『死に至る病』を読んで

『死に至る病』を読んで


キルケゴールの『死に至る病』を読んでみた。

死に至る病とは、「絶望」のことであるが、本書ではその絶望が3種類あると述べられている。

  1. 自己を持っていると意識していない場合の絶望(無知の絶望)
  2. 自己自身であろうと欲しない場合の絶望(弱さの絶望)
  3. 自己自身であろうと欲する場合の絶望(強情)

1の絶望はニーチェのいう「おしまいの人間(末人」のことである。また、カフカの『変身』においては、ザムザが虫になったにも関わらず、そのことには目もくれず、会社へ行けるか・家族を養って行けるかを心配している状態が、無知の絶望である。

2の絶望は、夏目漱石の『こころ』における、先生が叔父の裏切りによって堕ちた絶望である。なぜなら、先生は被害者として裏切られた事実に依存しているからである。

3の絶望は、Kが自殺したことによって先生が加害者として堕ちた絶望である。それは、先生がその理由を他者へ語ることができず、そのことが先生を絶望へと陥れたのである。

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次回はプラトンの名作『国家』についてご紹介したいと思う。