ライトニングネットワークが今後加速的に成長していく理由と、日本市場のポジショニング

ライトニングネットワークが今後加速的に成長していく理由と、日本市場のポジショニング

まず告知ですが、Diamond Handsコミュニティは新たに海外の企業ZEBEDEEとMimesis Capitalからサポートしてもらえることになりました。Bitcoin Magazineでもライトニングネットワークとアジア、というテーマで紹介してもらいました。

Diamond Handsは日本最大のライトニング関連コミュニティとして、去年の6月からライトニングのルーティングネットワーク関連の研究や、情報共有を中心に活動を始めました。

その後日本のトップ関連企業から支援していただき、現在はルーティング研究やノード運用に追加して、ライトニングを利用したプロダクト実験、海外コミュニティとの連携、企業向けのレポートの作成など、ライトニングの普及と市場の拡大を目指し総合的な活動をしています。

現在のDiamond Handsのスポンサー企業↓

今回ライトニングゲームの領域でのマーケットリーダーであるZEBEDEEと、アメリカと台湾に拠点を持つビットコインとライトニング領域に特化したファンドMimesis Capitalと新たに連携していくことで、海外のトッププロジェクトを日本に誘致したり、日本だけでなくアジアを中心にその他の国でもライトニングの普及の為に協力していくことになります。

さて、今後も特に海外の企業やコミュニティとの連携を強化していく予定なのですが、折角なので今ライトニング関連で海外の最前線で起きていることと、日本にも近く影響する可能性が高い重要なトレンドについて少し紹介します。

最近の大手取引所のライトニング採用の意味とは?

去年のエルサルバドルのビットコイン法定通貨化、また先日のマイアミのカンファレンスでも色々大きな発表があった通り、ライトニングの普及はアメリカとラテンアメリカで急速に広がっています。

特にその中でも、ここ数ヶ月でKraken、Cash App、Robinhood(予定)など、アメリカで多くのユーザーを抱える取引所がライトニングに参戦したことの意味は大きいと思っています。これにより今年の3月時点でライトニングの潜在的なユーザー数は一気に8000万人以上まで増加しました。

(Arcane ResearchのThe State of LightningレポートVol2より。ライトニングのサービスが利用可能な人数の集計。実際のユーザー数とは違うのでそこは注意)

まず第一に、大手の取引所が対応し始めたことでネットワーク効果が働き、その他の取引所もライトニングを採用するメリットが大きくなることがあげられます。

年始にトップ10の取引所の過半数が年末までにライトニングに対応すると予想していたのですが、今の所想定通りの動きをしていますし、今後もこの流れは継続するでしょう。規制やコンプライアンスの話などは一旦置いておいても、海外の大手がライトニングに対応し始めると、日本でも遅かれ早かれその動きに追随することになるでしょう。

第二に、取引所アカウントからの入出金が可能になることで、単純な手数料削減などに収まらず、ライトニングでの決済や送金の有用性が全体的に大きく向上することになります。

取引所からのライトニングの出金はほぼ無料、少額送金可能、そして即時決済という今までなかった大きな特徴を持っています。今まであくまで仮想通貨の取引や投資をする場だった取引所のアプリなどが、ライトニングを通して強力な決済アプリとしての側面を持つことにもなり、取引所ユーザーに訴求したい店舗でのライトニング決済導入のメリットも増します。

また、規制や税制の話はまた一旦無視すれば、理論上はアメリカ国内だけではなく、例えばアメリカ人が海外に旅行に行った時に、ライトニング決済に対応している店舗なら世界中どこまで取引所のアカウントから即時引き出し、決済ができる、というような世界線も想像できます。

さらに店舗やオンライン決済だけではなく、取引所からのビットコインの少額、即時決済ができることで、取引所を軸とした外部サービスとの連携の有用性や実現性が上がります。例えば取引所上のビットコインを外部サービスにライトニングで決済して、ポイントを即時で購入できるようになったり、ゲームなどのアプリ内で入手したビットコインをライトニング送金で即時で取引所に送り、換金、もしくはその他の仮想通貨を購入、など、今までコンセプトとしては存在していたけど、送金の摩擦などで実現が難しかったサービスなども出てくると予想します。

もう一度まとめると、取引所がライトニングに対応してグローバルに通用するビットコインの即時、少額、低手数料送金ができるようになる、というのは、単純な出金が安くなる、ということを超えて、非効率になってしまっている伝統的な金融の送金や決済をどんどんアップデートしていく大きなきっかけになるかもしれないということです。

他にも資金調達や新しいプロトコルの提案など、ライトニング関係のポジティブなニュースは最近特に増えてきており、大手取引所の採用以外にもこれらの動きを更に加速させる可能性が高く、日本もその内無視できない規模になっていくと思います。

ライトニングと日本のポジショニング

今までライトニングの成長は比較的ゆっくりだったという指摘もあり、確かに2018年のメインネットローンチからすでに4年ほど経っていますが、今になってようやく本格的な普及期に入った、遅い、という若干否定的な見方もできるかもしれません。

逆に言えば、短期的な成長にブーストをかけられるが、ある意味不純物で規制リスクやインセンティブ構造も変えてしまう可能性のあるガバナンストークンなどなしで、ネットワークやエコシステムをこつこつゼロからブートストラップするのは本来非常に時間のかかる作業とも言えると思います。ライトニングはショートカットなしでようやくブートストラップのフェーズを抜けて、ライトニングを使うことで投機を超えた実用的なメリットを提供するフェーズにアメリカを中心とした海外で入り始めました。ここからは資金が集まるのも、サービスの数が増えるのも早くなっていくと思います。

アジア地区全体はライトニングにこの流れに残念ながら今の所ほとんど乗れていません。実はその点ではDiamond Handsの活動なども一因ですが、日本はアジアの中ではまだいい方ですし、まだこの領域でギリギリ戦える、意味のあるポジションを保てる余地はあると思います。

日本の企業やユーザーの話を聞いていると、「まだ早い」「まだ小さい」というような何となくの認識を持っている、もしくはそもそもライトニングの仕組みやユースケース、ポテンシャルについて把握していない人も多い気がしますが、上記で一部紹介した通り業界構造や技術特性を考えてもアメリカなどはここからぶっちぎって行く可能性が高く、むしろ「今まだギリギリ」というのが率直なところです。

ライトニング以外のDeFiやNFT、その他ブロックチェーン関連の領域全般ではすでに日本と海外の差は大きく開いており、資金力、基礎能力などの点でも、普通にやったらもう逆転することは出来ないものの方が圧倒的に多いのはいまさら言うまでもないでしょう。

というわけで今回のZEBEDEEやMimesis Capitalとの連携のように、Diamond Handsは海外で活躍している企業、プロジェクト、コミュニティと積極的に連携しつつ、知見を共有し、競争しつつ、市場全体を広げていくことが重要と考えているので、今後も海外に向けての発信や、実験的なプロダクトを作って海外でも実証していく、などの活動を強化していく予定です。

自分は半分以上日本の業界からは引退してるつもりですし、別に日本の将来がやばいから「俺が守護らねばならぬ」みたいな気持ちは特にないです。国家戦略でガバナンストークン改め、ライトニングやりましょう、などと提案するつもりも、政権が効果的な政策を作ってくれる期待もさらさらないですが、ライトニングネットワークの海外の事情と日本のポジショニングやアジア市場の中での可能性、という点で一部参考にしてもらえればいいかと思います。


というわけで、今回の話も受けて興味がある企業などがいたら、是非気軽にお声かけください。自分たちはスポンサー資金の過半はライトニングのルーティング奨励や、レポートの作成など市場全体を広げるために使っていますが、今後の国内外での露出なども考えていくと、費用対効果は悪くないと思っています。ライトニングでとりあえず何かやってみたい、みたいな企業などにも適切なアドバイスが出来ると思います。

P.S. どうやら今日から日本はゴールデンウィークのようなので、告知の発表のタイミングがたまたますごい悪かったことに今更気づきました。Web3とか言うならゴールデンウィークに入っても皆さんちゃんと働いてください!

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