入門書はこれがおススメ!(クリプト本レビュー②)

入門書はこれがおススメ!(クリプト本レビュー②)

Spotlightを見る方の多くは、ビットコインやブロックチェーンについて、興味や関心を抱いていることでしょう。

その「関心」がどういうものかというと、大きく二つのタイプがあると思います。

それは、「テクノロジーとしての関心」、そして「投資対象としての関心」の二つです。

書店に行けば、今や仮想通貨関連の本はいくらでもありますが、基本的には、コンピュータ関連のコーナーと、経済系のコーナーとに、分かれて配置されていることが多いですよね。

経済系の本は、仮想通貨に投資対象としての興味を持つ人が手に取るであろうことを、おそらく想定しています。そのため、仮想通貨の技術面については、それほど詳しく書かれていません。

その結果、理解が深まるどころか、消化不良なまま読み終えたという読者も、少なくないのではないかと、私は思います。

では、技術系の本を読めばいいのかというと、これも素人にはハードルが高い。スマートコントラクトのコーディングを詳しく解説している本に出くわしたりすると、もう無条件降伏したくなります。コマンドなどいじったことのない私には、まったく意味不明の世界でしかありませんでした。

そんな私のような者にとって、解説本としてはいちばんわかりやすかったのが、今回紹介する『いちばんやさしいブロックチェーンの教本』です。


この本では、ブロックチェーンについて、ゼロから解説していきます。

何がいいかというと、一つ一つの章が短く、スモールステップで進んでいくところです。

しかも、絵や図が多くてわかりやすい。

ページをめくるたびに、「そうだったのか!」と、膝を叩く思いで、知的興奮を味わいながら読み進めました。

この本に出合わなければ、私の仮想通貨への関心は、そこでしぼんでいたかもしれません。

出版社のサイトに、ページイメージが載っていますので、興味のある方は見てみてください。

この本で、私は多くのことを理解しました。

特に、暗号技術の概要を知ることができたのは、大きな収穫でした。

たとえば、「一方向ハッシュ関数」です。この本では、一方向ハッシュ関数を、「ブロックチェーン技術を語る上で最重要」であるとしています。

では一体どういうものなのか? 私が理解したことを要約すると、以下のようになります。

関数は、同じ入力値に対して、常に同じ値を出力する。

そして、ハッシュ関数の場合、「入力値に対して、どんな値が出力されるか予測できない」のが特徴である。

そして、出力結果から逆算して、入力値を導き出すことは、現実的に不可能である。

ビットコインでも使用されているハッシュ関数「SHA256」を用いると、たった1ビットでも違う値が入力されると、互いにまったく関連性のない異なる値を得られる。

また、長さの異なる文字列を与えても、常に一定の桁数となる。SHA256の場合、入力値が1バイトであろうと、1GBであろうと、常に16進数の64桁が出力される。

いかがでしょうか?

要約しすぎて意味不明かも・・・。完全に私のせいです(;^ω^)

しかしご安心ください、本の中ではこれを、とてもわかりやすく解説しています!!!

ついでながら、YouTubeで検索したら、この本の著者がゲスト出演している番組がありました。ブロックチェーンの応用について語っています。興味のある方はどうぞ。

ところで、この本の刊行は2017年8月なのですが、仮想通貨関連の本を読むときに、出版時期を考慮するというのも、一つの楽しみ方です。

たとえば、2017年8月にはビットコインキャッシュの誕生があったわけですが、この本の執筆には間に合っていません。しかし、スケーラビリティをめぐる議論はあったわけですし、またハードフォークという概念も存在しました。こういう部分に、本書ではどのように触れられているか? ぜひご自分の目で確かめてみてほしいと思います。

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