オープンソースもタダではない(特に暗号資産では)
つぶやき。ポエム。TL;DR
仮想通貨界隈で、善意や熱意に溢れる人が、そっけない態度を取られ憤った時。定番の売り文句があります。
こちとら誰からも1円も貰ってねーんだ
最近、特定の誰かからこの売り文句を投げかけられましたが。これ初めてではないので。よくあることです。
気持ちはわかりますよ。別のポエムでも触れましたが、オープンソース・ソフトウェアの開発者の少なからずは、タダ働き覚悟でソフトウェアを書いているわけですから。
暗号資産系のソフトウェア開発者には、ソフトウェアを書くだけではなくて、ノードの運用が求められます。
ちなみに、イーサリアムとか Ripple XRP とかは、ちょっと個人では維持したくないレベルのスペック(つまりお値段)がかかります。
モナコインは随分とマシですが。
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ある時期、無職業者BOTの支配下にあるアカウントでの、ある期間サーバ費用をグラフにしたものがあるので、引用します。
とあるイベントで、業者BOTの中の人と近しい人が公開したデータなので。モナコイン属性が濃すぎてモナコイナーと化している人は、見たことがあるかもしれません。
だいたい最高で 8 万円弱くらいですかね。ただし、これは GCP、Google のクラウドへの支払額のみです。
モナパーティは Azure、マイクロソフトのクラウドで動作しています。モナパーティ公式では東アメリカと西ヨーロッパの 2ノードの冗長構成で、合わせて概ね毎月 3.5 万円くらい。
諸々、モナコインのブロックチェーン維持に参加し、モナパーティのノードを活かすだけの目的で年間 100万円程度は飛んでいきます。人件費は抜きです。
さらにいうと、上記の数値は無職業者BOTの配下にあるやつだけです。モナコインの dev でもある脇山P氏の配下にあるリソースは含まれません。
彼がどういうリソース管理をしているのか、詳しく聞いたことはありません。しかし、サービスの数から考えて、少なく見積もっても同等、おそらく超えるでしょう。
ワタナベ氏のノード運用は更に不明ですが、2014年からずっと、モナコインのテストネットとメインネットを維持するための最低限のノードを運用、かつ dnsseed も維持していて、これまたゼロコストではありえません。
「運営が居ない」というメリットを維持するために、裏では毎年、数百万円の維持費が掛かっているわけですよ。
ICO だのクラファンだので、皆様から運用費のお手伝いがあっても、実はぜんぜん赤字です。はい。
こういう実態があるので。Symbol の開発延期が続いているときに「やつらは XEM 売れば金作れるし楽だよな」みたいな意見を SNS や掲示板で見かけて、NEM とは関係ない身ですが、殴ってやりたくなりました。先日、無事スナップショットが取れたようで、なにより。…脱線しましたので戻ります。
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念のため確認しますが、本稿は、 "誰がモナコインちゃんに貢いでいるか合戦" に持ち込んでマウント取ろうとかいう意図ではありません。
たぶんモナコインに関わる少なからずの人は、何らかの形で身銭を切っています。ああまあ投機の人は少しは儲かっているかもしれませんが、それだってリスクを負って流動性に貢献してはいるわけです。
サービス運用したり、モナカードを描いて配ったり、モナカードを買ったり。採掘したり。新規上場のための活動をしたり。ブログ書いたり。
身銭を切る目的は、人それぞれでしょう。中長期的な投資として、自己承認欲求の充足のため、または just for fun として。それ以外もありましょう。
総じて各自の身の丈にあった形で関わっているわけです。
こちとら誰からも1円も貰ってねーんだ
は、モナコイン属性の平常運転なので。
何なら身銭を切りさえするので。響かないのですよね…。
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「なんなら身銭を切りさえする」が平常運転なのが良いこととも思えないのは、正直なところですが。
悪く言えば、やりがい搾取ですからね。
この辺りは、いろいろ考えようというムーブはあるので、中長期的には心配していませんが。たとえば、
とか。