PartyMusic を雑に紹介する
昨晩、日本大手仮想通貨交換所 Coincheck の発表に呼応し、モナパーティ公式が軽いノリで寄付型クラウドファンディングを開始した、モナパーティを用いた音楽販売サービス「PartyMusic」。
一晩のうちに 600 MONA 程度集まったようで、期待度は高いようです。
ノリで始めたとはいえ、技術的な裏付けは既に取れています。
モナパーティ公式を追っている方ならば、このアンケートにご記憶があるでしょう。
Ⓜ
技術的な目論見は、もちろんあってのことなのですが、何がキーコンポーネントなのか、雑に紹介しておきます。細かいことは、追ってモナレッジに書くかもしれない。
まず、PartyMusic の基盤は、既に告知がされているモナカード向け IPFS ストレージと同じです。
XMPIP でいうと、0019 が相当します。これは、今年の3月15日に最初の commit がありました。曰く
It will be used in services like Crypto-art, Crypto-music, DNS service, and so on.
Ⓜ
説明を簡単にするために、少し脱線して、モナカードの IPFS 移行の現況について軽く説明します。
現時点でもモナパーティのアセットに拡張情報 (extended_asset_info) を付ける仕組みはあります。当初は、この仕組みを拡張してモナカードの情報を追加しようとしたのですが、仕組みを作る側も使う側も、割と面倒だということが判ってきました。
そこで、既存のアセット(モナカードとか)にメタデータを添付するための、新しいコントラクトを XMP-0019 で追加します。
メタデータを操作するためのメッセージを発行できるのはアセットを所有(注・保有ではない)している人のみです。モナカードに対応するアセット所有者は、誰かをトラストすることなく、従来 card.mona.jp が保有しているメタデータをモナパーティのチェーンに移行できます。
Ⓜ
さて、話をもとに戻して。
アセットに任意のメタデータを追加できるようになったとき、JPEG ファイルへの URL と同じように、MP3 ファイルやカバーアート(PNGやJPEG)への URL、楽曲名やライセンス情報等も追加できます。
そのリンクが事前に決めたお約束に沿って追加されたなら、モナパーティの API を使って、楽曲頒布向けのアセットを簡単に抽出できます。
このデータを用いれば、(見合う技術力さえあれば)誰でも楽曲配信 web サービスを作れます。HTML5 が流行りだした 10 年前には確立した web 技術です。
モナカードと PartyMusic とは排他ではありません。既にモナカード向けとして発行されたアセットに、後からメタデータを追加できます。カードのアートワークに合わせた楽曲や、キャラに合わせたボイスを入れるという手もあるでしょう。ドンドコわっしょい!
Ⓜ
これが PartyMusic の全体構想です。
膨大になるはずの楽曲コンテンツを、誰が永続的に保管するかは、今のところ保留です。モナパーティのノードは、自らが保持する IPFS ノードで最大限の努力をするかもしれませんが、数GBにも及ぶようなサイズの楽曲データは保持しないかもしれません。
永続的で確実な楽曲配信をしたい人に向けて、XMP 決済可能な IPFS pinning サービスが登場するかもしれません。
PartyMusic 対応の音楽配信サービスは、複数立ち上がっても構いません。Monacard 対応サイトが card.mona.jp だけに限らないのと似ています。ジャンル特化型のサービスがあっても良いでしょう。
サービス運営者は、モナカードと同様に、知財権違反への対応を求められる可能性があります。なので、審査が必要になるでしょう。手間がかかるので、配信希望者(アセットの持ち主)から登録手数料を徴収しても良いかもしれません。仮想通貨交換所が上場手数料を徴収するのと似ています。
Ⓜ
モナパーティ公式は、プロトコルの部分は全面的に作業し、たぶんサンプルとなる web サービスはオープンソースで公開します。
Counterwallet-mona よりも、もにゃ、もなぱれっと、mpurse のほうが機能的にもデザイン的にも秀逸なように、公式よりも優れたサービスが出るだろうと期待しています。