なぜCLNの送金は不安定なのか
LNDの経路探索(pathfinding)の肝はMission Controlである。これによりLNDの送金は比較的安定しており、個人的にも満足している。Mission Controlには主に2つの探索手法がある。
- Apriori estimator:これは過去の送金データを元に成功確率の高い経路を探索する。未試行なホップの成功率を60%として、これをアプリオリな値としている
- Bimodal estimator:大半のチャネルは流量性が偏っているという前提で、成功率はチャネルサイズに比例(大きなチャネルほど成功率が高い)する
一方、CLNの送金は不安定であり、送金時間も比較的長いという感覚がある。なぜCLNの送金は不安定なのか。CLNはチャネルサイズを元に経路を探索する(LNDでいうBimodal estimator)。それに加えて、経路のランダム化や金額を小さく分割して送金するMPPなどを活用して、プライバシー重視な経路探索をする。
CLNがLNDと比べて送金が不安定な要因は、過去の送金データを保存していなことである。過去に送金が失敗した経路を区別することができないため、再度同じ経路で送金をしてしまったり、成功した経路も記録されていないため、同じ経路で送金しようとすらしない。
このため、CLNはLNDなどと比べて送金が不安定であったり、送金時間がかかったりする。しかし、現在、CLNはChannel Hintsを使った過去データからの経路探索の実装が進んでいるので、次期リリースが待ち遠しい。