TAXトークンの恐ろしい仕組みの考察
■前書き
先週の土日からTwitterのDeFi周りでにわかにTAXトークンが話題になりました。
税金云々はおそらく開発者が適当に作ったカバースト―リーで、その本質と危険性については紫藤かもめさんが最速で日本語記事を書いてくれているのでそちらをご参考ください。
理解しておくべきことはほぼ網羅されていると思います。しかしイラストのチョイスが素晴らしい…
一応、公式のMediumリンクも。
■じゃぁ、今更この記事で何を書くのか
このTAXトークンの仕組みと継続性についての私見です。TAXがダメならSUSHIは~COMPは~という議論もありますが、その辺はノータッチであえてネズミ講周りに触れていきます。
「TVLとかクソくらえだ、COMPなどのDeFiの負の側面を濃縮してやるぜ」みたいなノリで作られているプロダクトなので真摯にDeFiと向き合っている人にとっては見るのもいやなプロダクトだとは思います。(Twitterではこの辺をドライに受け止めている人も多くて、「それもまたDeFi」と割り切られている方も多そうですが)
また、「ネズミ講」という単語で拒絶反応が出て、特に調べずにこれを斬って捨てた方も多いでしょう。そんなのこの仮想通貨界隈で掃いて捨てるほど見てきたよ、と。
ただ、自分はこのTAXトークンの仕組みが悪魔的で何度も唸らせられました。モラルや善悪とかそういうのは置いておいて、これ作った人メチャクチャ頭いいな…と。もしこれを読んでいる人で商学部あたりの方がいらしたら、是非論文のテーマにしてほしいくらいです(そして公開してください)。
なので知識として知っておく分には非常に有益であると判断したので、自分の足りない頭で考えたことをアウトプットしたくて書きました。
しかし誰にでも読んで欲しいかというとそうではなくて、かなり読む人を選ぶ内容だなとは思っています。なので「Spotlightさんを使っていて、かつポンと1000Pを押せる方なら大丈夫だろう」と判断してここに書くことにしました。
では、読み手の方が紫藤さんの記事を読んで概要を踏まえていらっしゃることを前提に書いていきます。
■このネズミ講の仕組みとそれが継続する条件の考察
このTAXトークンは上記の通り、ネズミ講的な構造を持ちます。
つまり参加者に「儲かるぞ」と思わせて、終わりの日まで参加させ続ける事が継続の条件です。より正確には「自分より後発の参加者が沢山いるだろうから今からやれば儲かるぞ」と思わせて参加させる事。
そのために何が必要か。
バグみたいな頭の悪いAPY(年間利回り)、すなわち高い利回りを提示することです。APYン万パーセントとかそういうの。下図は実際に表示されていたAPYです。年間利回り35,829%。35%ではなく3万5千%。
私が尊敬している方の1人も「利回りと肩書と限定ガチャは、人類が抱える三大脆弱性」と偉大な言葉を残しています。高利回りは人の脳によく効きます。
ではこのTAXトークンで高いAPYを出すためにはどうすればよいか。まずは上のスクショの読み方とAPYの計算方法を確認しましょう。