
ビットコイン:典型的誤解と模範解答集
ビットコイナー反省会 ABEMAレビューを参考に作ったよ。
📌 誤解:ギャンブル的で危険な資産
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論点: ロスカット(強制決済)が多額に発生することは、ビットコインがギャンブルで危険な資産であることを示している。
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模範解答:
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ロスカットは主にレバレッジ取引を行うトレーダーにとって重要な話であり、ビットコインの現物を長期保有している投資家には基本的に影響がない。
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価格変動が大きいことをもって危険と見なすのではなく、非中央集権的な価値の保存手段としての本質を理解することが重要である。
- 無理なアセットアロケーションを行わず、ボラティリティに耐えられる金額で保有した個人は長期的に資産が増加している。インフレーションへの備え、法定通貨のヘッジとして機能してきた証である。
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📌 誤解:Web3・ステーブルコインの失敗と信用
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論点: アルゴリズミックステーブルコインの破綻やWeb3関連の失敗は、ビットコインを含めた暗号資産の怪しさを表している。
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模範解答:
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アルゴリズミックステーブルコインの失敗は、あくまで実験的な仕組みがワークしなかったという個別の問題であり、ビットコインの基礎技術や価値とは関係がない。
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ビットコインは、詐欺的または過大広告なコインとは全く異なり、長期にわたり安定して稼働してきた。ビットコインのシステムとブランドに乗っかり、偽りの先進性や実用性をアピールするアルトコイン群とは別格の存在として市場およびアカデミズムで評価されている。
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管理者不在で安定稼働を続けるディセントライズドな超巨大P2Pネットワークを構築する電子キャッシュシステムは、人類の歴史において計り知れない価値がある。対して、ビットコインの劣化コピーコインや不安定設計ステーブルコインの失敗は当然の結果に過ぎない。両者を同列に語る者はビットコインの基本的な認識を欠いていると言わざるを得ない。
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📌 誤解:初期投資家の不公平性
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論点: 初期にマイニングに参加した人はリスクフリーで資産を得ており、後から参加する人にとって不公平である。
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模範解答:
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ビットコイン誕生初期は、市場価値がほぼゼロであり、参加者は価格が上がるかどうかわからない大きなリスクを負って実験的に参加していたため、「リスクフリー」ではない。(そもそも発言者は「リスクフリー資産」という経済用語を誤用して使っている)
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むしろ初期のビットコインは、プレマインがなく、家庭用PCでマイニング出来た。誰でも参加可能なフェアな仕組みであり、最も有利な立場にいたはずのサトシ・ナカモトは、マイニングしたビットコインを動かしておらず、公平性の象徴となっている。
- 初期からリスクをとった方が利益が大きいのは、株式や不動産やコモディティなど、あらゆる資産に共通する特性である。設計や取引履歴が全て公開されているビットコインの透明性を考えれば、もっと不公平な市場が山ほどある。犯罪利用でも、法定通貨や株などのインサイダー取引の方が足が付きづらく、より権力者に有利だ。
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📌 誤解:法定通貨・中央銀行への信頼
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論点: 世界の中央銀行はプロフェッショナル集団であり、ビットコインのような非中央集権的な資産よりも信頼できる。
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模範解答:
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プロフェッショナルな中央銀行が管理している法定通貨の価値が、長期的に下落しているのは何故か?法定通貨を信頼し銀行預金した人々の資産はどうなった?プロが所管する法定通貨が価値の保存として信頼出来るなら、ビットコインは発明されなかっただろう。
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ゴールドやビットコインのような希少資産が価格を上げているのは、まさに法定通貨の信頼性低下から資産を守る手段として評価されているためである。
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📌 誤解:日本の税制の問題
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論点: 仮想通貨は税金が最大55%と高いため、普通の人は手を出さない方が良い。
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模範解答:
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税率が高いのは、日本の税制の問題であり、ビットコイン自体の欠点ではない。本来は世界標準に合わせた税制改革の議論をすべきである。
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最大55%の税率は数千万単位を利確した場合だけ。長期保有する限り税金はかからない。数十万~数百万を売却した場合の税率は低い。まずは雑所得の早見表から勉強しよう。
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申告分離課税の導入が実現すると、株式やFXなどと税率が同じになるため、この議論に終止符が打たれる可能性が高い。
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📌 誤解:環境問題
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論点: ビットコインのマイニングは電力を過剰に使い、環境に悪い。
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模範解答:
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ビットコインマイニングに使われる電力の過半数は、再生可能エネルギー由来であるとの推計があり、環境負荷は改善されつつある。
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むしろ、マイニングは無駄になっていた余剰エネルギーを消費したり、再生可能エネルギーの導入を促すなど、エネルギー利用の効率化に貢献している側面がある。
- 法定通貨を支えるエネルギーはさらに莫大だが、どれほど電力を使ったとしても減価してしまうので、ビットコインより無駄が大きいと言える。
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📌 誤解:ネットワークの支配と寡占
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論点: ごく一部の富裕層や電力が安い国がマイニングを寡占し、ビットコインのネットワーク全体をコントロールする可能性がある。
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模範解答:
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ビットコインは、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)の世界最大のネットワークであり、その規模から攻撃に必要なコストは非常に高く、容易にコントロールすることはできない。
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他の小規模なPoWコインの事例(攻撃が容易)と、ビットコインの巨大なネットワーク(攻撃がほぼ困難)を同列に語るのは誤り。モナコインで起きたからビットコインでも起きるという意見は、ポケットモンスターで言うと、コラッタを倒せたら、同じ『ポケモン』なのでミュウツーも倒せると似たり。机上の空論ではなく、もっと現実的に考えよう。
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📌 誤解:単なる金持ちの遊び場
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論点: ビットコインは、一般社会に役に立つ議論がなくなり、金持ちが投機的に遊んでいるだけの市場になっている。
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模範解答:
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この批判は、主にリテラシーが低い日本のメディア報道やWeb3/NFTといったアルトコイン領域のノイズによって生じている。
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海外では、決済の進化(例:Squareターミナル決済)や機関投資家による採用、法定通貨が不安定な途上国での普及など、実用性とインフラ構築が着実に進展している。ビットコインが単なる投機市場という認識なら、世界情勢をキャッチアップできていないだけ。さすがにガラパゴス過ぎる。
- それにしても、日本人有識者のビットコイン観が全く成長しなくて安心。ビットコイン後進国っぷりを再確認できてうれしい。10万ドル超えても相変わらずビットコインには伸びしろしかないですねー。希望の光で目が眩みそうです。
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