デルタ・ニュートラルとは?
本記事では最小コストでBTCJPYのポジションをデルタ・ニュートラルにする方法を解説します。
そもそもデルタとは?
デルタとはBTCの微小変化(例えば1%)に対してPnLがどれぐらい変化するかを表す指標です。
例:bitmaniaで1契約ロングした場合のデルタは10000*0.01=100JPYです。すなわちBTC価格が1%動くとPnLが100円分変化します。
デルタ・ニュートラルとはBTC価格が変化してもPnLに影響を与えないポジションを指します。
もちろん現物のビットコインを一切持っていないユーザーのデルタはゼロです。
この記事を読んでる人達の多くは現物のビットコインを持っていると思われ、本記事でデルタ・ニュートラルに持っていく最も効率的な方法を解説します。
デルタ・ニュートラルにする方法
結論から言えば、BTCJPY価格 * 保有しているビットコインの枚数/10,000 分をbitmaniaでショートすればデルタ・ニュートラルとなります。
例:2BTCを保有していて、そのときのBTCJPY価格が950,000円だと仮定しましょう。このとき、950,000 * 2 / 10,000 =190となり、bitmaniaで190枚の契約をショートすればデルタ・ニュートラルとなります。
このとき実際にBTCJPY価格が変動した際にPnLがどうなるか見てみましょう。
BTCJPYが950,000円から1,100,000円に上昇したとします。
このときbitmaniaでのPnLは
(1/1,100,000-1/950,000) * 190 * 1000 = -0.272727 btc(約-300,000円)となります。
現物の2BTCのPnLは(1,100,000-950,000) * 2 =300,000円となります。
ポジション全体のPnLは0となりデルタ・ニュートラルであることが確認できます。
なぜbitmaniaでデルタ・ニュートラルにするべきか
取引所の収益はおおむね2通りあります。
1.売買手数料
2.ポジション管理手数料
2のポジション管理手数料をとる取引所はデルタ・ニュートラルのポジションを持つのに適しておりません。
例えばポジション管理手数料が0.04%/dayの取引所で、2BTC分のポジションを1か月間デルタ・ニュートラルの状態にした場合、支払う手数料は、
950,000 * 2 * 0.04% * 30=22,800円です。(計算簡略化のためBTCJPY=950,000で固定しました。)
デルタ・ニュートラルの状態を保つ期間が長ければ長いほどコストが嵩みます。
それに対してbitmaniaでこのポジションを持つ場合、保有期間に関わらず手数料は最大 950,000 * 2 * 0.075%=1,425円である。
(メイカー側でポジションを保有した場合は950,000 * 2 * -0.025%= -475円で手数料がもらえます。)
なお、他取引所のBTCUSD FX(例:BitmexのBTCUSD Perpetual Swap)でデルタ・ニュートラルにする場合ビットコインの価格変動は受けないが、USDJPYのレートに影響を受けてしまいます。
円ベースでのPnLを気にするユーザーはBTCJPY FXのデリバティブでヘッジする必要があります。
最後に
ビットコインのPerpetual Swapを提供している会社の資金調達レートは平均的にロングポジションがショートポジション側に資金調達手数料を支払うようになっています。これはレバレッジをかけてビットコインをロングしたいユーザーがショートしたいユーザーを恒常的に上回っているからです。
ビットコインは0になる可能性があるけどアップサイドが無限のためこのような市場構造になっています。
bitmaniaの平均資金調達率も今後は似たような水準に落ち着くと思われ、デルタ・ニュートラルポジションのユーザーはデルタリスクゼロでリターンを得られるようになるかもしれません。