Diamond Hands詳細ルーティングレポート(22年1月)
通常のアップデートより今回は少し詳しめのルーティング状況の解説をします。
元々海外勢へのDiamond Handsコミュニティアピールも含めて英語で書いた記事の重要ポイントをSpotlightの方でも共有します。ちなみに今回のレポートはとりあえず第一弾ということで、今後も継続して少し掘ったデータや分析を今年は出していく予定です。(海外勢からのフィードバックも結構良かったので、来月第二弾を出す予定です)
トランザクション量の推移
DHノードの運用を始めた去年4月から12月までのルーティング金額の推移です。本格的に運用を始めた5月からの成長率でも月平均30%以上でルーティング高は上昇しており、12月のルーティング金額はちょうど10BTCを超えました。
トランザクションの大きさ(金額)
10月~12月のトランザクションサイズの中央値は47,298Sats、平均は103,962Satsでした。また、上記の分布を見ると、大部分の送金は10万Sats(4000円)~100万Sats(4万円)のレンジに入ることがわかります。
一方現在のルーティングTxの多くは、ライトニング上のキャパシティのバランスを調整するためのいわゆるリバランスTxであることから、上記の数値は必ずしもライトニング支払いなどの実需的なトランザクションの平均的な金額を表したものではありません。(リバランスTxは、10万Satsほどの大きさのトランザクションを大量に作ることが多い)
個人的に例えば取引所関連のTxの平均的なサイズや、その推移などをもう少し知りたいので、ルーティングで情報を集めながら、もう少し後日詳しく見てみたい部分の一つです。
トランザクション手数料の分布
トランザクション手数料(Fee rate)で見てみると、DHノードを通るトランザクションは主に3つのカテゴリに分けられます。
- 低 0~10PPM(0.001%):ウォレット関連のノードなどが多い
- 中 100PPM程度(0.01%)︙リバランス関連のトランザクション
(0.01%を支払って、DHの流動性を獲得しているイメージ) - 高 1000PPM以上(0.1%):取引所関連など
また、手数料の推移を見てみると、DHノードに関してはどちらかといえばFeeは減少傾向にありそうです。
適切なFee rateは各ノードの戦略や特性次第なので、その他のノードでは別の動きが起きている可能性はありますが、去年ライトニングに供給する流動性や、新規のルーティングノードが急増した反面、ライトニングのトランザクションへの実需の成長が追いついておらず、全体的に手数料が頭打ちしている可能性があります。
DHノードは手数料の調整で自然とキャパシティを調整しつつ、取引高を最大化する戦略で現状運用していますが、全体のTx手数料の推移を追っていくことで、ライトニング上の送金の活発度や需要を一部測ることが出来るので、今後もこのデータは追っていきます。
コミュニティノードのアクティブ度
こちらは、去年10月~12月のトランザクション数に応じて、Diamond Handsにチャネルを貼っているノードのアクティブ度をカテゴリ分けしたものです。
対象となったのべ473ノードのうち、103ノード(21.7%)が1件もTxを発生させていないInactiveノード、180(38%)が3ヶ月で10件以下ということで、半数以上のノードがほとんどトランザクションをアクティブにルーティングしていない、という現状になっています。
Diamond HandsがDHノードにチャネルを貼りさえすればリワードを貰えるというスキームを採用しているため、ルーティングを発生させずにチャネルだけを貼っている初心者ノードが多い、という要因もありますが、かなりの割合のノードがルーティングをほとんど発生することが出来ていない、という現状が見えてきています。
非アクティブなノードが大量にチャネルを貼ってくると、DHノードのパフォーマンスやネットワーク上でのスコアリングにも負の影響を及ぼす可能性もあるため、この問題に関しては非アクティブなノードがより頻繁にルーティングを発生させるような具体的なやり方やスキームの提案をこれからやっていく予定です。
というわけで、記事の概要を日本語でも紹介しました。
上記の記事でも一部紹介している通り、ライトニングのルーティングはルーティングのデータを元に、手数料戦略を最適化したり、適切なキャパシティのアロケーション先を決めたり、隣接ノードと協力したり、など本気で運用しようとするとすぐにどんどん深みにはまれるという、難しさ兼面白さがありますね。2月以降も引き続き、トップルーティングノード/トップライトニングコミュニティ目指してがんばります。