

ライトニングの場合は、例えばFoldのビットコインキャッシュバックや、ゲームなど色々なサービス上で手に入れたSatoshiを高速、安価に動かせるのが強みなので、例えばゲームで稼いだSatsでそのままスタバでライトニングで決済、という一通りの流れが回り始めます。これはビットコイナーとしてはちょっと新しいビットコインの使われ方というか、かっこいい、と感じますね。

日本の著名観光スポットでライトニング決済が導入される

スタバのライトニング決済対応予想もそうですが、今年はアメリカがライトニングのサービス開発や、決済対応でかなり攻めてくるのではないかと思います。それを見て日本でもプロモーションも兼ねてそろそろライトニング決済対応したい、という需要が今年中に始まると思っています。早ければ今年の後半にコロナでの入国規制などが緩和され、外国人観光客が入国できるようになって来たとしたら、インバウンド客向けの店舗や観光スポットなどで日本でもライトニング決済を採用するところが出てくると予想します。日本に関しては少し楽観すぎる予想かもしれないですが、希望も込めて。

ライトニングルーティングで月の売上1BTCを超えるノードが出てくる。

ルーティング売上1BTCという数字自体には特別な意味はないですが、何となくライトニングノードの運用だけで月1BTCも稼げるの!?という感じで、ちょっとした話題になると予想します。

ちなみにおそらくライトニング界隈でも収益性が最も高いノードの一つであるAlex BosworthさんのYallsのノードの収益(Routing Revenue)は、2021年は約1BTCなので、月1BTCの収益を生み出すには、ルーティング金額は最低でも今の10倍以上になる必要があります。逆に言うと、取引所や店舗、関連サービスでのトランザクション需要が増えて、今年中に全体のネットワークルーティング量は10倍以上になるのではないか、と自分は予想していることになります。

去年1年はライトニングにとっては後半特に大きく進展した年でしたが、それでもYallsの統計ではルーティング量は前年比の約3倍。1年で10倍はちょっと強気すぎる気もしますが、ルーティングのインフラがようやく整い、少しづつサービスの数や質も改善し、普及も進むと案外ありえる範囲ではないかと思います。

Diamond Handsのルーティング収益も月1BTCくらいガッツリ稼ぎたいですが、それはまだもうちょい先になりそうです(笑)

NBAのLeagu Passがライトニングで買えるようになる

自分も個人的にファンのアメリカのバスケリーグNBAが、ライトニングでのLeage Pass(有料サブスクリプション)課金に対応すると予想します。NBAは元々NFTとかにも積極的で、決済の方も今年はアップグレートしていくと見ています。


ちなみに個人的にはただのバスケのファンなので、NBAがライトニングに対応するかどうかは正直に言うとどっちでもいいというか、あまりこの2つが融合してほしくない気持ちもあります。例えばレイカーズの名物アリーナ名がCrypto.comになるとかまじでかわいそうだと思っています‥

エルサルバドルでのライトニング決済は進まない


若干ポジティブな予想ばかりだったので、少しネガティブな方面の予想もしておこうと思います。

エルサルバドルで去年ビットコインの法定通貨化や、現地のスターバックスやマクドナルドでライトニング決済が始まったのは大きなインパクトがありました。

How Easy Is Spending Bitcoin in El Salvador? We Went to Find Out - Decrypt

IMAGE: MATHEW DI SALVO/DECRYPT

また、政府公認のChivoウォレットを使えばライトニング支払いも可能になるということで、ビットコイナーから期待されていましたが、おそらく今年エルサルバドルでの現地のライトニング決済は期待した程は進まないでしょう。それに応じて、「ビットコイン決済は失敗した」というメディアでの言説も出てくるでしょう。

要因としてはやはりビットコインやライトニング学習コストの高さ、現地の人たちはわざわざライトニング決済を無理して使う理由がないこと(ドルへの変換手数料が無料らしいので、一旦ドルにして決済した方が大部分の人は楽)などがあげられます。

ちなみに現地の人が使わないから無意味というわけではなく、上記でも書いた通り海外からの旅行客の間では利用がじわじわ増えると思っています。ただし、日常的に現地の人がライトニングで決済する、というような期待は実現しない、というのが冷静な予想です。

Twitterのライトニング統合はしょぼい感じで終わる


もう一つのネガティブ予想です。

去年Twitterがライトニングに対応!というのは一部の界隈でちょっと盛り上がりましたが、蓋をあけてみるとまだ投げ銭ができるだけ+Strikeの利用が必須だったり、正直に言えばまだ微妙なレベルで、特に大きな効果があったとも思いません。

そのタイミングでJackもTwitterを離れて旧Square社改、Block社でビットコイン関連事業にコミット、ということで、Twitterのライトニング統合プロジェクトは相当遅れる、場合によっては全く進まないんじゃないかと予想します。おそらくTwitterは新マネジメントのもとどちらかといえばNFTとかの方に注力していくんじゃないでしょうか。

去年Twitterがライトニング対応!というので日本でもちょっとニュースになったり、全体的にTwitterとライトニングの少額決済やストリーミング決済は相性がいいと思っていたのですが、残念ながらTwitterのライトニング統合からの普及促進シナリオは見れないのではないかと予想します。

Tidalがライトニングに対応して、すごい金額がビットコインで集まる

Twitterのライトニング対応はしょぼい形で終わると予想しましたが、同時にJackは今年はBlock社の方でライトニングに関して攻めてくるでしょう。

具体的にありえる一つの形として、Block社が保有する音楽ストリーミングサービスTidalでのライトニング対応と、それによって一部のアーティストがライトニングでの寄付ですごい金額をビットコイナーから稼ぐ、という展開を予想します。

実はポッドキャストとかコンテンツストリーミングとライトニングの統合は去年から地味に進んでおり、案外この領域は相性がいいみたいですね。あとは、例えばSpotifyみたいな音楽プラットフォームで広告を聞くたびに、同時にその一部をライトニングで一部ユーザーに還元する、みたいなスキームも今後出てきそうです(今年にはまだそこまで行かないでしょうが)

というわけでライトニングに関する2022年の予想記事でした。

個人的には今年はDiamond Handsを通して、ライトニングルーティングノードとして上位ノードに食い込んでいきつつ、日本でのライトニング関連の普及や開発を静かに後方支援していく形を目指しています。今年から仮想通貨、ブロックチェーン全般を追ったり、発信したりするのは今までよりさらにウェイトを減らしてますが、ライトニングの割とピンポイントな重要な部分だけは残しつつ、ライトニングの領域で日本の市場全体が世界でも悪くないポジションをキープできるようにささやかに貢献しようと思います。

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