Monacardという(N)FTの現状と理想
Monacardとは
すごく雑に言うと今流行ってるイーサリアム上で売買されているイラストみたいなものです。
Monacoinチェーン上に構築されたトークン管理システム→Monaparty。
Monapartyトークンと画像を結びつけるシステム→Monacard。
現状
2018年くらいから開始され現在まで2246枚のMonacardが発行されています。コアなファンが収集など行っており、リアルタイムで熱心に集めている方は50名程度で緩く集めている方はその何倍かいると推測しています。
イーサリアム上のものと比べて規模は遥かに小さいですが、イラストレーターが投稿したりユーザーが収集し楽しんでいる様子を頻繁に観察できるのでプロジェクトとしては当初想定したよりもうまく行っているという認識です。
Monacard自体はただ画像を結びつけるだけシステムなので正直言ってあまり面白くありません。しかし、3rdパーティー製のアプリケーションが優秀で実際はこちら側のおかげでMonacardが楽しく使われていると考えています。例えば自分が持っているMonacardを表示・送受信できるウォレット、DEX機能、自動販売機能、Twitterでの自動配布システム、Twitter上での送受信システム、ガチャ機能(いろんなカードからランダムで購入)、対戦ゲームなど、優秀なアプリケーションがそろっています。なかでもTwitterの配布機能やガチャガチャ機能、販売機能では製作者や収集者が楽しく遊んでいる様子を観察できます。MonacardはAPIを公開しており、3rdパーティー製のアプリケーションが比較的開発しやすくなっています。
理想
念のためことわっておきますがMonacardの使い方は完全に自由です。ここから下はユースケースの中の理想的な一例にすぎません。
当初の想定にはネットに溢れている素敵なイラストに価値を持たせることで、ただイラストが消費されていくだけではなくてイラストレーターのちょっとした収入になったりユーザーが収集欲を満たすようなシステムができたら良いなというところがありました。価値を持たせるといってもイーサリアム上のNFTのように数百万円とかそういったものは全く想定しておらず、数百円から数千円程度を考えています。
例えば素晴らしいイラストを50枚のMonacardとして発行し、一枚当たり1000円で販売することができればイラストレーターは5万円の収入を得ることができ、ファンは1000円で所有欲を満たすことができます。この構図はシンプルですが、現在のユーザーを見ている限りは魅力的になっていると思います。仮に5万円x10件、つまり毎日50万円ほどの発行と売買が行われるほど規模が拡大したと仮定すると月で1500万円ほどのイラストレーターの収入を生み出すことができます。ここから10%である150万円を任意で寄付してもらい、それらを開発者、ノード管理者、3rdパーティーアプリ開発者、エクスプローラー管理者、ウォレット管理者などと分配することで一人当たり20万円程度の運営費を得ることができれば今よりも持続性のある経済圏にはなるでしょう。
そして良いサイクルが生み出され多くのイラストレーターが素晴らしいイラストを登録するのが当たり前となればとても理想的です。
理想への課題
まずはシステムと経済圏の持続性の問題があります。持続性がないと思われてしまえばユーザーへの魅力も低下するでしょう。ブロックチェーンと言えば永続性があるように錯覚してしまいますが、Monacardのサーバーが停止すれば画像との結びつきが失われます。また3rdパーティー製のアプリが停止することでMonacardへの魅力が失われ経済圏が消滅する可能性もあります。サーバーの問題に関してはMonapartyのIPFSノード化である程度は解決できるかもしれません。3rd製アプリの持続性の問題については'理想'の部分に書いたように、経済圏が拡大し運営する費用を分配できるようにできれば持続できる可能性はあがるでしょう。
次にどのように経済規模を広げていくのかという課題があります。現状、最もメジャーなビットコインやイーサリアムですら使っているユーザーはごくごく少数に限られています。MONAやXMPが使う人はさらに少数でしょう。有名なイラストレーターなどに参入してもらうなどの話題性も必要になりますが、明確なメリットを提示できない段階では難しいでしょう。
あくまで理想は理想です。そこへ至る道はなかなかに困難ですが夢を語ってみました。
この記事の内容はあくまで私の思い付きをまとめただけなので、利用している方が忖度したり寄せてくる必要はないです。みんな自由に使ってください!