
Blockstream Jade VS Block Bitkey
「コールドカードとスパロウで良くない?!」という気持ちもありつつ、「2025年からビットコイン始めた初心者」という観点で二つのデバイスを選定し比較。Bitkeyを選んだのは超初心者向け設計であること、「シードレスは安全」で議論が盛り上がってること、昨年発売から95か国以上で利用され日本もいずれ対応するということで。
◎Blockstream Jade:自由度とセキュリティを追求
概要
Blockstream Jadeは、ビットコインおよびリキッドネットワーク専用のオープンソースハードウェアウォレットです。自己管理を徹底したいユーザー向けに設計されています。
特徴
- オープンソース:コードは完全に公開され、誰でも検証やカスタマイズが可能です。
- 対応コイン:ビットコインとリキッドネットワーク(高速・高プライバシーな送金が可能)。
- セキュリティ:エアギャップ(QRコードによるオフライン署名)対応で、ハッキングリスクを最小限に。マルチシグにも対応。
- 接続性:USB、Bluetooth、QRコードで柔軟に接続。Blockstream GreenやElectrumなど多様なウォレットと互換性あり。
- 使いやすさ:ディスプレイ搭載で、シードフレーズやピンの管理が直感的。日本語対応のBlockstream Greenで初心者も扱いやすい。
メリット
オープンソースによる透明性、エアギャップによる高いセキュリティ、柔軟な互換性が魅力。DIYや詳細な管理を求めるユーザーに最適です。
◎Bitkey:初心者に優しいオールインワン
概要
Bitkeyは、Blockが提供するハードウェアウォレット、専用アプリ、リカバリー機能を統合したソリューションです。ビットコインの自己管理を初心者でも簡単に始められるよう設計されています。
特徴
- シンプルな設計:2-of-3マルチシグでセットアップが簡単。信頼できる連絡先を活用したリカバリー機能で安心。
- 対応コイン:ビットコイン専用。
- セキュリティ:NFCおよびUSB-Cでスマートフォンに接続。ディスプレイなしで物理的ハッキングリスクを低減。専用アプリは暗号化を徹底。
- 互換性:Bitkey専用アプリに特化し、他のウォレットとの連携は限定的。
- リカバリー:シードフレーズ不要。信頼できる連絡先やクラウド(補助的)で復元可能。クラウドはユーザーの許可なしでは機能しません。
メリット
初心者でも直感的に使える設計と、簡単なリカバリー機能が強み。クラウドは補助的で、ハードウェアとスマートフォンの鍵で自己管理が可能です。
◎Bitkeyの「Block依存」はどうなの?
Blockの主張
Bitkeyは「自己主権の第一歩」を目指し、初心者でも簡単にビットコインを管理できるソリューションを提供。2-of-3マルチシグにより、ハードウェアとスマートフォンの鍵で自己管理が可能で、クラウドは選択制で補助的。Blockは復元プロセスを今後さらに透明化する方針を表明しています。
メリット
- 使いやすさ:ハードウェア、アプリ、リカバリーが一体となり、初心者でもすぐに始められる。
- クラウドの補助性:クラウドを使用せずとも、ハードウェアとスマートフォンの鍵で管理可能。
- 移行性:他のウォレットへの移行も可能で、柔軟性を確保。
懸念点
- 一部非公開技術:Bitkeyの一部はBlock独自の技術で、オープンソースではないため、ガチコイナーには不安を抱かせる可能性が高い。
- クラウドのリスク:サーバー障害や依存度が気になる場合も。
シードフレーズ・ディスプレイなしの設計について
- 賛成意見:シードフレーズがないことで、紛失や盗難のリスクが軽減。ディスプレイなしで物理的ハッキングリスクも低減。初心者にとって管理が簡単。
- 反対意見:シードフレーズがない分、Blockやアプリへの依存度が高まり、自己管理の原則に反する。アプリのセキュリティが重要になる。
◎結論:初心者に最適なのは?
- Blockstream Jade:オープンソースとエアギャップによる高いセキュリティ、柔軟な互換性を求める方に最適。古からのビットコイナーはもちろん、リキッドネットワークを活用したい中級者以上におすすめ。日本語対応のアプリで初心者にも扱いやすい。大きな資産を管理したいならJadeを勧めたい。
- Block Bitkey:初心者でもすぐに始めたい方に最適。シンプルな設計と簡単なリカバリー機能が魅力。自己GOXの原因となりやすいシードフレーズの秘密保管、24ワードを1文字ずつの入力する緊張感からの解放。自己管理の基本を押さえつつ、Blockのサポートを受けながらスタートしたい人に。
どちらもいいデバイスですし、開発企業が元気なので今後もどんどん進化していくと思います。Blockstreamの技術力と歴史は唯一無二ですから安心感が違います。あえて懸念材料を挙げれば新しく導入されたバーチャルセキュアエレメントの実用性と安全性を様子見したいくらいでしょうか。とは言えBlockよりもビットコイン開発に長けたBlockstreamが開発しており杞憂に終わると思います。
Bitkeyは自社囲い込み路線がイマイチですが、Squareライトニング決済とのシームレスな連携は日常使いウォレットとして最大の武器になるでしょう。シードレス、指紋認証、フェイスID搭載など「おばあちゃんでも使える」利便性追求の開発視点はGoodです。既存のビットコイナーをターゲットにせず違う方向性からマスアダプションを目指してほしいです。スマホ然り、ラガードも使うデバイスが最終勝者。
あとは税制改正だけですね。米国の議員がビットコイン少額決済非課税枠について発言しているので実現したら楽しい。自民党と金融庁への血判状にも少額決済非課税枠について書いたんですが、日本で実現するのは何年後でしょうねぇ?
余談ですが、アダムもジャックも反Sats派なので、次回以降のアップデートでBIP176やBIP177を単位表示オプションに入れてくるかもしれませんね。
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「そんなやつおらんやろ」「送れるもんなら送ってみろ」と思うかもしれません。「ならば、BIP177で混乱は起きないし、むしろ初心者には100Satsより₿100の方がBitcoin単位として直感的で統一性もある」という反Sats派の擁護になってしまうので、Sats派の皆さんは黙殺するが吉。ビットコインはどう数えても自由です。(なぜか主流派から押し込まれたい悪い癖)