分散型マーケットプレイスは何を変えるのか

分散型マーケットプレイスは何を変えるのか

はじめに

マーケットプレイスと言うと業者専門の市場やイオンモールの様な大型ショッピングセンターがあり、EコマースではAmazon、楽天、シェアリングエコノミーのメルカリ、Airbnb、Uber、などを入れると日本国内だけでも20兆円を超える大きなマーケットです。

この様な大きなマーケットでは多くの競争があります。しかし例に挙げている企業は競争している様で競争せずにニッチな市場から独占してきた企業になります。
Amazonは本のオンラインショップから始めて今やAWSというSaaS企業の代表です。シェアリングエコノミーの分野もニッチな市場で潜在的にスケールする市場を探しビジネスにしています。
多くのユーザーが便利になっているのは事実で私もその恩恵を受けています。

コロナも含めた時代の変化

しかし、少しずつ時代は変わりつつあります。
上記の企業が市場を独占してしまうという事はユーザーのサービス利用出来る資産や個人情報も独占的に持てる事になります。現にFacebook(FB)がLibraをユーザーへ提供しようとした際に国から猛反発を受けました。理由としてFBに登録されているアカウントが米国民よりも多く、Libraの保有ユーザー数が全中国人並になります。また送受信のデータから与信に使用できる個人情報など様々な個人に紐つく情報が独占出来ます。
これは集権的マーケットプレイスのプレイヤーにも同じ事が言えるでしょう。そして独占されるという事は情報は集中的に企業に管理される様になります。情報を盗み取るクラッカーの良い餌食になることは想像できます。

日本でも2019年上場企業の個人情報流出の件数は903万1,734人分というデータがあります。実は知らないだけで、ニュースになっていないだけで結構な人数の情報が漏洩しています。
記事内にもある大阪ガスの子会社やトヨタの傘下企業(販売会社)といった誰もが知っている企業の名前ですし、2014年にはベネッセが2900万件もの個人情報流出を起こしています。
SNSや個人単位で他人を写真に移さないように気をつけていても使用しているサービスへ登録したパスワード、誕生日、住所、名前、などの情報が盗まれます。盗んだデータはブラックマーケットで売買されるとも聞いていますが実際は知りません。ベネッセの件では実際に名簿屋に売られていたそうです。
このような個人情報のデータは一気に大量に手に入れなければお金にはなりませんので情報を集中させるのではなく分散させる事が重要になります。

集権型と分散型のマーケットとは

これまでのマーケットの特徴
・運営側の一方的なルール変更(手数料値上げなど)
・マーケット価値はネットワーク参加者(ユーザー)以上にオペレーター(運営)に集中している
・政治、宗教的思想に基づく一部ユーザーの排除
・個人情報は運営が管理
・ユーザーのポイント資産は運営が管理し、サービス終了で消える

◉運営側の一方的なルール変更(手数料値上げなど)
集権的なマーケットプレイスは健全にサービスを運用する為(利益を増やす為)にサービス提供側に出来るだけ有利なルールに変更します。

◉マーケット価値はネットワーク参加者(ユーザー)以上にオペレーター(運営)に集中している
マーケットが提供する価値は初期ユーザーでも後発ユーザーでもなく、運営側へ手数料という形で集中し、莫大な利益を得ます。

◉個人情報は運営が管理
個人情報のハッキングリスクは常にあり、ユーザーはマーケットが増えれば増えるほど同じ様な情報を複数のサービスで提供します。また社内の社員や委託先の社員が情報を盗む可能性もあり(ベネッセはこれです)、これも運営側が情報を管理するリスクになります。

◉ユーザーのポイント資産は運営が管理し、サービス終了で消える
ユーザーがマーケットプレイスで使用できるポイントは運営側で管理し、マーケットプレイスを跨いで使用できるサービスは限定的です。Amazonポイントを使って楽天で買い物はできません。

では分散型マーケットプレイスはどこが違うのでしょうか

分散型マーケットプレイスの特徴
・ルール変更にはネットワーク参加者の同意(投票など)も含み決定する
・トークンによって初期のネットワーク参加者(ユーザー)にも価値を提供する
・ユーザーの個人情報はユーザー個人が管理できる仕組み(情報の分散性)
・ユーザーの資金を運営が管理せず、ユーザーが管理できる仕組み(資産の永続性)

◉ルール変更にはネットワーク参加者の同意(投票など)も含み決定する
完全な分散型マーケットプレイスはネットワーク参加者であるユーザーがマーケットプレイスのトークンで決済だけでなく、ルール変更などに積極的に参加しマーケットプレイスをコミュニティと運営で一緒に作っていく事ができます。その為には様々な情報が透明でなければいけません。

◉トークンによって初期のネットワーク参加者(ユーザー)にも価値を提供する
トークンはマーケットプレイスに貢献するユーザーに配布されたり、売買で利益を得る事などで取得します。これらに価格がつく事で資産的価値を生み出すことも可能です。

◉ユーザーの個人情報はユーザー個人が管理できる仕組み(情報の分散性)
ブロックチェーンやIPFSの技術を応用して個人情報を運営が管理せずに個人で分散的に管理する事が可能です。これは運営が仕事を放棄する事ではなくハッキングリスクを分散する事ができ、情報を活用する場合にユーザーの許可があれば活用する事ができます。

◉ユーザーの資金を運営が管理せず、ユーザーが管理できる仕組み(資産の永続性)
ユーザーの資産はマーケットプレイスのサービスが終了しても他のサービスで使用する事ができます。例えば仮想通貨取引所で法定通貨へ換金したり、他のトークンへ交換して別のサービスに利用したする事です。

これまでの集権的なサービスから少しずつ分散的なサービスへ移行するユーザーが増えてもおかしくない状況になりつつあります。
それは個人にエンパワーできるyoutubeやSNS、スマホがあればなんでも出来る世の中になっています。そのスマホのコンピューターこそ分散化させるポイントであり、個々が分散型マーケットプレイスを使う意味はそこにあります。
せっかく情報をスマホに分散させているのにサービスを受けるために情報や資産を集中させる無駄がここにあります。

 

終わりに

分散型マーケットプレイスは企業が持ちすぎた責任と権利を個人へ分散させて外敵から個人を守る為に必要であり、集中していた富を個人への分散させます。

みんなが少し豊かな生活を送る事が出来る世界観が分散型マーケットだと思っています。そんな世界が資本主義と併存していても良いと思うのです。

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