Taprootアクティベーション 続報1
以前の記事では、Taprootのアクティベイト方法について2種類が提案されていることを紹介しました。1つはBIP8(LoT=True)を使い、1年以内にマイナーの90%が支持しない場合でも、ソフトフォークを行う方法です。この場合はSegwit時みたくユーザー圧力によるUASF(User Activated Soft-Fork)型で、それでもマイナーが支持しない場合はチェーンが分裂します。2つめのBIP9を使うSpeedy Trialという呼ばれる方法は、3ヶ月という短期間にマイナーの90%が支持を得られればアクティベーションするものです。Speedy Trialでマイナーの支持が得られなければ、別のアクティベーション方法へ移行します。
この2種類のアクティベーション方法のどちらを採るかの投票がTwitterで行われていました。以下がその結果です。
BIP9が若干勝った結果でした。BIP9は3ヶ月という短期間でマイナーの意向が確認できるのが魅力でそれを支持するユーザーが結構いる感じです。ただ、BIP9が失敗した場合でも、「BIP8のLoT=Trueへ移行する予定のユーザーはBIP8を選択しろ」となっています。この一文がBIP8へ傾いたバイアスだと指摘する声がありました。
ちなみにBIP9のアクティベーション開始時期は、Bitcoin Coreのコードベースを見ると2021年4月24日になっています。Bitcoin Coreの次リリースのv0.21.1はまだリリースされていませんが、そのリリース候補版のv0.21.1rc1を走らせることで、Speedy Trialのシグナルをビットコインネットワークへ発信することができます。また、BIP8のシグナルをしたい方はこのクライアントで可能です。(ここで言うシグナルはマイナーがブロックに含めるVersionbitsによるシグナルではないことに注意)
個人的にはSpeedy Trialの短期決戦でマイナーの支持が得られることを期待しています。みなさんはどうでしょうか。