renBTCを担保にできるアプリが登場
CreamというレンディングプロトコルでrenBTCの担保採用されました。
https://medium.com/cream-finance/renbtc-token-renbtc-listed-67e664bb226
このことの意義
renBTCが初めて担保として認定されたことです。これまでイーサリアム上で(主に*)担保利用されていたのはWBTCだけでした。
*imBTCなども一応は可能
renBTCはBTCを持っている人ならパーミッションレスに誰でも発行が可能ですが、WBTCの発行にはKYCが必要です。ですので、これまではKYCを好まない人がBTCを担保利用するには、BTC->renBTC->WBTCという経路を選ぶ必要がありました。
その経路ではrenBTCからWBTCへの交換が必要であり、取引手数料がかかるほか、WBTC需要が切迫するとプレミアムがついてしまうという問題があります(ました)。また、単純にWBTCの仕組みが好きでない人もいるでしょう。
こうした問題から解放され、renBTCを直接運用できるようになったのです。
Creamについて
CreamとはCompoundのコードをベースにしたレンディングマーケットで、2週間ほど前(2020年8月上旬)からイーサリアムメインネット上で稼働しています。
実績のあるCompoundをベースにしているとはいえ、あくまでベータ版という位置づけです。また、多くのボラタイルなトークンを選定していることから、大変実験色の強いリスキーなマーケットといえます。もしご利用される場合は、失っても良い額で、細心の注意を払ってください。記録のためにこの記事を書いていますが、正直まだ使わないほうが良いと思います。
必要担保率
CreamでのrenBTCのCollateral factor(担保係数)は40%です。その逆数のCollateralization ratio(必要担保率)は250%ですので、借りる額に対して2.5倍以上の価値のrenBTCを常に担保しておく必要があります。
参考に他のプラットフォームのWBTCの必要担保率は以下の通りです。
- Maker: 150%
- Compound: 250%
- Aave: 154%
まとめ
renBTCがCreamで担保利用できるようになったことの速報的な紹介でした。実験色の強いCreamが先陣を切ったことで、今後その様子をみて主要なレンディングマーケットでもrenBTCの担保利用が始まるかもしれません。
Creamのマルチシグウォレットの署名者にはCompoundのファウンダーも入っているので、新しい銘柄をCompoundで採用するまえの実験場としてCreamが発展していきそうな気がしています。
著者 kyoronut https://twitter.com/kyoronut