Nostrasia 2024 を発生させよう。

Nostrasia 2024 を発生させよう。

本記事サマリー

  • Nostrasia 2024 の発生のはなし
  • ケータリングクラファンのはなし
  • Martti Malmi氏登壇のはなし
  • 上智大学サークルGiversクラファン支援のはなし

本文

先日9月21日22日に開催された Bitcoin Tokyo 2024

そのサイドイベントとして、9月23日にNostrasia 2024が行われました。

本イベントでは、技術のライトニングトークからマグロ解体ショー、シーシャ体験コーナー、ライトニング決済による物品コーナーなどバラエティに富んだ催しが行われ、また海外からの参加者も多く非常に成功したイベントとなりました。

今回の記事では、Nostrasia逆アドベントカレンダー に合わせて、今回のNostrasia 2024が具体的に発生する際に、私がどうしても「Nostrasia、有れ」と強く願ったためにおこなった、Nostrの国内コミュニティと東京の海外コミュニティの双方に微妙に嘘をついて、イベント発生のための外堀埋めをした話を、ちょっとした備忘録として書き残します。

何か「情報」を期待して、この記事を開いてしまった人はここで別の記事に切り替えた方がいいでしょう。

まず大前提として私はNostrasia 2024運営には関わっていません。

本イベントを素晴らしいものにしたのは、Nostrasia 2024の運営メンバーの独創的な発想力や地道な作業の積み重ね、また登壇者のスピーカーの皆様の努力によるものであり、その点については私は一切貢献していないので、今回のイベントの大きな成功に対する貢献は彼らにある。それは大前提であると最初に言っておきたいです。

では、そもそも Nostrasia とはなにか?

Nostrasiaとは、昨年2023年にTwitterファウンダーであるジャック・ドーシー氏(npub1sg6plzptd64u62a878hep2kev88swjh3tw00gjsfl8f237lmu63q0uf63m)を中心に、海外のNostrコミュニティが東京・渋谷で開いたイベント(https://japan.cnet.com/article/35212604/ )です。この時はジャック・ドーシー氏のポケットマネーから開催のための費用が負担され、日本在住歴のあるエドワード・スノーデン氏(npub1sn0wdenkukak0d9dfczzeacvhkrgz92ak56egt7vdgzn8pv2wfqqhrjdv9)もリモートで登壇し、3日間のセッションは非常に盛り上がりました。

また、日本国内のNostrコミュニティのメンバーも東京に一同に介することで、コミュニティの結束だったり、活性化だったりが果たされ、のちのコミュニティの方向性を方向づけたようにも思われます。

私自身は、元々ビットコインに関心があったところからNostrは認知していて、昨年11月のNostrasiaをきっかけとして、Nostrコミュニティにより長い時間コミット(=SNS Nostr廃人化)することになりました。

そういったものがNostrasiaです。

Nostrasia 2024に関しては、ジャック・ドーシーを中心とした海外のNostrコミュニティは、ラトビア・リガで Nostriga (https://nostr.world/)という大きなイベントを開催したこともあり、2024年、彼らが再び東京でNostrasia 2024というイベントを行う予定はありませんでした。

以上のような前提条件のもとで、日本のNostrコミュニティが2024年に新しい Nostrasia を行うことをぼんやりと考えている時期が、5月末の時点までありました。(国内コミュニティのdiscordを遡ると、Nostrasiaをやるやらない、あるいはやるなら日本のどこでやるのか、誰が運営の中心になるのか、みたいなあまり地に足がついていない話がふわふわした状態で行われていたことがわかります)

時を同じくして、私、ichinaka は Bitcoin Tokyo 2024の主要な主催者である Higashi Kojiさん(npub17n53d53ql9seuxap52r6uckkvvf9nk0pg2v6ecpj7z9nnh8fwh2sl3j6ds)を中心とした海外ライトニングマルシェのメンバーとして、ソウルのビットコインカンファレンスでの物品の販売を行っていました。このことをきっかけとしてBitcoin Tokyo 2024の運営メンバーとして以降の数ヶ月間働くこととなります。

6月上旬になり、私がBitcoin Tokyo 2024の運営に関わるようになって、まず最初の話題は、サイドイベントには何があるだろうかという話題でした。

この時、運営関係者の1人として、昨年のNostrasiaの運営にも深く関わっていた Justin Tokyoさん(npub1cd6syy4q0rha3kzdz2yw5782y4yj9snvzd8rcxjy6e9kldcmpeuq6dw96r)もいました。彼もまた昨年の経緯もあり、今年のNostrasia開催の可能性について考えていました。彼は東京の外国語話者のビットコイナーやNostrのコミュニティに通じていて、特にBitcoin Tokyo 2024では海外の主要なビットコイナーも集結してくることから、海外の人々も含めた、Nostrasiaを今年もまた昨年のミニバージョンとして開催することができるのではないかと模索していました。とはいえ、この時点ではまだこの案は具体的なものではなかったのです。

(注釈:ここで注釈があるのだが、そもそもNostrの開発やコミュニティの中心メンバーは、ビットコイナーが多く、例えば、Nostrプロトコルを用いたSNSクライアントアプリでは、しばしばビットコインに親和的なUIを持っていたりする。コミュニティ内にいれば、これはあまり自明なのだが、外部からみれば、違和感を感じる要素であろう。よって、このような前提があるとの注釈をつけた。NostrとBitcoinコミュニティには、前提として深いつながりがあるのである。)

以上のように、6月上旬時点で、日本のNostrコミュニティ(四谷ラボを中心としたもの)、また、東京在住の外国語話者勢のNostrコミュニティが、ほぼ同時に今年のNostrasia開催の可能性について、それぞれ別々の角度から具体性を伴わない形で、妄想をしていたのです。

私は、たまたまBitcoin Tokyo 2024 の運営メンバーに入っていたこと、また、今年に入ってからほぼ仕事をしていないフリーランスのNostr廃人であるという2点から、2つのコミュニティがお互いにNostrasiaをやろうと妄想し、妄想だけをして具体的にはプロジェクトとして走り出していない状況、もっと正直にいえば、このままでは「Nostrasia 2024 をなんとなく、みんなやりたいとは思っていたけれど、誰も音頭を取らなかったのでやりませんでした。」的な状況に陥りそうなことが見えていたのです。(少なくとも自分からはそういう風に見えていた。)

当時のコミュニティメンバーは、なんとなく何かイベントをやろうと言っているが、それとは裏腹に「じゃあ誰が音頭を取るんだ」「誰が主催者の役をやるんだ(kojiraさんは自分はやればできるけど、できれば他の人に主体的に手を挙げてほしそうにしていた(霊感))」ということでお互いに牽制し合い、具体的なことを決めることをためらっているように見えました。(確かに重い仕事になることが予測されるわけで当然ではある。)

一方で、Nostr界隈の皆さんならば知っているようにのNostrコミュニティ(国内含む)は、人材が豊富なので、一度枠が決まり、走り始めれば、各人が素晴らしいコンテンツを準備し、イベントを成功させる蓋然性はとても高いようにも思えるのです。

これはジャックを中心とした昨年の Nostrasia の話だけではなくて、昨年の12月末に行われたNostrの日本コミュニティの忘年会的なイベント( https://428lab.connpass.com/event/300313/ )一つとっても、素晴らしい内容のライトニングトークを始め、充実したイベントを実際に開催していたことからも、私にとっては自明でした。

繰り返しになりますが、私は、Nostrコミュニティは一度 Nostrasia の枠組みが決まれば、能力と士気が高いコミュニティのメンバーが素晴らしいイベントを作り上げると最初から確信していました。これは界隈の方ならば同意していただけると思います。

だからこそ、むしろ、まず枠が立ち上がらない状況がもどかしい。このままでは、BitcoinTokyo2024 9月開催という、海外のNostr開発者も東京に集まる最良のタイミングでイベント開催できず、 「僕はほんとうは思ってましたけど、Nostrasia 2024 をBitcoinTokyoと同じタイミングでやればよかったんですけどねwグフフww」と後から品評するようなキモい世界線になってしまう。

Nostrasia 2024 のある世界線ない世界線どっちにいきたいか。そんなの自明ですよね。

先述のように、6月上旬の時点(イベントまで残り3ヶ月!)では、Nostrasia 2024 開催は、”誰が最初のボールをキャッチするのか”がボトルネックになっていました。私は、イベントのある世界線に飛ぶため、イベントを発生させるために、これは直接にコアメンバーを説得するとかではなくて、ある種のトリックのようなものを使って、開催のための外堀を埋めることができるのではないかと考えました。(あの段階で人々に主催役をやってくれと説得しても失敗する可能性が高く、中心メンバーの可能性がある人の拒否がDiscord等で明文化されると、イベント自体が無い世界線に飛ぶ可能性も高くなります。それはナントカ避けたかった)

そこで私が使った手段は、Justinさんと国内コミュニティの双方が具体的にNostrasiaの開催を考えていない段階で、BitcoinTokyo2024の運営に携わっているという立場を利用して、お互いに向かって「あっちは具体的にやろうとしているぞ」と嘘をつくことでした。

具体的には、BitcoinTokyo2024 の運営の中で何か具体的な話が出ているわけでもないのに、JustinさんとBitcoinTokyo2024主催者であるTerukoさん(npub19x0h8jm3mnwzhv4tpq62zta05er0qlyge73m0pwsp7h666khkd9qev2ree)がサイドイベントについて少し触れたことを根拠に、国内コミュニティのメンバーでNostrasiaの主催者になりそうな kojiraさん(npub1k0jrarx8um0lyw3nmysn50539ky4k8p7gfgzgrsvn8d7lccx3d0s38dczd)とhakkadaikonさん(npub1zqdnpm5gcfap8hngha7gcp3k363786phvs2etsvxw4nh6x9ydfzsuyk6mn)に、クローズドなやりとりで、「Justinさんは既にTerukoさんとNostrasiaの開催について話しを進めている。Nostrの外国語コミュニティと、今あなたたちがやろうとしているNostrasiaがダブルブッキングすると悲劇なので、今すぐ彼とコミニケーションをとって共同で進めていくべきだ」と開催のための下地づくりを焦らせるようなことを伝えました。

試みは成功し、「Justinさんが本当にやるならば」ということで、それまで「日本のどこでやりますか?四国かな?というかほんとにやるのかな?誰が?」という感じで進んでいたNostrasia開催の話は、具体的には、東京で9月のBitcoinTokyoに合わせて開催、主催はkojiraさんとHakkadaikonさんを中心にということで走り始め、まだアイディア出し的なMTGの段階でしたがそういうものも開催され、Nostrasia 開催に向けて国内コミュニティが動き始めました。

こうしたらば占めたもので、この火が消えないうちに、今度はJustinさんに上記の国内コミュニティのキックオフMTGの話を持っていって、「東京のメンバーはNostrasiaを本気でやる気で温度感も非常に高い。ミーティングもやっている」とMTGメモのGoogleドキュメントURLを投げるなどし、Justinさんに向かって日本のコミュニティはかなり具体的にやろうとしてるので、今すぐ連絡を取り合って一緒に進めていきましょう。イベントが重複したらもったいないから一緒に海外コミュニティと日本コミュニティをつなげる役割をJustinさんにやってほしいというようなことを伝えました。

そうやって、Justinさん、kojiraさん、Hakkadaikkonさんのいるtelegramグループを立ち上げ、双方が「やりましょう!」「是非やりましょう!」と高いテンションでやり取りをしていただいたことで、開催の外堀は埋まりました。念願の「一度 Nostrasia の枠組みが決まれば、」を達成することができたのです。あとは優秀な方々が素晴らしいものを作り上げてくれる!Mission Complete!

(結果は見ての通りです。イベントを具体的に形にした皆さん、本当にありがとうございました。自分は地道な作業には関われず少し申し訳ない気持ちがありますが、結果を見ると自分は今回のイベントの成功のために必要ではなかったとも思います)

以下、少しほかのエピソードも残していきます。

今回の Nostrasia に関して、イベント開催外堀埋め話とともに触れたいのはNostrasia ケータリングクラファンの話です。

もちょぴ(私の当時のNostr上でのアカウント名)がなぜ、ケータリングのクラウドファンディングをやっているのか?が謎だったり、こいつも運営メンバーなんだなと思った方もいると思うのですが、上記のような経緯があったために、金回りの構造もなんとなく見えていて、「いや、あまりにスポンサー会社に頼りすぎで、みんなで作り上げる部分も欲しくないか?」ということで、何度か運営と交渉して、何度か断られながら(「金回りのことには極力関わりたくない」とか言われてw)、どうにかこうにか運営の方とわりと高圧的なコミュニケーションをしていく中で、クラファン支援できる体裁を整えていただきました。

運営メンバーの方々、その節は、本当にありがとうございました。

ケータリングクラファンの結果、イベントに来られないNostrコミュニティの方々を含めて、短時間で大きな支援いただき、コミュニティは大きくはないけれど、今回のようなイベントを皆で盛り上げていけるコミュニティなのだなと新ためて発見することができました。

ケータリングクラファン、ご支援いただいた方ほんとうにありがとうございました。個人的にも非常に良い体験できました。

他には、 BitcoinTokyo2024 の運営のメンバーとして、いち早く入手できる内部情報があったので、それらをNostrasiaに落としていてました。特に素晴らしかったのは、Nostrクライアント iris開発者で、ビットコインの初期開発者でもあるマーティ・マルミ (Martti Malmi) さん(npub1g53mukxnjkcmr94fhryzkqutdz2ukq4ks0gvy5af25rgmwsl4ngq43drvk)をLTのスピーカーとして招集するように運営に圧かけたりして、結果登壇頂けたことではないでしょうか。個人的に良きプレーだったのではないかなと思っています。

彼がスピーカーとして来ることで、会場には初期ビットコイナー的なリバタリアンというか、サイファーパンク色強い人たちも訪れることになり、イベントの多様性や厚みに一役買えたのではないかなと思ってます。

あと、成立はしなかったですが、何度も「Jackからも挨拶をもらおう!」と運営に雑な声掛けをしたのも個人的に楽しかったです。(kishinさん(npub162mtqyjgtmrdhlras3zyd5nqsysdyhw9fepj242c93uvaxakthzqa7rrj8)のNostrigaでの交渉惜しかったですね!)

「どうせ無理だ」と自分の頭の中だけで勝手に決めつけないで、色々迎え入れるにふさわしい体裁をイベント運営の方々が地道に積み重ねて、素晴らしいゲストを実際に呼び込めていたのはほんとうに良き仕事だと思いました。今回、運営の方達が本当に素晴らしかったと思います。本当にありがとうございました。

最後に、もう1点自分がやったこととしては、上智大学の学生サークルであるGivers(npub1jz029w70x9avxmsz2dgpgpf9fvtpjvm5kyd039uwz2ypechhd4psv6h8s3)のエルサルバドル支援活動のためのクラウドファンティングをサークルメンバーとともにNostrasia 2024で紹介し、寄付を募ったことです。(結果は秒速で50万sats(5万円)以上の支援)

これは当日に BitcoinTokyo2024 の Terukoさんから依頼されたことに端を発するのですが、結果として、秒速で50万sats(5万円)以上の支援がNostrコミュニティからビットコインでありました。ほんとうにこんなコミュニティは国内にほかにないのではないでしょうか。非常に力強いと思います。自分も支援を煽った身ですので、あらためて、ご支援ありがとうございました。と言わせてください。

Terukoさんによれば、今後 Bitcoin Hub というビットコイナーのためのコワーキングが四谷にできるそうです。Nostrasiaの主催兼スポンサー的な立ち位置である四谷ラボさんも四谷。そして、BTCが法定通貨のエルサルバドルを支援する上智大学Giversも四谷。今回のNostrasiaでの支援の繋がりから、四谷でなにかが起きるのかもしれないし、起きないのかもしれません。今後、四谷の動静に注目です。

以上、長くはなりましたが、片足だけ突っ込んだ妙な立場からの Nostrasia 2024 の備忘録でした。

本当に楽しいイベントでした。イベントを盛り上げた全ての方に感謝したいです。本当にありがとうございました。

この続き : 0字 / 画像 0枚
1,000

会員登録 / ログインして続きを読む

関連記事

記事を書いた人

SNSにシェア

このクリエイターの人気記事

Umbrel Home の Wi-Fi 接続

49