SpotlightはToxicであれ-その2-
自由と権利は政府裁量で付与されるものではありません。先人が抵抗の果てに勝ち取った歴史遺産です。ビットコインは自由と権利が花開く時代への切符です。
自由への闘いから誕生したビットコイン。それを単なるブランドとして利用したり、理念を根本から捻じ曲げてしまう人々に忖度は要りません。きちんと正面から批判することが肝要です。
ビットコインの技術や文化は、放っておいても拡大するフリーランチではありません。ましてや神に与えられし創造物でもありません。人間による未完成のプロトコルであり未成熟なネットワークです。
誰もが見向きもしなかった時期から、開発者・ノード運用者・マイナー・啓蒙活動家が、世界中で日々手を動かしてきました。SoVツールとしての地位が確立し、MoEツールとしても機能が充実してきました。多くの人が認知し選択するに至るまでには、沢山の人々のPoWが必要でした。
そうした十数年の積み重ねが、まるで世界中の細い川が繋がり合うようにビットコインという大河を形成したのです。大河になるまでには、FUDの谷を渡り、大国の禁止という堰を超え、フォーク勢力からの灌漑を凌ぎ、シットコインによる水質汚染を耐え抜かなければなりませんでした。
ビットコインを推進した人々の意志は、今まさにマジョリティの大海原へ注ぎ込み、人種や性別や年齢を問わず公平に希望を届けようとしています。特にインフレ砂漠と焼畑金融政策で干上がった地域に住む人々にとっては、ナイルの賜物そのものです。
ナイル川が運ぶ肥沃な土から壮大なエジプト文明が生まれたように、ビットコインという大河が世界中に豊かさと自由を届けることで、後世に大いなる影響を与えることは間違いないでしょう。
比喩が長くなりましたが、要は仕事であれボランティアであれ、無数の無名な人々がメンテナンスを続けなければ技術も文化も停滞し、やがて川の流れは淀み死んでいきます。
例えば、非技術者であってもビットコインが生まれた思想的背景を踏まえた表現活動や言論活動という重要な役割を担うことができます。最初は誰も見ていなかったとしても、それはビットコインという大河の一滴となって川の流れを推し進めます。
ビットコインはキャッシュシステムですので利用者・保有者による取引がないと無意味です。大衆は圧倒的多数が非技術者なのですから、ビットコインの機能と活用をわかりやすく啓蒙する役割が必要になります。
文章や音声や動画やリアルな対話を通して、様々なバックボーンを持つ人々が拡声器となれば、多くの市民がビットコインに興味を持ったり、そのネットワークにアクセスすることを手助け出来ます。
2024年でも「ビットコインは無価値だからバブル」という有識者は絶えませんが、彼らの多くはマジョリティにまで波及したら態度を急変させます。注目に値しない存在です。
VCや財団からマーケティング費用が出ないにも関わらず、広報活動を担う人々がこれだけいるという事実は、ビットコインの魅力と求心力を端的に示し、否定しようのない価値を表しています。貨幣としての存在意義は事実上証明されており、まだ気付けない(または言わざるを得ない)有識者こそ無価値でしょう。
ビットコイン最強のマーケティングが、フィアット建て価格上昇であることは言うまでもありません。ただそれは、フィアットの崩壊を眺めていれば勝手に起きる自然現象ではなく、ビットコイン・エコシステムを形成する人々の地道な活動と対を成しています。価格上昇とその背後の活動はニワトリとタマゴなのです。
フィアット希薄化全盛時代にビットコインが誕生しここまで普及した史実は、人類にとって特筆すべき事象です。その考察は社会学的にも経済学的にも貴重となります。Codeを書くのと同様、価値ある活動に違いありません。
今私たちがいるSpotlightも、ビットコイン文化が根付いている場所です。だからこそ、真面目な文章だけでなく、初心者でも門外漢でも、誰でも何でも書ける自由な雰囲気でいてほしいと思います。
「なんでも好きなこと書いちゃおう」という一文。サイファーパンクの時代から脈々と流れる自由を重んじる姿勢、批判精神、権力に媚びず真実を口にする勇気。言わばバッジャー魂が体現された言葉だと感じます。
技術情報からネタ記事まで、広く考えるヒントが転がっている場所。SpotlightがToxicかつパンクでロックでヒップホップな空間でありますように。