「satoshi」という通貨単位にダメ出しした著名人リスト
Hal Finney「Satoshiの名前を単位に使うのは、彼が望む匿名性に反する」
Gavin Andresen「Satoshiは自分の名前が使われるのを嫌がるだろう」
Peter Todd「satoshiという呼び方はカルト的。技術的にはただの10⁻⁸ BTCだ」
Greg Maxwell「個人名を単位に使うのは北朝鮮みたい。やめよう」
Adam Back「私は今でも“sat”とは呼ばず、0.00000001 BTCと呼ぶ」
Nick Szabo「Satoshiは自分を神格化されるのを最も嫌っただろう」
Roger Ver「Satoshiは謙虚な人だった。そんな単位名は失礼」
サトシ・ナカモト本人が“個人崇拝的な通貨単位を嫌う証拠”9選
- 2009年1月:「We can win a major battle in the arms race and gain a new territory of freedom for several years.」→ 自分を英雄ではなく「一時的な戦士」と位置づけ。
- 2009年11月:「If you can keep a secret, you can be part of Bitcoin.」→ 匿名性を最重視。
- 2010年2月:「I’m better with code than with words though.」→ 自己顕示欲ゼロ。
- 2010年7月:「I’ve moved on to other things. It’s in good hands with Gavin and everyone.」→ 自分が不要だと明言。
- 2010年12月(最後のフォーラム投稿)「There’s more work to do on DoS, WikiLeaks stuff is making it worse.」→ 自分の名前より技術的問題を優先。
- 2011年4月(最後のメール) 「I’ve moved on to other things. I wish you all the best and hope Bitcoin continues to thrive.」→ 完全に姿を消す決意。
- P2P Foundationのアカウント名は 「Satoshi Nakamoto」ではなく「satoshin」→ 本名すら明かさない徹底ぶり。
- ソースコードに自分の名前を一切書かない(--with-satoshi なんてオプションは存在しない)。
- ブロック1のコインベースに書いたのはThe Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for banks→ 自分ではなくシステムのメッセージ。
最近のお気に入り最小単位はSquareが採用する「₿」
(例)5680sats=₿5680
シンプル。説明不要。1文字で表現するかっこよさ。
CEOのジャック・ドーシーはかなり強硬なsats否定派。BIPやSNSレスバではなく、実際のサービスで普及させるのが一番いい。
「₿」単位が普及すると、satoshi(sats)に伴う「サッツとは、ビットコインの最小単位で・・・」という説明コストがほぼ無くなる。初めて使う人でも直感的にわかるユニバーサルデザインで、教えるほうも学ぶほうもお互いに楽。
通貨の表示単位は、極めてシンプルなUIが要求される。どんな人にでもわかりやすい、優れた表示が選好される。
前提として、同じ通貨で単位呼称が複数ある事は初心者にとって煩雑なUIUXであり、通貨使用への心理的障壁になることが意外なほど見逃されている。
世界一有名な通貨:米ドルとセントの関係を、日本人の多くが即答できず、驚くべき確率で誤答する。(海外旅行などをしない一般ピープルを対象に、ぜひ試してみてほしい。)
さて、「₿」の使用提案も含め、BIP-177で提案されている「bitcoin」のデノミ的な単位の再定義をどう評価するか。
「ビットコインって名前なんだから、最小単位は数円なんでしょ?」という素朴なイメージに見合った単位である。
ビットコインの最小単位の市場価値が、1セント硬貨や1円玉に近くなっていく過程において、「bitcoin」という表示単位の小数点を移動する方法は悪くなさそうだが、古参には反対の声が多い。
「2100万が上限であるビットコインというナラティブを破壊する」「もともとこうなんだから変えないほうがいい」といった心情的意見も目立つ。
一応言っておくと、表示単位やロゴマークなどのUIを変えても、ビットコインのプロトコルに変更は起きない。同じく、発行上限の表記単位が大きくなっても、ビットコインの総量は変化しない。ただ、今だ狭く小さなコミュニティの文化に多少の変化が生じるだけだ。
ビットコインOGがトレジャリー企業のフロントマンに就任したり、ビットコイナーが政府要人や特定政治集団と利権関係を強める現状の方が、サイファーパンクから生まれたカルチャーをよっぽど破壊している。
もちろん、ビットコインのプロトコル層は「骨化」レベルの慎重な変更が求められるが、アプリケーション層(UIUX)まで「骨化」させる必要はない。どんどん洗練されることが重要なレイヤーだ。
サトシ・ナカモトは世界を変える発明をした。決して原理主義者や保守主義者ではなかった。
サトシを象徴化する表示単位を冠したOGや、その単位に執着する古参を見ると、どこか滑稽に感じないだろうか。ましてや、初心者や新規ユーザーが気にする必要など無い。
ビットコインは好きに使えるし、好きな単位で呼んでいい。開発から15年程度。まだまだ一般普及はこれから。
単位問題はプログラムが読めずとも、初学者でも意見が言えて、ビットコインの改良に参加できる良いテーマ。
より洗練されたビットコインUI=ビットコイン単位を探すムーブメントを楽しみつつ、HODL。そして、今みたいな下落時にこそ、Buy bitcoinしよう。





BIP-177的には「ごせんろっぴゃくはちじゅうびっとこいんず」って読むと思います