政治家が「感染予防」を呼び掛けることが、ある問題を悪化させる
小池都知事が、家庭内での新型コロナ感染症の感染予防を呼びかけたそうです。https://news.yahoo.co.jp/articles/6e0f6e77982c3c99a685ca4dbe307e16be81e783
「食事の時間をずらせ」とか、「歯磨き粉を共有するな」とか、、、もう言うことが細かすぎて、「そこまで家庭生活に介入するか?!」と違和感を感じたのは、私だけではないのではないでしょうか。
実際、家庭内での感染が増えているそうなんですが、だからといって、すべての家庭から濃厚接触を無くそうなんて、土台無理なんじゃないでしょうか。
そんな効果が出るかどうかわからないことよりも、医療体制の拡充こそが重要でしょう。
それをやりたくない余りに、国民一般への注意を促すばかり。これってもう、「打つ手なし」ってことなんじゃないんでしょうか。
さて、小池都知事ばかりでなく、他の知事や国会議員の皆さんが、感染予防を呼びかけていますが、これが大きな弊害を生んでいると思います。
それは、感染者への誹謗中傷です。
なぜなら、感染予防を強調することによって、「感染したのは本人が悪い」という見方を助長するからです。
感染しないように、細心の注意を払って生活する人。そういう人たちの中には、「私が感染しないのは、十分に注意して生活しているからだ」と確信する人が現れてきます。
そういう人にとって、感染した人は、必然的に「不注意だった」ということになるのです。なおかつ、感染者は他の人にうつす可能性もあるわけで、迷惑以外の何ものでもありません。
そして、そんな「自分は頑張って気をつけて生活しているのに、気をつけない連中が感染を拡大させる」という、自分の正義を信じて疑わない人たちが、誹謗中傷を行うのです。
しかし、そもそも感染予防というのは、「リスクを下げる」ものでしかないんですよ。
感染にまったく注意せず、しかも感染しないという人もいるでしょうから、感染予防は「確率を下げる」程度のものでしかないはずなんですよね。
それを絶対視する人が出てくると、誹謗中傷に拍車がかかるのではないかーー。
感染予防の呼びかけが、そうしたデメリットを発生させていることに、政治家もマスメディアも、もっと配慮してもいいと思います。
ではなぜ、政治家もマスメディアもこぞって、感染予防ばかり呼びかけるのか。
それは、(ここからは私の邪推ですが、)医療体制を変革したくないからではないでしょうか。
厚生労働省や医師会の言動を見ていると、「医療現場を守る」というのは、医療業界の権力構造を維持することと同義です。
このまま新型コロナ感染症が拡大していけば、医療体制をもっと拡充していかなければならない。具体的にどうするかと言えば、医療関係者以外の人手を動員せざるをえないのです。
たとえば、いくら病床数を増やしたところで、そこで働く人手が確保できなければ、意味がありません。
しかし、医師や看護師を動員しようとしても、そういう医療の専門家は、そう簡単には増えません。医療系の大学の入学枠を増やしても、この少子化では入学者が急に増えるわけではないし、免許や資格をとるには何年もかかります。
そういうことを考えれば、医療体制を拡充するには、医療系の免許・資格を持たない人に、現場に入ってもらうしかないのです。
しかし、いまの医療業界の人たちは、それをやりたくない。部外者が自分たちの縄張りに入ってきて、派閥や学歴の権威で統制できなくなるのが怖いのです。
現下の未曾有の危機にあって、厚生労働大臣が及び腰で、陣頭指揮をとらないのも、私はそうした理由があると思っています。大臣は、業界の権力を保護する側だからです。
「医療崩壊を防ぐ」というとき、医療関係者が守ろうとしているのは、自分たちの権力構造や利権であって、国民の命ではない。医療体制を拡充すれば、国民の命を救えることは分かっているが、自分たちの権力が危うくなる。そのため、感染予防の訴えに望みを託しているのです。
結論としては、感染予防を呼びかけてばかりいないで、医療体制の拡充にもっと力を入れろ!と私は言いたい。
無理なのかな?
皆さんはどう思われますか?
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「それはちがうだろ」というご意見も大歓迎です。
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