開発より保守
「そのコイン開発されているのですか?」
意識が高い割に技術に疎い系のインターネッツで、結構頻繁に目にしますが。
たぶんその質問、あまり役に立たないです。
ビットコインやイーサリアムの開発が止まらないのは、解決すべき課題が残っているからです。新しいチェーンが次々生まれているのも、根は同じ理由です。ビットコインやイーサリアムを超えられる可能性がある、またはそう出資者を説得できるからです。
言い換えると、そのコインの用途に十分な機能が実現されてしまえば、追加の開発をするインセンティブはどこにもありません。むしろ新たなバグを生むリスクのほうが高い。コインでのバグは、盗難という分かりやすい損害をもたらし得ます。
極論、開発なんて、やろうと思えばいくらでもできるものです。穴ほって埋めるような、見せかけの開発なら、誰でもいくらでもできます。
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ブロックチェーンは、動き続けて初めて、価値記録の保管庫として意味を持ちます。
価値はチェーンにあります。
ソースコードがなければ、チェーンに価値を記録したり復元したりが困難なので、その部分に関して価値は認められるわけですが。所詮、副次的なものです。
ノード群が保守されているか、監視網があるか。これらが大事。
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開発勢でもなければ気づかなかったかもしれませんが。2年ほど前でしたか、善意の人たちの軽率な行動によって、モナコインのネットワークが機能不全に陥りかけたことがあります。
脳天気な報道では、お手柄のように書かれていますが。この検知のために、細工を施されたノードがモナコインのP2Pネットワークへ大量に解き放たれ、結果、正常なノードの通信に支障をきたし始めていました。善意はわかりますが、これモナコイン側から見ると、れっきとした攻撃ですよ、こんなの。
幸いなことに、異常に気づいた脇P氏が、モナコインの主要なノード管理者と連絡をとり対策を立てた結果、なんとか持ちこたえたのですが。
彼が居なかったら「モナコインは盗難される上にネットワークも弱い」という悪評が立ち、コインとして再起不能になっていたかもしれません。
(現在は、主要ノードのいくつかで対策が施されています。より広範な "ネットワーク攻撃" があった場合でも対策できるようスタンバイされています)
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おわかりいただけたでしょうか。開発よりも、保守。
コードの保守にも増してネットワークの保守。P2P ネットワークが正常に動作しているから、我々はモナコインを投げて遊べるのです。