アナナスな観葉植物

アナナスな観葉植物

観葉植物というとホームセンターや園芸店などにたくさん売っていますね。そんな観葉植物は葉を観る植物と書きますが、葉っぱだけ見てるのはどこかもの足りません(それでこそ観葉植物なのかもしれませんが)

そんな観葉植物が身近なヤツでしかも実用的な存在になってもらおうと思います。

スーパーに売ってるパイナップルを観葉植物を仕立てます。妙に画像が縦長
全ての葉がまだ青々としていますね

まずパイナップルを切る

実と葉っぱの部分からだいたい4cmくらい離して切ります。これが2cmくらにになると根の成長が期待できないことと、手直しができないので長めに切るほうが安全です。

断面です。パイナップルを切り慣れてくると分かりますが中心部にパイナップルの根が生える芯が丸く見えます。これだと分かりにくいので角度を変えます。

赤線内の中心部が必要な部分です。青い部分は必要ないので切り落とします。ただし完全に全て切り落とさないといけない訳ではないので、残ってしまってもOKです。

もう少し切り落とします。ちなみに芯の部分は触っても問題ありません。

厳格なカットは不要でこれくらいでもいけます。そしてこの根が出る部分を2、3日かけて乾燥させます。

これが初日で、

2日経過するとこうなります。葉の先端が黄色くなってきています

まぁまぁ乾燥してきているので果肉の部分が痩せてきました。芯の白いぷつぷつは将来根になる部分で、水分が抜けたせいで出てきたのか、はたまた水分を集めるために伸び出したのかよく分かりません。

この乾燥させている間は室内の直射日光の当たらない場所に置いていました。ゆっくり表面の水分を落とすのが目的なので場所としては少し風通しの良いところでOKです。2日間くらい放ったらかしにしてもパイナップルは枯れません、本当に乾燥に強い植物です。

それと乾燥させる目的は切ってからすぐに定植すると実の部分が土中で腐りコバエとか虫がくるのを避けるためです。

定植

パイナップルは根が細く本州で栽培してる野菜果物ではあまり見ない形態をしています。根の張りは土の特性に左右されやすく泥状の土よりピートモスのようなスカスカの土と相性が良い感触があります。多くのパイナップル栽培ブログでも酸性寄りの土を推奨していますね。

今回使った土は種まき用の土です。栄養が入っていないスカスカなやつです

黄色で囲まれた部分が茶色く変色しているのは葉っぱと下部の根の量的バランスが崩れたためです。植物は根の量が減ると葉っぱにその影響が現れるので、この画像では根の絶対量が減ったと分かります。でもパイナップルは頑丈なのでこれくらいでは枯れません。

定植して定着すると茶色で囲まれた辺りの葉っぱが取れて落ちることが多いです。パイナップルの葉っぱは中心部から新しい葉っぱが生えてきます。そのために一番下にある葉っぱは一番古い葉っぱになり、古い葉っぱから抜けてるということになります。

深さ約8cmの鉢を用意しました。直植えと違い鉢植えは成長に合わせて鉢を変えていきます。実際パイナップルは葉が大きくなる品種もあり、鉢替えの出番がやってきます。鉢底石は一層程度で十分です

土は半分ほど入れています。自作したパイナップルの苗は重心が高いので土で横から支えないと倒れます

ここから土を足して苗を固定していきます

この植え付けは失敗しそうな気配です。パイナップルは植え付け時にななめになるとそのまま傾斜して成長します。これがまた美しくないです
頭でっかちの苗はここが難しいのです。

土で固定したらテキトーに水をかけます。ホースから勢いよく水をかけると簡単にズレてしまうので美しさを意識するなら真上からかけると良いですよ。

根が伸びて安定化するまで2週間ほどかかり、中心部から新しい葉が出てきたら定着したと判断できます。そして内側から新しい葉が生えてくると外側にあった葉っぱは枯れて落ちます。

見た目が良くなるまではけっこうかかりますけど、まぁ大丈夫ですよ。

今後このパイナップルが枯れないようにしてたまに経過報告していきます。実を大きく取れるかな〜

最後に下部に管理方法を載せておきます。

自作苗の調達

観葉植物になれるパイナップルに分け隔てはなくスーパーで売ってるものなら何でもいけます。ただし販売時の店側の管理によっては使えないものがあります。

それは販売時に冷蔵下で陳列されているパイナップルは止めたほうがいいです。熱帯の植物で10℃以下で保存されている場合は苗になれる可能性が下がります。パイナップルの販売は室温の方が絶対長持ちするので、スーパー側は陳列方法を見直して欲しいです。

店頭で葉の先端が黄色くなっているものは避けましょう

定植できる時期は春から夏の間です。秋以降になると成長のための気温確保が難しくなり枯れてしまうかもしれませんので、確実な定植なら春から夏の時期です。

室内管理について

日光

日光に関してははっきりとしたことが言えませんが「ただの観葉植物」としてだけで育てるなら日光をガンガン当てなくても問題ありません。まぁパイナップルですからゆくゆくは実も収穫したいので日光を多く当てたいところです。

最後の方に載せていますがパイナップルはCAM植物という分類に属していて、高温と乾燥に強いこと、成長が遅いことが共通しています。実際パイナップルは実を収穫するために丸々2回年を越す必要があります。

過去に屋外管理で実を収穫したことはありますが、室内管理のみで収穫をしたことがないので今年は室内でやっていこうと考えています。日光に関しての結果はそこで分かるだろうと思うので、いつかまた紹介します。

水やり

高温と乾燥にかなり強いので水やりは夏場でも週に1回で十分で、水をすっかり忘れても枯れません。恐ろしいです

冬場の水やりも週に1回程度で十分で、それも少量でいいです。夏と同じくやり忘れても枯れませんので。多くの植物は低温時に水をやっても根は水を吸い上げず根腐れを起こす可能性があるので、少ない方がいいと思います。

肥料

屋内管理の肥料は液体肥料や化成肥料を使います。施肥量は普通の野菜に使う量より少量です。これは成長が遅い植物なので多くの肥料を要求されないからです。

鶏糞使ったら臭いと虫を引き寄せることになるので止めておきましょう。

気温の低い時期は肥料はやらなくてもいいです。たぶんやると良くない気がする

温度

パイナップルの一番気をつけるべき点は温度管理です。これまでの経験で屋外に置いていたパイナップルは天気予報で6℃になったら枯れる感触があります。

屋内でも日の当たる場所を意識して置いておくのが越冬のコツで、雪の降る地域でも温度管理ができていればばパイナップルは越冬できます。

不具合

葉っぱが黄色くなることがあります。多くは根に問題があることを指していて、土中に虫がいる場合か肥料を大量にかけた場合だと思います。屋内管理では虫被害は少ないので肥料のやり過ぎに気をつけます。

パイナップルは生きてるか枯れてるかは葉っぱを引っ張ると分かります。すぽっと簡単に抜けた株は既に枯れています。

パイナップルは成長し続けて実を収穫した後、脇から新しい芽が1、2個出てきます。それを別のポットに移して再利用することができるんです。上手くいくと1回買ったら上手くやると何個も取れそうですが、脇からでたのは実が小さいらしいです。やはり頭を使うのが良さそうですね

CAM植物 Crassulacean Acid Metabolism

ベンケイソウ科をCrassulaceaeといい、CAMはベンケイソウ型酸代謝と訳されています。植物内の生合成経路の詳しい話は割愛しますが、乾燥や高温に寛容な植物がもつ代謝経路を指します。

サボテンや金の成る木もCAM型植物ですね。ちなみに病院でCAMと言うとクラリスロマイシンが出てきます、気をつけましょう。

昼間に気孔を閉じて植物内から水分が蒸散されるのを防ぎ、夜間に気孔を開いて二酸化炭素CO2を吸収し、昼間に夜間に集めたCO2で光合成する奴らをCAM植物といいます。特徴は光合成をするために時間と場が分けられている点にあります。

実際昼間の葉っぱからの蒸散によって多くの植物はこれで水分を失っています。先日トマトのさし芽をやりまして、葉っぱを多く残したせいでしおれて枯れました。

普段蒸散を意識しないのは根から水がよく吸い上げられていることで水分不足を観測しないからで、根と葉のバランスが崩れると蒸散の影響を見ることができます。

そう思うとCAM型植物はなかなか便利なやつらですね

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