バークシャー・ハサウェイがビットコインを祝福する日

バリュー投資の殿堂バークシャー・ハサウェイのポートフォリオは、ここ数年アップルが40%前後を占めています。

20世紀からのバフェットウォッチャー、ドットコム・バブル以前からの株式投資家には、本当に信じられない変化でしょう。

バフェットは、今年のインタビューでこう述べています。

https://www.businessinsider.jp/post-268605

｢もしあなたがアップルのユーザーだとして、誰かがあなたに1万ドルを提供するときの唯一の条件が、iPhoneを奪われて二度と使えないというものならば、あなたはその大金を受け取らないだろう。iPhoneは非常に価値のあるユーティリティだ。これほど多くの人を幸せにし、人々の役に立つビジネスは容易には手にすることができないものだ｣

｢iPhoneを見ても、中の小さな物が何をしているのか私には分からない。私は技術的なことはまったく知らない。でも、ネブラスカ・ファニチャー・マート（北米で最大の家具、電化製品、電子機器を販売する家具店）ではアップル製品を置いてなければ、人々は店を出て行き、他に行ってしまうのは知っている｣

あのハイテク嫌いで有名なバフェットが、進化を続けているのは素晴らしいこと。

ですが、彼はビットコインはギャンブルに過ぎず、愚か者がお金を失うだけだと批判的です。

私個人は、90代の非技術者のバフェットがビットコインに肯定的になるのは非常に困難なことと考えており、同情的です。

さらに、彼がゴールド投資否定派であることも関係すると思います。「ゴールドは保有していても何も生み出さない。」という言葉は有名です。

バフェットにとって投資とは、お金を使って価値を生み出すことであり、配当や利息の付かないゴールドにお金を入れるのは投資ではなくゼロサムゲームだということでしょう。

彼は、ビットコインとWeb3、ICO、IEO、FTXを同じものとして語りますが、ビットコインが無ければ存在出来なかったスキャムという意味では、不幸なことに間違っていません。

（世間の多くの認識も同じだと思いますし、詐欺師を市場から負い出す作業が進まないことは、業界最大の課題だと思います。）

さて、世間が認識を改めざるを得ないくらい、ビットコインがマスアダプションした場合や、ビットコインに革新的な普及ツールが生まれた場合はどうでしょうか。

バフェット、盟友チャーリー・マンガーは、アマゾンやグーグルに投資しなかったことを悔やむ発言をしています。

https://www.nikkei.com/article/DGXLNSE2INK01_X00C17A5000000/

ビットコインのユースケースが爆発的に増える頃には、BTCエコシステム上に多くの企業が育ち、株式市場でも活躍しているでしょう。

バークシャー・ハサウェイの保有銘柄（アップル、バンカメ、アメリカン・エキスプレス、日本の五大商社など）がビットコイン関連事業を展開する未来も十二分にあり得るでしょう。

その頃、バフェットやマンガーはこの世界から旅立っているかもしれませんが、将来のビットコインエコシステムと関連企業の成長を見たら、恐らくポートフォリオをヴァージョンアップするでしょう。

バークシャー・ハサウェイには、バフェットから後継指名されたグレッグ・アベルを始め、株式運用部門のトッド・コームズ、テッド・ウェシュラーなど、企業文化を引き継ぐ人材が豊富にいます。バフェットの後継人材には、ビットコインを理解するための時間と機会がたくさん残されています。

『理解できない事業には投資しない』

『我々が歴史から学ぶべきなのは、人々が歴史から学ばないという事実だ』

『株は単純。みんなが恐怖におののいているときに買い、陶酔状態の時に売ればいい』

バフェットの投資原則には普遍的な価値があります。バークシャー・ハサウェイが築き上げた文化と歴史に、ビットコインが登場する未来を想像するとワクワクします！

まとめ

おわりに、2019年株主総会でのバフェットの発言を引用します。

「一定程度のお金を持てば、それ以上はどうでもよくなる。私は、『墓石にどう書き残してほしいか？』と聞かれると、こう答えるようにしている。『“ここに眠る人は、多くの人にたくさんのことを教えた人である”と書いてほしい』と」

投資、幸福、人生を楽しみ尽くすオマハの賢人は、世界中の人々に知恵という財産を授けてくれました。

彼がいない時が来ても、私達はその知恵を進化させ、人生を楽しみ尽くせるはずです。