『半減期の価格上昇神話』は生きているか?

『半減期の価格上昇神話』は生きているか?

Bitcoin halving(半減期)が迫るに連れて、価格上昇期待発言が増えていきます。

期待すべき根拠は何なのでしょうか?

半減期は市場が織り込み済みで、ほぼ心理的イベントに過ぎないけれど、投機の呼び水にはなっているというのが私の認識です。

一方、マイナーに関しては重大イベントであり、価格上昇へのファクターとは言えます。

現在、10分に一回6.25BTC、年328,500BTCがマイニングされています。私の適当な掛け算が正しければ、直近レートで年間1兆3315億円もの新規供給があります。

マイナーはマイニングマシンに設備投資して、電気代とオペレーションコストを払い、この6.25BTCを得ます。

次の半減期で6.25BTCは3.125BTCになり、マイナーのIRR(内部収益率:Internal Rate of Return)は激減します。マイナーは、マイニング性能、IRRの両面で競争しつつ、この定期的に訪れる氷河期を乗り越えなくてはなりません。半減期は弱きマイナー達の絶滅期でもあります。

※IRRを簡単に言うと、お金の時間的な価値を考慮した利回り計算です。単なる投資額に対するリターンではなく、時間的価値も計算式に入れたのがポイント。不動産、発電など収益の再投資で事業を回している業界でよく使われる指標です。マイニング業界は投資期間が長期に渡り、ビットコインの価格変動でキャッシュフローが激動するためIRRとの相性がよいといえます。

半減期でのマイナーは、ビットコインを売却してフィアットにするか、価格上昇に賭けてHODLするかの二択を迫られます。

売却益で電気代などランニングコストが賄えますが、マイニングマシンなどの減価償却による赤字決算ケースもあります。その場合、即時売却=損失確定です。上場企業には短期利益を確保せよとの株主圧力があるので、ビットコイン価格上昇に賭けたHODL戦略が有力な手法でした。マキシマリストにも褒められますし。

年間約1兆3千億円もの新規発行とそれに伴う売却がありますから、理論上は同額のニューマネーの流入がない限り価格は維持できません。半減期には世界中のマイナーのIRR(内部収益率)が同時に悪化するため、HODLするマイナーが増加すれば、需給バランスが崩れる傾向があり、価格上昇しやすい、というのが私が理解するところの半減期価格上昇ロジックです。

しかし、マイナーのHODL戦略が主流だったのは前回の半減期まで。ここ数年の電力コスト上昇、ビットコイン価格低迷、暗号資産企業連鎖破綻の影響で、上場マイナーを中心にセーフティな経営へ移行しています。

世界のトータルハッシュレートの約10%を占める大手マイニング企業コア・サイエンティフィックがChapter11に追い込まれたのを記憶していますか?

コア社の破産は、テラ→セルシウス→アフロ→ブロックファイというスキャムドミノ倒しによるバブル崩壊が主因です。

それを間近で見た北米マイニング企業のほとんどは、ベア相場を生き残るために、HODLを諦めざるを得ませんでした。現在の主流は、獲得したビットコインを継続的に売却し、資金繰りのイン・アウトを改善させ、キャッシュフローの安定を優先する経営スタイルです。

私個人が、半減期の価格上昇要因は心理的イベント効果ぐらいしか残ってないのでは?と考える理由の一つです。ただ、全マイナーが半減期のHODLを止める訳ではないので、半減期に価格は上がると分析する専門家も引き続き多いでしょう。

また、過去の半減期のチャートの再現を匂わすインフルエンサーも多いですが、以前の半減期は時価総額が小さく、マイナーはもちろん、クジラや投機筋などの影響が現在よりも大きかった可能性を考慮すべきです。

ちなみに、半減期はビットコイン固有のプロトコルではなく、他のPoWコインでも検証することができます。ライトコインは半減期のかなり手前でピーク価格を迎える傾向があります。モナコインだと前回の半減期前後に目立った価格変動はなく終わっています。

果たして、現在でも半減期神話は生きているのでしょうか?

とりあえず、身銭で検証実験してみます。Bitcoin halvingに先駆けてモナコインの半減期がやって来るのを活用しました。

実験方法:半減期間近なMONAを購入し、価格変動リスクを背負って、半減期神話ドリームを確かめる。

銘柄分析:日本を代表するミームコイン。半減期要因よりも、国内取引所上場や、アルト相場などにより価格変動する傾向。最近は市場全体との連動性は低め。月足チャートは長期低迷中で、終わった草コインでよく見る形をしている。

保有者のほとんどが日本国内在住というドメスティックなコイン。独自のコミュニティを形成しているが、アスターやスケブなどの新規銘柄に比べて勢いが弱く、枯れすすき感が否めない。取引所出来高はビットバンクが圧倒的。

2018年、価格の割に低いハッシュレートが災いし、ハッカーからセルフィッシュ・マイニングという攻撃を受けている。この時は、二重支払い対策が不十分だった取引所が、十分な確認を経ずに入庫判定を行い、ハッカーが即座に出金申請を行って、約1000万円の被害が出ている。最近、ライトコインベースからビットコインベースへの変更が実施された。

ちなみにMONAのマイニングは、日本国内だと電気代に勝てず赤字になるため、中国など電気代が激安な地域で密かにマイニングして、日本の取引所でビットコインに変えている模様。

https://spotlight.soy/detail?article_id=c4am6apz5

結論:モナコインは実験のノイズとなる価格変動ファンダが少ない渋めな銘柄である。『半減期による価格上昇神話』を検証するのに比較的適したアルトコインと考えられる。

早速買いました。10万円分のモナコイン。フィアット価格は61円。半減期到達予定は11月02日 19:16:31ですって。半減期以降の価格推移や、ビットコイン半減期でのコイン同士の比較を含めて報告します。

もし収益が出たら、DH Magazineだけでなく、ビットコイン研究所も会員登録して貢献する資金に充てます!昔から読みたかったんだけど会費高くて躊躇してました(笑)

さあ、結果はいかに…

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