Linux に勝てなかった Plan9
つぶやき。ぽえむ。
暗号資産界隈は、技術に関しての詳しさについて両極端なので。
Plan9 という OS について、知っている人は Inferno 含めて知っているでしょうし、そうでない人は初耳だとしても不思議ではないでしょう。
一方、Linux は、詳しくなくてもなんとなく耳にしたことはあるかなと想像します。Android で使われていたり、Spotlight でしばしば記事になる Umbrel OS でも使われています。おそらく世界で最も商業的に … Windows や macos と比べても … 成功した OS の一つです。
Plan9 は、誰もが先進性を認める OS でした。Linux の元となった Unix を開発した優秀な技術者らが、ドリームチームを組んで設計した成果です。その時点での叡智が結集されていました。
しかし Plan9 は生き残れませんでした。
細かい事情は別の記事に譲り、暗号資産界隈が得られる教訓だけ、ここでは取り上げます。
https://atmarkit.itmedia.co.jp/news/analysis/200902/09/future.html
「技術を軸にするなら、よほど革新的でないと、生き残るためのポジションは取れない」
Plan9 の革新的であった部分のうち、いくつかは、競合である Linux や macos に取り込まれ今も生きています。これはつまり、Plan9 は革新的であったが、競合が対応できる程度の革新さしかなかったということでもあります。
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さて、パブリック・ブロックチェーンは、OS と類似点があります。
- ソフトウェアである。
- アプリケーションのための基盤技術である。
- 改良案が出続けている途上技術である。
- レイヤーを積み重ねることで基盤層を機能・性能的に補える。
OS で起きたことをパブリック・ブロックチェーンに当てはめると、簡単な未来予想ができます。当たるも八卦。
「"改良版イーサリアム" らは生き残れない」
特にトランザクション性能や開発言語の軸でイーサリアムと差別化しようとしたチェーンらの、この先は暗いでしょう。もし革新的であったなら、イーサリアムが採り込むはずですから。
「"改良版ビットコイン" らは生き残れない」
こちらも同様です。アルトの存在理由であったトランザクションのサイズや承認間隔の問題が、L1 改良である Segwit や L2 である Lightning Network で解決しそうなのは、今起きている現実です。匿名性向上も、近いうちになんとなかってしまうでしょう。遠い将来、採掘報酬が減り難易度調整が困難になったら、アルトで実績のあるアルゴリズムを採り込むのではないでしょうか。
当たらぬも八卦。
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将来有望「コア開発者が有能有名だから」「活発に開発されているから」「高性能高機能だから」という言葉の虚しさは、コンピュータの技術史を知らないと共感できないかもしれません。
そして、それらの言葉は、知識が不足しているがカネだけは持っている方々をカモにするためには、とても便利です。
世界情勢が不安定になっていくなか、ここしばらくはアゲな感じだった暗号資産界隈も、冬の時代がやってくるとの予想が強くなっているようです。マーケティングに熱心だった新興チェーンは、その費用が重くのしかかることになるでしょう。
どのウォレットに資産を置くのか、冷静に考え直す時期が来ているのかもしれません。
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最後に、「モナコインは "改良版ビットコイン" である」という不都合な真実があるわけですが。逆説的に「モナコインの強みは、ビットコインを改良したところには無い」という状態を目指すことで、このリスクは低減できます。
国内仮想通貨交換所へのアフェリエイト・ブログでは、モナコインというと「承認間隔90秒なので高性能」がテッパンのようですが。「それは大した強みではない」という共通認識を得られるようにすることが、この先生きのこるために必要なことだろうと思っています。
ぽえむ。